2021年2月5日金曜日

浪人奉行 十丿巻

浪人奉行 十丿巻 稲葉稔 

 いろは屋の常連客・寿々が、自分が営む料理屋・扇屋を売れと強引に言って来る菊屋のことで相談に来る。板前等に謎の災いが続いている。八雲兼四郎が調べようとした時、親友倉持春之助が道場を構える八王子で道場破りと言いながら殺し持ち逃げする賊が暴れ回っていると言う凶報が入る。兼四郎は菊屋の調べを、橘官兵衛と定次に頼み八王子へ行く。

 倉持春之助は、知りあいの道場主と家族が殺されたことを知り賊を追っていた。兼四郎は府中宿で賊・不動の仁五郎一味を探している春之助と会えた。仁五郎は自分たちを追ってくる春之助を探していた。仁五郎一味の浪人・小野寺の助けもあり兼四郎たちは、不動の仁五郎一味を斬った。小野寺は命を助けて貰った恩があり仁五郎の仲間になっていたが、あまりにも殺生がひどく抜けたいと思っていた。小野寺は仁五郎に殺される。仁五郎たちの盗んだ金は隠し場所から取り出し、兼四郎は宿の主人と春之助に託して江戸に帰る。

 江戸に帰った兼四郎は菊屋の後に、役高一千石・公儀御使番・村瀬四郎左衛門がいることを知る。村瀬が扇屋を買い店を持ちたいために菊屋に頼んだようだ。菊屋では巧くいかないようなので、仕官を餌に浪人に扇屋の番頭の命を狙わす計画をたてたことを知った兼四郎は、定次に番頭役を頼み網を張り、計画を潰す。村瀬のことを調べた兼四郎は村瀬を浪人の名で呼び出し斬る。

 寿々には、菊屋はもう来ないと告げた。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿