2022年9月2日金曜日

東京バンドワゴン ⑯ グッバイ・イエロー・ブリック・ロード

東京バンドワゴン ⑯ グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 小路幸也


 美術品輸送専門ドライバーをしているクレイグ・イーデンは、別の物を探している最中、「青の貴婦人」と呼ばれる絵を見付けた。十何年か前にスチュアート美術館で盗まれた物だった。最悪の保管場所で最悪の保存状態で置かれたようで修復が必要だった。優秀な修復士、交渉人を頼めば、保険で八十ポンドは貰えると考えた。兄のようなハリーは腕のいい修復士だったが、車椅子生活になり仕事が出来ない。そのためにもお金が欲しかった。

 イーデンは、ニュー・スコットヤードの〈美術骨董盗難特別班〉の警部補ロイド・フォスターに仕切りを頼んだ。ロイドの娘・モニカは病気で車椅子生活だった。交渉人をケネス弁護士に頼んだ。ハリーの代わりにケネスは友人のマードックに修復を任そうと思った。マードックを犯罪に巻き込まないために誘拐をする。

 そんな計画が持ち上がっているところに、東京から我南人と研人率いる東京バンドワゴンがオックスフォードのマードック宅にやってきた。キースが、研人たちの高校卒業祝いと結婚のお祝いにとキースのスタジオを貸してくれた。アルバム作りにやってきた。

 マードックが誘拐され、ケネスは親身に相談相手になり、マードックを帰す予定だったが、東京からきた客人が大騒ぎになった。
 一瞬でイギリスに行けるサチがいた。普通なら何も出来ないサチだが、盗難特別班の事務官・ジュン・ヤマノウエはサチが見えた。話しも出来た。サチから話を聞いたジュンは、監視カメラコールドセンターの映像から、マードックの監禁場所を見付ける。
 ジュンが倉庫に着いた時、捕まってしまう。前に着いていた研人たちも、藍子も捕まっていた。ケネスもロイドも捕まっている。筋書きが狂った。
 覆面の三人に、マードックとマードックを補佐しているハリーに強制されていた。

 ヘリの音が近づき、赤い線で三人が狙われる。我南人が現れる。マードックの友人・J・Bが現れる。三人の覆面男から銃を奪い、テロ対策部隊が三人を連れて行く。
 三人は、監視カメラコールドセンターのナイトA・D・Fの三人だった。今までも立場を利用して犯罪を犯していた。J・Bは内偵を進めていた。そこへキースから連絡入った。
 修復が終わり、ロイド警部補が預かり、クレイグが運んで美術館に返す。何もなかったことにする。
 研人はハリーとモニカのためにチャリティライブをやろうと提案する。藍子と三人が買い物に出た後、ビーンは提案する。
 ロイドに本来なら懲戒免職だ。未遂であり情状酌量する代わりに、不正警官、事務官に眼を光らせて欲しい。ジュンは元々ロイドは以前の上司の不正を見過ごせなかったためにこんな閑職にいるのだと言う。
 ビーンは、モニカの病気・難病の脊髄炎を国の治療研究対象とする。そうすれば暮らしに充分な費用が出る。

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