家請人克次事件帖① 夏しぐれ 築山桂
甘いと評判の請人克次は、元は優秀な岡っ引きだった。自分のしくじりのため恩ある同心が亡くなり岡っ引きを辞めた。心を寄せていた同心の娘・早苗が養子・宮原順之介をとり中山家を継いで二年になるが、八丁堀に近くこともできないでいる。順ノ介は克次に戻ってほしいと願うが、克次は断っている。
克次が岡っ引きの時、火付け人を探索し捕まえた。火事で息子家族を失った請人業をしていた籐右衛門は岡っ引きを辞めた克次に請人株を譲ってくれた。籐右衛門は隠居生活をしている。籐右衛門には京という世話をしている女がいる。
克次は、侍と女中の駆け落ち組みの請人になった。
身投げしそうな大店の娘・千佳を助け、籐右衛門に預けた。千佳には婿取り話があった。相手は旗本で、克次が請け合った駆け落ちの侍・邦三郎だった。
邦三郎は元中間に誑かされ、押し込みの片棒を担ぐようだ。夜中、千佳に戸を開けるように言っていることを知り、奉行所と一緒に張り込むことになる。
盗賊は捕らえられる。邦三郎も捉えられるが、千佳の訴えで江戸所払いになる。邦三郎は駆け落ち相手と江戸を去る。
0 件のコメント:
コメントを投稿