脳科学捜査官真田夏希⑫ 鳴神響一
クリミナル・ブラウン
真田夏希の許に、送り主は刑事部捜査一課長・福島の名を騙り 人形が送られてくる。二日三日と送られ、衣装が替わりビキニになる。気味が悪く夏希は小早川や織田にも相談するが何も出来ない。
横須賀しないの海岸に遺体が漂着し夏希も本部に出動する。警備部管理官は小早川秀秋だったが、刑事部管理官は初めての芳賀管理官だった。被害者は元衆議院議員・宍戸景大だった。絞殺されていた。犯人は次の犯行を予告していた。
夏希は宍戸が、アイドルグループ、オレンジスカッシュの小野木ゆんに対して性的暴行を働き、事件のきっかけを作り、オレンジスカッシュを解散に追い込んだことを殺された原因の一つと考えた。芳賀管理官は、重要視しなかった。
宍戸がクレーマーになり廃業に追い込まれたレストランオーナー・長沼の行方がわからなくなっていた。芳賀は長沼の行方を追うことに全力をつぎ込む。
夏希は上杉に相談し、二人でオレンジスカッシュのファン関係を追う。
夏希は犯人と長沼では性格が違いすぎると芳賀に訴えるが、感想は不要だと言われる。
夜八時、駅で長沼が絞殺死体で見つかったと言う連絡が夏希に入った。自宅前で拉致される。拉致したのは、オレンジスカッシュのファン・オレンジモンキーズのメンバーたちだった。夏希に人形を送ってきたのもメンバーだった。
オレンジモンキーズのメンバーは宍戸を殺した。それを知ったアルバイト先の店長・酒井はみんなを脅し長沼を殺させた。
十年前、酒井は多賀という商社マンを殴った。多賀は病院に行く途中でくも膜下出血で亡くなった。多賀が殴られたことを知っているのは上司の長沼だけだった。長沼は何も言わなかった。今、店を潰され借金があった。酒井を強請った。酒井は長沼を殺させた。
メンバーは長沼が宍戸を殺したという筋書きにもっていこうとした。真田が自分たちのことを調べている。また、長沼の遺体が浮いてしまったために酒井を殺すことにした。
酒井は長沼を殺したことを真田に知られ真田を殺そうとし真田に殺され、真田も酒井に殺されるというシナリオを考えた。酒井にガソリンを掛けるマネをし、オイルライターで火をつけるマネをする。ナイフを渡し、真田を殺さなければ燃やすと脅す。
酒井がナイフを持って突進。アシリアが酒井に飛びかかる。上杉、加藤、石田、沙羅の四人の銃口がモンキーズの全員に向けられていた。小川が全員に手錠を掛ける。
上杉は、芳賀に、少年四人は真田に対する逮捕監禁容疑、酒井は真田に対する暴行容疑で現行犯逮捕を報告する。五人が二つの事件の犯人だ。二日で事件解決だ。真田の意見は素直に拝聴しないと出世の道が危うくなると言い放つ。
小堀沙羅は義理チョコを配っていた。夏希にもくれる。沙羅はお世話になった人にお礼です。と言う。
上杉、小早川、織田、小川、加藤、石田、佐竹、福島、黒田。誰もが自分にたくさんのものを与えてくれた。感謝でいっぱいだ。そんな感謝を一度として形で表現したことがなかった。
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