2021年2月23日火曜日

新酔いどれ小籐次〈十九〉 青田波

新酔いどれ小籐次〈十九〉 青田波 佐伯泰英 
  
 父と兄の行状を考えると同心になっていいのか迷いがある木津勇太郎に、小籐次は岩代荘吾の行動と覚悟を話す。勇太郎が御用を務めることで償うしかない決意を固めた。
 
 懐剣の研ぎを頼んできた子次郎が現れ、懐剣の持ち主盲目の姫君の話をする。姫は父親が官位を望むため高家肝煎の側室にされるという。姫はその後、懐剣で自死する覚悟だ。高家肝煎・大沢基秌は「幼女好み」と噂がある。京から江戸に帰り自邸に寄らず、姫・三枝薫子の元に来る大沢を待ち伏せした小籐次と子次郎は、小籐次が用心棒を倒し、子次郎は大沢の目を潰した。小籐次は事前にこのことを知らせた青山老中に、大沢を殺すことを止められた。
 大沢家は息子に世代交代した。三枝家は家禄半分に減らされ、三河の所領に引きこもることで家名の存続が許された。薫子は三河に旅立った。

 子次郎は元鼠小僧だった。この頃は偽鼠小僧が出没している。子次郎は悪党大名、大店から盗んだお金のほとんどを貧しい人にばらまいた。偽鼠小僧は、人を殺し盗んだ金の一部をまいている。薫子を望外川荘に連れ出した時、大沢家の用心棒につけられ望外川荘を襲われたとき、駿太郎と岩代荘吾が守ったこともあり、子次郎は今盗みをしている鼠小僧の情報を岩代に教える。北町奉行所は捕まえた。

 久慈屋の新兵衛長屋の差配をする錺職人の桂三郎は金春屋敷近くの久慈屋の家作に、「錺師芝口屋桂三郎」の工房兼店を持った。

  
 
 

 

 

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