町医・栗山庵の弟子日録(一) 仇持ち 知野みさき
仇持ち 藩の上役の奸計によって家族を亡くし、遊女に落とされた伊勢国津藩の武家娘・石川凛。
遊女から救い出し、武術、医術を教えてくれていた刀匠・望月要がいなくなった。要は元伊賀者だった。仇の一人は辻斬りに殺された。もう一人・山口を追って江戸へ行く。要の伝手を頼る。千歳の前で川に身投げするする。助けられ栗山庵で、千歳と佐助との三人暮らしが始まった。
千歳も元伊賀者だった。町医者千歳は津藩江戸屋敷に出入りしていた。
凛は、千歳と津藩江戸屋敷に行き、仇・山口成次は病気で寝ていた。薬を用意していくが、耳元で仇、お命頂戴と言った切りで殺さなかった。山口は生きる屍だった。その夜、山口は死んだ。
千歳と要は知り合いだった。要の死んだ妻に凛はにているらしい。千歳は要は不治のやまいだったのだろうと言う。
千歳を仇と狙う者がいた。清水柊太郎が用心棒をしていた。佐助は火事の時、千歳に助けられたが、片手を失っていた。彼は女だったが男として生活している。凛は千歳の元で医術を習うことにした。
夏の鎌鼬 凛は柊太郎が師範をする佐々木道場で剣道を習うことにした。
料理屋の息子・由太郎14才の病気相談される。由太郎は診察を拒む。気鬱を疑う。
凛は由太郎と文のやり取りで話をした。誰にも聞こえないように。紙はすぐ破棄するように。凛は兄の友人・仇の一人から手込めにされたことを書いた。由太郎は友人だと思っていた岳哉から男色を仕掛けられていた。病気と称して閉じこもった。脅迫されているようだ。
岳哉に天罰が下った。鎌鼬にあい、顔を怪我し、尾張に帰った。由太郎は元気になった。
凛は一月前の山口の死までの話を佐助と柊太郎にした。全てでは無いけれど。
千歳も話したいことがあると言う。
忘れぬもの 千歳と要の恩師・清衛。清衛の娘・蓮と菫。菫は要と十二年前に一緒になる。三年後難産で赤子は亡くなり、菫は臥せった。忍を抜けていた千歳は、医者として菫を診ていた。要も忍を抜けた。刀匠の要としての用で要が大阪に行き、千歳が町の薬屋に行っている間に菫は毒死した。要は自死と信じてくれたが、清衛は、千歳が殺したと思った。清衛は千歳の命を狙った。お頭が間に入り仇討ちは断念された。
先月、清衛の弟子・慶二に襲われた。
凛、千歳、佐助は、門人が帰った後で稽古した。佐助は手裏剣、凛は剣術、千歳と柊太郎が剣術を稽古する時、凛は佐助に手裏剣を教える。千歳が忍の武器の訓練をする時、凛と佐助は柊太郎の剣を除ける稽古をした。佐助は書き方や算術を習った。
清衛が健忘になり寝たきりになっていた。品川に行く。凛に来てほしいようだ。
佐助は留守番、凛は清衛に会う。清衛は八年前に戻っていた。死ぬ前に会いたかった。凛は千歳に振られ、要と一緒になったと思っている。千歳に話すと菫は要を好いていたが蓮が要を好いていたので私のところにきたのだと言う。慶二は清衛は、菫を振り一族を抜けた千歳を良く思っていなかったと言う。
清衛は亡くなった。
凛は佐助の腕に胴乱を付け籠を入れて財布にし、物入れにした。
柊太郎は佐助が女児であると分っていると思っていたが、気がついていないようだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿