2024年1月21日日曜日

猫弁と狼少女⑨

 猫弁と狼少女⑨ 大山淳子

 百瀬の依頼人は夫を亡くしたばかりの左野麦子。迷い猫のヒマラヤンのせいで、脅迫状を貰う。百瀬は依頼人との話の後、左野の家に忘れ物を取りに行き、塀の上に座っている少女を見付ける。追いかけ助けてと言う少女を負ぶって左野の家に行く途中で、パトロール中の警官に出会う。少女が、助けてと言い逃げる。捕まった少女は警官に誘拐されたと言う。百瀬は逮捕された。 百瀬は逮捕した巡査に、あの子をよく見てあげてと言い残す。
 百瀬は黙秘した。事件に付いては何も言わない。拘置所で、みんなの相談に乗る。警察官は被疑者は、黙秘するようになったが、嘘をつかなくなったと感じている。被疑者が落ち着いていると感じている。拘置所の担当さんは、百瀬の相談を黙って聞いていることにした。自分の心持ちも変わってきたことを感じる。
 検事・明石は同期だった。同じく黙秘。個人的な話には応じる。亜子のことも聞かれるが、亜子はたぶん家に帰っただろうと思う。明石は個人的な質問をする。同性結婚は違法か?両性の同意が男女でないと違法なら、両性の説明に異性でなければならないとはいるだろう。と答えた。
 亜子が一人きりになった時、父母が来た。食事をして帰る時、父親は「あいつが大嫌いだが、あいつを選んだお前は天晴れだ感心する。がっかりさせるな。」母親は「実家に帰ってると思ってるよ。どーんと構えてここにいて、帰って来た時、何食わぬ顔でおかえりていうの。おいしいぬか漬けを食べさせてあげなさい」と言って帰った。
 百瀬は逮捕されすぐに当番弁護士を呼んだ。沢村だった。百瀬に紹介され正水直がいた。テレビで報道されていた。沢村は百瀬に会い、左野のことを頼んだ。依頼されたことは、沢村と直で調べる。百瀬は沢村にしか会わなかった。鈴木晴人のことは野呂に頼むと沢村に伝えてと頼む。
 鈴木晴人は保釈され事務所の二階に住んでいる。
 百瀬は、少女も少女の親も警察と話をしない。証言も告訴もしないため、百瀬は二十三日で釈放された。左野家にいき、警官から聞いた少女の家に行く。双子の妹・あかねにも会う。少女・冬月るいにも会い、話す。母親の会社の人事と話し合い母親の特別休暇を願う。復帰した時のことも不利益が無いよう書面に書き入れた。
 母親は、子どもと向き合うことにした。ヒマラヤンは、左野家に預け冬月家は左野家にチョクチョク行くことになった。
 鈴木晴人は、懲役二年、執行猶予三年になった。
 千住澄世と天川が結婚式を挙げることになった。出席は、天川の姉と晴人だけだそうだ。まだ一緒に住むのは無理なようだ。
 百瀬は、保釈され一週間して家に帰った。亜子は普通に迎えた。百瀬はいないものと思っていたので驚いた。無断外泊の罰金を払った。亜子は百瀬に何かあった時に、一番に教えて貰う権利の取得に必要な手続きと言って婚姻届けを出してきた。百瀬はサインした。
 直は、沢村のところでバイトをすることになった。

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