2020年12月5日土曜日

江戸は浅草〈三〉 桃と桜

 江戸は浅草〈三〉 桃と桜 知野みさき

 桃と桜 真一郎に人殺しの疑いがかけられた。疑いを晴らしながら、高利貸しの二重取り立てをさせていた商家を暴く。

 花残月 京都の錠前師・忠也が守藏の弟子になりたいと訪ねて来る。真一郎は商家の内儀の浮気を調べていて、一年に一ヶ月蚊帳を売りにいい男・弥彦が来ることを知る。弥彦は五年前、言い交わしていた結が借金の穴埋めのため商家に嫁いだことから近江の蚊帳作りの職人になっていた。結を近江に連れて行こうと一年に一月、江戸に来るが、結は会ってもくれない。今年で最後と思っていたが、真一郎は、来年なら結はだれにも迷惑が掛からず近江に行けるようになると言う。次の卯月も来い。弥彦は忠也と帰って行った。

 掏摸たち 親子の掏摸と知り合う。真一郎は掏摸を止めさせようとするが、母親・のぶは捕まる。病気でもあった。娘・苑は掏摸をしていないと訴える。のぶは止めよう抜けようと思うが抜けられなかったと言う。

 青行灯 百物語の会をすることになった。真一郎は用意をしながら多香を助ける。多香は昔なじみ・志乃の夫・太輔と子供の仇討ちを助けようとしていた。多香は伊賀ものだった。志乃は太輔を騙し、利用し殺し、志乃を殺しに来た酒問屋巽屋の隠居・善次郎を狙っていた。志乃は助かったが、お腹の子供は死んだ。善次郎は佐渡金山から金を盗み、大阪へ、大阪から酒樽仕込み江戸へ、江戸の反幕派に渡していた。善次郎は佐渡にいた。志乃に子供が出来た時、抜けようとし殺された。真一郎は殺すことを考えないで捕まるように考える。あるという連判状を探し、太輔が残した証書を用意し、家中の者が、野次馬が集まり、大騒ぎになるよう事を起こした。おびただしい血、白骨そして連判状に、金の横流しの証拠。志乃の仇討ちは終わった。志乃を助けてくれた夫婦の元に帰った。百物語も成功した。

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