2023年6月3日土曜日

宇ぽっぽ同心〈一〉 終活指南

 うぽっぽ同心〈一〉 終活指南 坂岡真

 長尾勘兵衛、臨時廻り同心。娘・綾乃は定町廻りの末吉鯉四郎に嫁ぎ娘が生まれている。仁徳の手伝いをしている。

 島帰り 勘兵衛は水戸藩作事方の和久井から、水戸藩御畳奉行・片瀬の不正を調べてくれと頼まれた。片瀬の不正の影響で、畳屋が殺される。勘兵衛が捕まえた左官の岩吉が島から帰ってくる。水戸藩の片瀬の言いなりの同心が岩吉の残した娘に絡んでくる。
 片瀬の不正の帳簿を勘兵衛に渡してくれた和久井の朋輩・村橋。勘兵衛は裏帳簿で片瀬を呼び出し捕まえる。片瀬は水戸家で切腹になる。片瀬の命で名主を殺した同心・高木は勘兵衛が斬った。
 村橋は水戸家を辞した。岩吉から鏝絵を習おうかと考えている。

 月見の味 勘兵衛は、黒鍬者のまとめ役・常八から、土手の一部が再三崩れるのはわざと崩れるように作っているとしか思えないと聞かされた。常吉が殺される。常吉殺しを勘兵衛に被せる小細工をしていた。七年前に勘兵衛のために江戸を追われた俵太が、江戸に戻り口入屋・三筋屋となっていた。
 三筋屋と手代元締・草間、材木石奉行・久米が不正を働いていた。久米は若年寄を使ってまで、勘兵衛を除こうとする。
 久米が視察に訪れた川淵で勘兵衛と黒鍬者は不正を暴く。そこに根岸肥前守が若年寄の許可をもらい現れ裁定する。

 埋み火 勘兵衛の元同僚・木元源之進は、半年前に隠居したが、捕まえ損なった大蛇の段五郎をまだ追いかけていた。十年ぶりに段五郎が押し込みをした。
 若い例繰り方同心・平賀又右衛門が、調べた結果一味と通じた者がいると断じた。吟味与力・松井田監物。
 先回りして証人が殺される。出役の命が出た日、本当に大蛇が狙っている商家はどこかを探る。勘兵衛と木元は駆けつける。段五郎を捕まえることが目的だったが、勘兵衛が来ないことで駆けつけた松井田の息の掛かった佐尻主水によって段五郎は殺された。
 佐尻の訴えで夜、内輪で勘兵衛の評定が行われる。根岸肥前守、松井田監物、佐尻主水、勘兵衛。肥前守は佐尻に殺された岡っ引き・与一が残した帳面があり松井田、佐尻の命で
押し込み先、が書かれていたとされ松井田は裁かれた。
 木元の娘と平賀は見合いをした。

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