2022年4月24日日曜日

黒崎警視のMファイル②

黒崎警視のMファイル② ロゼッタ・ストーン 六道慧

 灰島は交番勤務をしている。谷戸研究所の駐車場で、共同開発をしている藤木自動者の専務・藤木裕太郎が銃殺された。

 灰島の相棒だった相沢詩織は、省エネ社会を標榜する谷戸研究所に潜入していた。

  藤木専務の愛人と言われる松浦杏奈が相沢と同じ寮の五階に住んでいるが行方不明になった。松浦杏奈は偽名だった。本当の松浦杏奈は三年前に亡くなっていた。偽松浦杏奈はヒットマン「Sのリン」と思われた。

 相沢の行方がわからなくなった。

 灰島は黒崎警視に渡されたMファイルを、神野に渡した。娘・麻梨絵と食事をする。もともと神野の命令でMファイルを探すために黒崎に近づいた灰島だった。麻梨絵に見初められ付き合うようになっていた。神野時男、内閣情報調査室元室長。

 相沢がウエディングドレスの格好で死体預かり所で見つかった。

  神野は谷戸研究所と藤木自動車工業の株主だった。

 麻梨絵は神野時男とヒットマン・楊鈴の娘だった。麻梨絵は灰島と相沢の仲をやっかんで相沢を殺していた。遺体隠しを助けたのは麻梨絵を好きになったリンと親子を演じた門馬和也。リンの恋人・渡部稔。警備員・坂本稔。ウエディングドレスは麻梨絵のために用意されていた。楊鈴はすい臓ガンで亡くなった。亡くなる前に娘といたくて日本に来ていた。白い棺桶も御遺体ホテルも楊鈴用に用意されていた。藤木は楊鈴が殺していた。

 十五年前、黒崎と白井は日常的に賄賂を受け取り政財界のパイプ役を務め反社会的勢力共深い付き合いがあった神野を逮捕するつもりで白井の息子・鷹彦を潜入させた。神野の愛人だった楊鈴に殺された。鷹彦は拷問死だった。神野は事件を握り潰した。神野の力は強く対抗できなかった。黒崎は「黒崎警視のMファイル」を記すようになった。警察、政財界の醜聞を克明に記した事件簿。「黒崎警視のMファイル」噂がひろがり立場が逆転し神野は追いつめられた。

 

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