2023年4月14日金曜日

武士の流儀〈八〉

 武士の流儀〈八〉 稲葉稔

 男の矜持 桜木清兵衛は、夜頭を殴られ倒れているところを、与助に助けられる。少し離れたところで殺人があった。清兵衛は与助を疑うが、自分も同じ立場だった。殺された福地が行く飲み屋で、菊と仲良く話す福地に嫉妬した下っ匹の時助の犯行だと調べ上げた。時助を使っている孝造に連絡する。

 後ろ盾 柏屋の主・籐兵衛が妾・すみと手を切りたいが二百両要求された。女房に離縁を迫られお金を用意できない。すみの後ろに男がいた。困った籐兵衛は清兵衛に相談する。清兵衛は男のことを調べ、名前も昔の花村銀藏を使い、二人の仲を暴く。脅す男に、黒門一家の名を出す。五十両で話を付けた。籐兵衛は女房にも許して貰った。

 本屋の男 貸本屋の杉作は兄の仇を探していた。商売で知った定と深い関係になる。定が杉作と関係があると疑いそめを襲った。その場にいた清兵衛の妻・安江を通して清兵衛はそめと定を知る。定が杉作が誰かを殺すと清兵衛に止めて欲しいと訴える。杉作を見つけ止める。仇・石橋と一緒にいた武士に事を話し連れ帰って貰う。佐倉藩で調べ市橋は死罪になった。杉作は堀田家に再仕官する。定は杉作と佐倉に行った。

 小悪党 清兵衛はもぐさ屋の辰巳屋の親子が強請られていることを知った。息子が妻子がいるが女と付き合っている。女は酒問屋のもうすぐ嫁ぐ娘だった。清兵衛は調べ、二人が出入りする屋敷に行く。当主に仕えている者が人を強請っていると言いに行ったが、当主がさせていることが分った。勅使河原清秋、御数寄屋坊主を名乗っていた。襲ってきた一味を捕らえ清秋も捕まえ大杉勘之助に知らせる。
 清秋は何人もの女犯の僧を恐喝していた。辰巳屋の名を出すことなく裁かれた。



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