栄次郎江戸暦〈26〉 幻の男 小杉健治
船宿に賊 が押し入り人質をとって立てこもった。塚本源次郎を探しだせ。捜し出さないと人質を殺すと言う。通りかかった矢内栄次郎は事件に関わって行く。
立てこもりの最中、役人が屋根から進入しようとして、人質一人が殺される。人質三人を連れてどこかに移動した。塚本を探せと人質の一人が殺される。
塚本を探すが十年前に切腹していた。塚本は結婚したばかりの妻が、以前から上司と関係があったことを知り、妻を殺し、上司を殺し、自身は切腹した。塚本家、上司の家も断絶していた。
贋の塚本源次郎を仕立て人質と交換する。人質は助かった。細かく調べ贋の塚本・冬二の捕らわれ場所を見付け助け出す。
殺された二人の身元が判らない。何処の誰かわからなかった。
冬二が恨んでいる旗本が殺された。
栄次郎は、殺された二人をお庭番だと考えた。お庭番を殺すために人質事件が仕組まれた。二人が探っていた大名に頼まれた弥三郎が、狙いをカモフラージュするために十年前に死んだ主家の名前を出した。新しく人質になった冬二に頼まれ、旗本を殺したと考えた。
冬二の許嫁が、旗本の無体にあい、自殺していた。
弥三郎の隠れ家に侍が入っていき、弥三郎を殺そうとする。栄次郎は助けるが、弥三郎は大名の関与を認めない。塚本家の再興のため塚本家を思い出して欲しくてやったと言う。旗本を許せなくて自分が殺したと言う。侍は二十万石瀬尾伊勢守の屋敷に入った。
弥三郎が全てを背負った。
栄次郎はきっと真相に迫ってみせると思った。
栄次郎に縁談が持ち上がっている。兄の許嫁・美津と親しい二千石の旗本織部平八郎の娘・容。栄次郎は三味線弾きとして生きたいと思っている。
栄次郎は大御所治済の庶子。母は旅芸人。治済の近習番だった矢内が引き取り、矢内栄次郎として育てられた。矢内家は二百石の御家人。兄・栄之進は御徒目付。
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