2022年1月29日土曜日

昨日がなければ明日もない

 昨日がなければ明日もない 宮部みゆき

 絶対零度 2011年 11月3日 杉村探偵事務所十人目の依頼人。筥崎静子さん。結婚している娘・佐々優美が自殺未遂で入院して一ヶ月以上になるが会わせてもらえない。娘が会いたくないと言っているということしか聞いていない。一度会って話しがしたいと相談にきた。杉村は、クリニックやフェイスブック優美の夫のことを調べる。大学のホッケーチームのOBに横暴な俺様的な人・高根沢輝征がいることがわかった。また、優美が自殺未遂をした二日前に自殺し亡くなった、メンバーの奥さんがいることも判った。優美がクリニックにいないことがわかった。優美は高根沢の別荘にいる。閉じこめられているのかと心配したが、優美自身が隠れていることがわかった。
 高根沢が殺された。仲間の重川がいなくなった。優美が、トモ君も殺されると言いながら母親の元に帰ってきた。
 杉村が連絡を付けようとしていた奥さんが亡くなったホッケー仲間の田巻康司が事務所に来た。二人を殺したと言った。杉村はこちらの経緯を話した。彼は殺した理由を話した。二人は殺したが、佐々夫婦は殺すつもりはなかったと言う。生き証人が必要だ。二人には生き地獄を味わいながら長生きして欲しいと言う。
二人でホットサンドを食べコーヒーを飲んで、証拠品を乗せた車を置いてタクシーで目黒警察署に行った。
 田巻夫婦は、高根沢たちから距離を置こうとしていた。9月30日 優美が相談に乗って欲しいと田巻の家に来ることになった。高根沢たちを連れて来た。逃げようとした奥さんを優美が止めた。奥さんは強姦された。次の日、田巻の妻は飛び降りた。十日後、佐々は集団強姦容疑で手配された。佐々夫婦は被害者意識的な弁護発言をした。

 田巻から聞いたと警視庁刑事部捜査一課継続捜査班の立科警部補が事務所を訪れる。十三年前の暴行絞殺事件の犯人が高根沢だったようだ。高根沢を殺さないで欲しかったと言う。杉村は十三年前にあなたが捕まえていれば、田巻夫婦は今も幸せに暮らしていたはずだと言った。
 
 華燭 2012年 事務所のオーナー竹中さんと一緒に、駅前のバイクショップ小崎の奥さん・佐貴子の姪の結婚式に行く中二の加奈ちゃんの付添をすることになった。佐貴子は二十五年前、結婚式の日に、結婚相手と妹に駆け落ちされていた。妹のお腹は三ヶ月だった。妹の肩を持つ両親と妹と絶縁していた。結婚するのは妹の娘・その時お腹にいた子・静香だった。妹は二年後離婚し、再婚している。佐貴子は十年後結婚した。加奈が入った学校の事務職員に静香がいた。
 三人が会場に行くと、礼服の人が群れている。竹中さんはホテルの一室にチェックインする。
 同じフロアの結婚式は二組、一組目の花嫁がいなくなっていた。二組目の結婚式は静香。だが、二股だった彼の所に彼女がきてこそこそしているのが見付かってしまった。真相だ。
 杉村は逃げた花嫁を見付け部屋に伴った。花嫁は21才、相手は62才だ。親に借金があった。全部を粉々にぶっ壊すには大勢に知られるように隠したり出来ないタイミングでしようとした。竹中さんは関係者が引き挙げるまで時間を潰し、化粧も落とし服も替えて出て行きなさい。ウエディングドレスを残していかないでねと言って会場へ行く。
 一ヶ月後、一人で挨拶回りをしていると静香が竹中家にやってきた。杉村もおじゃまする。静香は破談になり仕事も辞めて神戸へ行く。
 杉村は竹中夫人と話す。静香と21才の花嫁・菅野は計画を立てた。花嫁の着替えを静香が用意し、静香の新郎側の控室でもめ事が起こって居る隙に菅野が逃げる予定だったのだろう。それが新郎は誰も寄らないよう静かに事をしていたものだから菅野が逃げられなくなってしまったのだろう。やっと荷物を受け取った時、杉村たちと会ってしまったと言うことだろう。二股の彼女に知られないようにしていた結婚式の詳しい内容を元かのに教えたのは、静香に頼まれた菅野だったのではないだろうか。当たっているか確かめられないけれど。

 昨日がなければ明日もない 2012年ゴールデンウィーク。竹中家長男夫婦の長女・有沙中一    の友達の母親が来る。次男・竜聖が殺されると言う。
 杉村は調べ始める。朽田美姫は16才で長女・漣を産んだ。美姫の両親が育児を引き受けた。A氏と東京に来た。一年で終わり、B氏と生活、鵜野一哉と交際、鵜野の両親に結婚を反対される。鵜野の子・竜聖を産む。結婚。美姫の借金が数百万になり、鵜野家が借金を払い離婚。竜聖は鵜野家が引き取った。漣が五年生の時、串本憲章と生活するためこの町に来た。竜聖は養子縁組みを考えている夫婦・浜本家で暮らしている。
 竜聖は交通事故だった。美姫は竜聖の養子を認めない。鵜野家の遺産相続の権利があると言う。鵜野一哉も再婚が決まる。美姫の妹・三恵と会う。
 報告書、動画は朽田家に送る。美姫は串田と別れ漣を連れて実家に帰っていた。
 
 竹中家の長男のお嫁さんの話を聞く。普通の格好の美姫と漣が連れ立っているところに行き合わせた。漣が「あんた私に逆らえると思ってんの」と言っていた。美姫さんも逆らわないで目をそらしているだけ。杉本は串田に会う。美姫は実家にもいない。
 朝食に侘助に行くと、立科吾郎警部補がいた。私と一緒に来ませんか。どんな探偵か判りますよ。と誘う。たぶん人が死んでいます。
 朽田家に着いた。三恵は自分が殺したことを自白した。遺体は父が運んだので何処にあるか判らない。杉本の報告書を見ている時、美姫が竜聖を引き取って鵜野と復縁しようかと言った。思わず鵜野の再婚を言ってしまい美姫がヒステリックになるのを止められなかった。思わず硝子のスノードームで殴ってしまった。
 


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