連鎖 小杉健治
鶴見恭介は河合正人から、妻の弁護を頼まれる。河合しずかは、諸岡恭平宅で包丁で殺害した容疑で逮捕された。
警察は不倫の別れ話がこじれての犯行とした。しずかは不倫を否定した。諸岡が自分を殺そうとしたので包丁で刺したという。諸岡との関係を言おうとしない。しずかが買った枝川紀代彦の三枚の絵、諸岡がテレビで人気が出たきっかけになった枝川の絵。恭介は過去を探しに行く。
しずかは十五才ぐらいでマスコミの誘いを受けた。十八年前、しずかがカメラマンにいたずらされそうになった時、助けに入ったのは、中学生の枝川だった。突き飛ばしカメラマンは亡くなった。そこに来た考古学者・深田恭一郎は、二人を逃がす。しずかを現場から離れたところに送ってから現場に戻り通報する。深田は警察に捕まったが、証拠不十分で逮捕されなかった。が、高校教師の職を失い、離婚し、考古学の世界からも弾かれた。十年前、深田は車で事故死した。五年前、枝川は、自殺した。諸岡は深田の息子だった。
恭介が調べた三人の関係だった。
深田の死は自殺だった。諸岡は父親の書き残した物を見、枝川のことを知り、枝川に父親のが自殺したことを話す。青酸カリ入のペットボトルを渡して帰る。枝川は飲んだ。
しずかは枝川の自殺に衝撃を受けた。諸岡の枝川の闇を知っているような発言を聞いて、諸岡恭平のことを調べた。しずかは、諸岡に父親の恨みを晴らすために枝川を殺したのかと詰め寄った。諸岡は名が売れて飛躍するチャンスにしずかが障害に思え、襲いかかった。しずかは夢中で包丁を掴んだ。しずかの首には締められた後があった。
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