2023年4月22日土曜日

うぽっぽ同心 十手綴り③ 女殺し坂

うぽっぽ同心 十手綴り③ 女殺し坂 坂岡真

 女殺し坂 相良潤之介が殺された。長尾勘兵衛は調べる。相良は前に辻斬りにあった潮田源八郎の事件を調べていた。潮田の妻・みおが同じ坂で殺された。みおが巾着切りにあっていた。巾着切りが同じ坂で殺された。
 杏仁堂の与右衛門は冥加金逃れで貯めた金を使い、お墨付きを手に入れようとした。探った潮田と相良は殺された。手を出せないと言われる。勘兵衛が狙われ傷を負う。深編み笠の男は斬った。
 勘兵衛は、与右衛門、年番方与力・小此木監物、勘定組頭・戸澤主馬、鷲山法眼を斬った。
 みおを殺したのは相良の妻だった。相良はみおと情報交換しながら関係を持った。謝りの手紙を出していた。みおは巾着切りに手紙とお墨付きを盗まれていた。巾着切りは杏仁堂と相良の妻を強請った。関係を知った妻はみおを殺した。
 相良が利恵を菩薩と思っていたと告げた。詫び状を書き死のうとしたが思いとどまった。菩薩を抱いていたからだ。死ぬより生きる方がつらい。重い罪を背負って相良の菩提を弔って。

 濡れぼとけ 時蔵が殺された。美人局で同心を辞めさせられ家族と別れた神崎に会う。神崎を恨む男に仕組まれた。妻は商家の後妻になった。時蔵を殺した者の正体は分った。
 加賀藩の元氷奉行・穴水善左衛門は氷を溶かしたことで切腹になった。その娘・凛が美人局で時蔵を殺した。穴吹は現在氷奉行・和倉右近の謀りごとで陥れられた。
 能登屋の紹介で和倉に会った勘兵衛は、勾引かした凛を連れてくるように仕向けた。穴水の墓の前で和倉に縄を打った。
 凛の力を貸す、七助を探す。氷室の奥で氷の阿弥陀如来を彫っていた。神崎だった。勘兵衛は能登屋の妻と娘に合わせる。神崎の妻と娘だった。
 凛を養わなければならない。生き抜くのはしんどい、よく分っているはずだ。

 月のみさき 静は記憶がなく、盗賊の手先になっていた。
 二十年前、乱暴な振る舞いの惣五郎を捕まえた勘兵衛は、百敲きで放免した。惣五郎は甘い情を掛ける勘兵衛が許せない。
 惣五郎は勘兵衛の屋敷に行った。静に会った。
 五年後、記憶をなくした静と広島で出会った。
 静はさよと名乗って、佐伯屋に女中として入る。引き込み役と間取り図面と宝の在りかを探り、知らせる。さよはだんだん思い出していた。勘兵衛に知らせるか迷っていた。家まで行き、綾乃に会う。綾乃から二十六夜に高輪の「月のみさき」でと告げられる。
 佐伯屋からの密告で、佐伯屋が狙われていると、捕り方が用意された。勘兵衛は、佐伯屋を攻め、狙いを吐かせる。同じ広島藩ご用足しの、佐伯屋が抜け荷をしていると告発の用意をしている三倉屋の塩の船を盗もうとしていた。盗みは阻止されたが、惣五郎は捕まらなかった。
 佐伯屋の犬が殺された。佐伯屋も殺された。勘兵衛が助けた卯平親子が殺された。現れた惣五郎の首を晒した。
 綾乃はさよが母だと知った。月のみさきに行こうとしたさよは知らない白塗りの女に助けられ付いていった。
 月のみさきに来なかった。

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