鬼役〈三十二〉 殿中 坂岡真
色なき風 元宇和島藩士・糸川小十郎が、若年寄遠藤但馬守の命を狙った。居合わせた矢背蔵人介が阻止する。糸川は自死した。宇和島藩の四男が遠藤家に養子に行く話があったが、遠藤家が断ってきたことで糸川は威信が傷ついたと言った。しかし、干鰯問屋や宇和島藩の干鰯の囲い込み問題があった。蔵人介の古き友人も留守居役と繋がり蔵人介の前に立ちふさがる。
蔵人介が命がなくなることを覚悟した時、友が蔵人介の心がわかり、留守居役を説得。留守居役は切腹、友は仏門に入ったようだ。
国芳受難 蔵人介は母・志乃と、昔の恩人、秋元家を尋ねる。秋元家は最上紅花の栽培で知られる。蔵人介は鳥居耀蔵が紅花問屋を調べていることが気になっている。
十年前の秋元家の金蔵から盗んだのは、盗賊柊小僧だっだ。今では冬木屋を名乗り秋元家御用達になっていた。蔵人介は柊小僧と御納戸奉行に出世した村地を洗い出す。秋元家を訪れ二人を糾弾する。
紅花問屋を調べていて殺された同心を殺した疑いを持たれた国芳、国芳を捕まえたいがために捕まっていた版元が解き放たれた。
去りゆく者 老中水野忠邦を殺すために浪人が集められている。後ろで操るのは誰か、しらべるために蔵人介は中に入る。見るからに浪人に見えない蔵人介は捕まってしまう。同じところに捕まっていたのは、忠邦を殺そうとして蔵人介に阻止された若者だっだ。若者は今夜忠邦が狙われることを伝える。自分の片腕を犠牲にして蔵人介を逃す。蔵人介は伝右衛門とふたりで忠邦を逃し、屋敷に返す。
鳥居が水野を裏切り水野は罷免された。蔵人介から話を聞いた忠邦は若者を家来にした。
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