2021年5月29日土曜日

栄次郎江戸暦25 口封じ

 栄次郎江戸暦25  口封じ 小杉健治

 田宮流抜刀術の達人で三味線の名手・矢内栄次郎は、太物問屋「和泉屋」の大広間で開かれた会に地方として三味線を握っていた。宴会の途中、主人・籐右衛門が匕首を握った男に襲われたところを栄次郎が救った。和泉屋の主人から紹介されたのは小間物屋「新田屋」の伊佐治だった。伊佐治は夫婦で籐右衛門に恩があると言った。

 籐右衛門の命を狙う者の心当たりの中に家を出ている息子・籐吉がいた。命を狙われていることを言えなかった。
 伊佐治は元盗賊だった。元の仲間から和泉屋を狙っていることを聞く。前は殺しをしなかったが、和泉屋の命も狙っていることを聞く。伊佐治は新しく頭になった元仲間・鮫蔵を探し出し刺し違えて止めようとする。
 栄次郎は籐右衛門の命を狙った者、籐右衛門の付き合いのある者から屋敷内に盗賊を住まわせている旗本を割り出した。そして小普請支配・旗本大河内主水が割り出された。大河内は和泉屋の主人から千両を借りていた。籐吉は大河内の屋敷に居り、大河内の用人は籐右衛門を殺して借金の返済を無くそうとした。旗本は盗賊を使い盗賊に籐右衛門を殺させようとした。

 栄次郎は伊佐治の過去を知られないようにした。鮫蔵は捕まり旗本との関係を白状した。用人は切腹した。

 栄次郎に養子話がある。兄の結婚相手・大城美津の知り合いの二千石の旗本・織部平八郎の娘・容だった。

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