恋道行〈二〉 完 岡本さとる
寛政五年 1793年
千七とゆきは幽鬼の政五郎の手の者から逃げている。森岡久蔵からむささびの万蔵の隠し金の場所を聞いていると思っている政五郎はゆきをさがしていた。千七の知り合い米蔵のところでも、ゆきの生まれ故郷・足柄でも政五郎の手下はやられていた。
足柄で千七とゆきは、千七に小太刀を教えてくれた山下官兵衛と兄貴分・金次と合流した。良いことがあると教えられた瀬戸明神社の琵琶島へ行くつもりだ。
政五郎も別口から仕入れた情報で隠し金が瀬戸明神の琵琶島の瀬戸弁財天にあると分かった。政五郎を出し抜こうと思っている、同心・桑野伝八は、利用しようとおもっている与力・松村十蔵に伝える。松村十蔵は、隠密裏に盗賊一味の行方をさぐるために領内での探索、見廻り御免の書状を手に入れ現地に赴く。
むささび万蔵も自分たちの隠し金が狙われていることを察知し瀬戸明神へ行く。万蔵と政五郎が戦っている間に千七たちは盗まれたと申告されている三千両を残し舟に積み込む。十蔵たちは盗人たちが共倒れするのを待っていた。
官兵衛は十蔵が、旧主・小堀和泉守に罠を仕掛けた望月磯之助と分かり、殺した。政五郎も毒婦・辰も死んだ。勘兵衛は三艘が浦で会う約束をして千七とゆきを逃がす。
勘兵衛と金次はどうなったのか?
2018年9月26日水曜日
九頭竜覚山 浮世綴〈二〉
九頭竜覚山 浮世綴〈二〉 蓬莱橋雨景 荒崎一海
三月末、覚山は松江城主・松平出羽守治郷47才に呼ばれた。山形屋の事件に付いて話す。羽州屋儀兵衛と長谷堂元右衛門は死罪、家財は闕所、山形屋の地所、店はそのまま、百五十坪は殺された五郎兵衛の姉に、冬木町の二百坪は残された羽州屋と長谷堂の者に渡された。
四月、治郷は国許に帰るが覚山は江戸にとどまる許可を貰う。
祝言を控えた両替屋達磨屋の娘・ふじが蓬莱橋から身投げした。同じ日に、ひでという女が妾宅で殺された。同じ日、質屋が襲われ奉公人含めて七人が皆殺しにされた。
覚山はふじの身投げの理由にこだわり同心・柴田喜平次に頼みご用聞き・弥助と手先の三吉に調べてもらう。船頭の松吉が二日前に寺の賽銭泥棒の汚名を着せられ切腹した浪人親子の話を持ってくる。切腹の理由を作った金次を調べてる。金次が殺された。金次はひでのところに行っていたことが分かった。覚山はひで殺しを調べられないために惨い質屋の殺戮があったと考えた。
達磨屋が盗賊に襲われ逃げるために付け火した。裏長屋んも共に燃え、長屋の住人と店の者五十三名が亡くなった。盗賊は達磨屋の法被を着て大八車に金を積んで逃げた。船頭を探し盗賊の隠れ家を見付けて捕まえた。熊三郎は畿内と東海道、中山道を荒らし回った盗賊だった。妾のひでと間男・金次を殺し、質屋に押し入り、両替商に押し入った。
覚山が拘ったふじの身投げの原因は、人目ぼれした片思いの浪人の息子の切腹だった。覚山の拘りから盗賊の捕獲に繋がった。
三月末、覚山は松江城主・松平出羽守治郷47才に呼ばれた。山形屋の事件に付いて話す。羽州屋儀兵衛と長谷堂元右衛門は死罪、家財は闕所、山形屋の地所、店はそのまま、百五十坪は殺された五郎兵衛の姉に、冬木町の二百坪は残された羽州屋と長谷堂の者に渡された。
四月、治郷は国許に帰るが覚山は江戸にとどまる許可を貰う。
祝言を控えた両替屋達磨屋の娘・ふじが蓬莱橋から身投げした。同じ日に、ひでという女が妾宅で殺された。同じ日、質屋が襲われ奉公人含めて七人が皆殺しにされた。
覚山はふじの身投げの理由にこだわり同心・柴田喜平次に頼みご用聞き・弥助と手先の三吉に調べてもらう。船頭の松吉が二日前に寺の賽銭泥棒の汚名を着せられ切腹した浪人親子の話を持ってくる。切腹の理由を作った金次を調べてる。金次が殺された。金次はひでのところに行っていたことが分かった。覚山はひで殺しを調べられないために惨い質屋の殺戮があったと考えた。
達磨屋が盗賊に襲われ逃げるために付け火した。裏長屋んも共に燃え、長屋の住人と店の者五十三名が亡くなった。盗賊は達磨屋の法被を着て大八車に金を積んで逃げた。船頭を探し盗賊の隠れ家を見付けて捕まえた。熊三郎は畿内と東海道、中山道を荒らし回った盗賊だった。妾のひでと間男・金次を殺し、質屋に押し入り、両替商に押し入った。
覚山が拘ったふじの身投げの原因は、人目ぼれした片思いの浪人の息子の切腹だった。覚山の拘りから盗賊の捕獲に繋がった。
2018年9月25日火曜日
帳尻屋仕置【七】 激突
帳尻屋仕置【七】 激突 坂岡真
天明七年 1787年
口入れ屋の忠兵衛は北町奉行の内与力・長岡玄蕃に頼まれ、行方不明になっている妻の弟で闕所物奉行の綾部紀一郎を探す。紀一郎は、闕所になった札差大黒屋の店を淀屋が買い取ったことで、不正が行われたことを突き止めた。上役に知らせ殺された。
淀屋は幕閣に金をばらまき力を付ける。勘定奉行・小田切備前守高利も一派になる。曲淵甲斐守は町奉行の座から追い落とされた。
江戸の裏を牛耳っていた八品商の元締めの所から裏切り者が出、淀屋に付く者が現れる。忠兵衛は元締めと手を組み淀屋の土台の十万両を盗もうとする。火盗改めも味方につけていた。一度は失敗するが、昔の仲間を集めて十万両を盗む。
正体の分からなかった淀屋だったが、忠兵衛の昔の弟分・忠兵衛が捕まる元を作った仙次だった。自分のために死んだと思っていた忠兵衛が命大事で奉行所の手先になっているのを許せなかったため、憎し忠兵衛になっていた。
長岡玄蕃に忠兵衛の父親が小田切だということを教えられる。
忠兵衛は仙次と小田切を殺す。元締めが死ぬ。十万両を預かる。曲淵に届ける。
天明七年 1787年
口入れ屋の忠兵衛は北町奉行の内与力・長岡玄蕃に頼まれ、行方不明になっている妻の弟で闕所物奉行の綾部紀一郎を探す。紀一郎は、闕所になった札差大黒屋の店を淀屋が買い取ったことで、不正が行われたことを突き止めた。上役に知らせ殺された。
淀屋は幕閣に金をばらまき力を付ける。勘定奉行・小田切備前守高利も一派になる。曲淵甲斐守は町奉行の座から追い落とされた。
江戸の裏を牛耳っていた八品商の元締めの所から裏切り者が出、淀屋に付く者が現れる。忠兵衛は元締めと手を組み淀屋の土台の十万両を盗もうとする。火盗改めも味方につけていた。一度は失敗するが、昔の仲間を集めて十万両を盗む。
正体の分からなかった淀屋だったが、忠兵衛の昔の弟分・忠兵衛が捕まる元を作った仙次だった。自分のために死んだと思っていた忠兵衛が命大事で奉行所の手先になっているのを許せなかったため、憎し忠兵衛になっていた。
長岡玄蕃に忠兵衛の父親が小田切だということを教えられる。
忠兵衛は仙次と小田切を殺す。元締めが死ぬ。十万両を預かる。曲淵に届ける。
2018年9月24日月曜日
拵屋銀次郎半畳記 俠客〈四〉
拵屋銀次郎半畳記 俠客〈四〉 門田泰明
黒猫の道案内で、和泉長門守は血みどろの現場に行き、銀次郎を助け出す。銀次郎が戦い、倒した相手は滑川七四郎と思われたが、死んだのは影武者だったようだ。
稲妻の異名で恐れられ、幕府中枢を牛耳る元老中首座・東近江国湖東藩十二万石藩主・大津河安芸守忠助55才は、五才と幼いためお側用人間部越前守詮房がべったり控えている家継を将軍と認められない。大阪に大阪幕府を作る計画だ。資金も着実に溜まり大阪に送っていた。
旗本・御家人、全国の松平報徳会の面々が大阪に集結していた。
傷の癒えた銀次郎・永久不滅感状を戴いている桜伊銀次郎も大阪へ行く。途中、短筒で松平報徳会の要人暗殺を企てる七人に出会い、箱根関所手前でぶつかる。短筒を持った者を含め六人を倒し間道をすすむ。目付手形を持っているが三度笠を被り間道へ行く。旅の女一座・幡随院一座と共に舟で湖を渡り、三島に行く。
黒猫の道案内で、和泉長門守は血みどろの現場に行き、銀次郎を助け出す。銀次郎が戦い、倒した相手は滑川七四郎と思われたが、死んだのは影武者だったようだ。
稲妻の異名で恐れられ、幕府中枢を牛耳る元老中首座・東近江国湖東藩十二万石藩主・大津河安芸守忠助55才は、五才と幼いためお側用人間部越前守詮房がべったり控えている家継を将軍と認められない。大阪に大阪幕府を作る計画だ。資金も着実に溜まり大阪に送っていた。
旗本・御家人、全国の松平報徳会の面々が大阪に集結していた。
傷の癒えた銀次郎・永久不滅感状を戴いている桜伊銀次郎も大阪へ行く。途中、短筒で松平報徳会の要人暗殺を企てる七人に出会い、箱根関所手前でぶつかる。短筒を持った者を含め六人を倒し間道をすすむ。目付手形を持っているが三度笠を被り間道へ行く。旅の女一座・幡随院一座と共に舟で湖を渡り、三島に行く。
2018年9月23日日曜日
京都寺町三条のホームズ・5
京都寺町三条のホームズ・5 望月麻衣
〜シャーロキアンの宴と春の嵐〜
桜色の恋文 柳原の八十才の誕生日パーティの真贋判定ゲームで優勝し葵が貰った「月見屋」の宿泊券を使って宮下香織と城崎に行くことになった。清貴と秋人と清貴の父・武史と五人で行く。月見屋で行儀見習いと社会見学を兼ねたアルバイトをしている香織の姉・佐織と会う。佐織には画家を目指す想い人がいることを知る。彼が送ってきた掛け軸に込められたメッセージを読み解く。国を離れ愛しい人を想う。会いたい。
葵は春休みに思い出をいっぱい作って、三年になったら清貴に告白しようと思っている。振られればバイトを辞め、受験勉強に専念すると決心している。
清貴は十八才未満と付き合ってはいけないと思っている。
シャーロキアンの宴 間宮邸・ビクトリア朝英国様式の御屋敷で、三十人位ホームズ会の221会記念会が行われた。指原教授がアメリカで落札した茶封筒が無くなった。ホームズ・清貴は間宮邸の執事・西澤が持っていることを指摘する。幹事の間宮・マダムが西澤に願ったことだと告白した。そしてホームズは寸劇だったと言った。茶封筒の中はドイルの原稿だった。清貴はホームズを愛する者が作った、二次創作原稿だと言った。
紫の雲路 葵の学校の先輩が出場する京都サンガF.Cの試合観戦に行く。葵が学校からの応援で新三年生女子がサンガチアガールになることを聞いた清貴も行く。先輩・一条選手の調子が悪く心配していた。清貴は、一条選手が年上の早川先生に告白していることを暴き、早川先生に答えることを強いる。早川先生は一条との付き合いにOKを出す。一条選手は調子良くなる。試合後、キャプテンに大事な人のためにもプライベートを試合にもち込むな。試合に尊さを感じろと言われた。
茜色の空に 清貴の父・伊集院武史は編集者と名乗る女性に騙され、家頭家のお宝・青磁を狙われた。清貴は気がつき、ナンバー式デジタルロックと監視カメラ付きの鉄壁で護られた部屋の中で待つ。入ってきたのは円生だった。青磁を盗まれることは阻止したが、店にあった二番目のお宝・志野の茶碗を持っていかれる。円生の誘いに乗り紫野の茶碗を追いかける。爆弾を仕掛けられた箱を開ける十六文字を考える。茶碗をとり出せた。
あまりに心配した葵と、死ぬかもしれないと思った清貴はお互いに告白する。
〜シャーロキアンの宴と春の嵐〜
桜色の恋文 柳原の八十才の誕生日パーティの真贋判定ゲームで優勝し葵が貰った「月見屋」の宿泊券を使って宮下香織と城崎に行くことになった。清貴と秋人と清貴の父・武史と五人で行く。月見屋で行儀見習いと社会見学を兼ねたアルバイトをしている香織の姉・佐織と会う。佐織には画家を目指す想い人がいることを知る。彼が送ってきた掛け軸に込められたメッセージを読み解く。国を離れ愛しい人を想う。会いたい。
葵は春休みに思い出をいっぱい作って、三年になったら清貴に告白しようと思っている。振られればバイトを辞め、受験勉強に専念すると決心している。
清貴は十八才未満と付き合ってはいけないと思っている。
シャーロキアンの宴 間宮邸・ビクトリア朝英国様式の御屋敷で、三十人位ホームズ会の221会記念会が行われた。指原教授がアメリカで落札した茶封筒が無くなった。ホームズ・清貴は間宮邸の執事・西澤が持っていることを指摘する。幹事の間宮・マダムが西澤に願ったことだと告白した。そしてホームズは寸劇だったと言った。茶封筒の中はドイルの原稿だった。清貴はホームズを愛する者が作った、二次創作原稿だと言った。
紫の雲路 葵の学校の先輩が出場する京都サンガF.Cの試合観戦に行く。葵が学校からの応援で新三年生女子がサンガチアガールになることを聞いた清貴も行く。先輩・一条選手の調子が悪く心配していた。清貴は、一条選手が年上の早川先生に告白していることを暴き、早川先生に答えることを強いる。早川先生は一条との付き合いにOKを出す。一条選手は調子良くなる。試合後、キャプテンに大事な人のためにもプライベートを試合にもち込むな。試合に尊さを感じろと言われた。
茜色の空に 清貴の父・伊集院武史は編集者と名乗る女性に騙され、家頭家のお宝・青磁を狙われた。清貴は気がつき、ナンバー式デジタルロックと監視カメラ付きの鉄壁で護られた部屋の中で待つ。入ってきたのは円生だった。青磁を盗まれることは阻止したが、店にあった二番目のお宝・志野の茶碗を持っていかれる。円生の誘いに乗り紫野の茶碗を追いかける。爆弾を仕掛けられた箱を開ける十六文字を考える。茶碗をとり出せた。
あまりに心配した葵と、死ぬかもしれないと思った清貴はお互いに告白する。
2018年9月22日土曜日
空也十番勝負 青春篇⑤
空也十番勝負 青春篇⑤ 異郷のぞみし 佐伯泰英
坂崎空也は対馬の北端に立ち、眉月の先祖がやってきたという高麗を見ていた。
対馬藩与頭・唐舟志十右衛門と知り合う。佐須奈関所道場で世話になるが、朝鮮からの使いに会いに行く唐船志からの誘いを断り、唐船志が留守の間に関所を出た。途中で公儀隠密と思える、鵜飼寅吉と会う。対馬藩の追ってから逃れ、トラ吉の対馬藩の阿片密売の証拠を手に入れる助けをする。朝鮮の李老師の弟子・林大圭を破り、朝鮮の剣術家にも追われる。長崎に行く寅吉の同道し、舟で壱岐島に送って貰った。
壱岐の猿岩で高麗人・季遜督から高麗剣法を習う。修行の後、平戸に行く。
九代藩主松浦清に目通りし、平戸藩講武演技場で練習し、夜は南蛮平戸流の無言の練習をする。南蛮平戸流の練習場に、季智幹老師が現れ、空也が倒す。
坂崎空也は対馬の北端に立ち、眉月の先祖がやってきたという高麗を見ていた。
対馬藩与頭・唐舟志十右衛門と知り合う。佐須奈関所道場で世話になるが、朝鮮からの使いに会いに行く唐船志からの誘いを断り、唐船志が留守の間に関所を出た。途中で公儀隠密と思える、鵜飼寅吉と会う。対馬藩の追ってから逃れ、トラ吉の対馬藩の阿片密売の証拠を手に入れる助けをする。朝鮮の李老師の弟子・林大圭を破り、朝鮮の剣術家にも追われる。長崎に行く寅吉の同道し、舟で壱岐島に送って貰った。
壱岐の猿岩で高麗人・季遜督から高麗剣法を習う。修行の後、平戸に行く。
九代藩主松浦清に目通りし、平戸藩講武演技場で練習し、夜は南蛮平戸流の無言の練習をする。南蛮平戸流の練習場に、季智幹老師が現れ、空也が倒す。
2018年9月21日金曜日
風烈廻り与力・青柳剣一郎㊷
風烈廻り与力・青柳剣一郎㊷ 夢の浮橋 小杉健治
鋳掛け屋の初藏は掏摸が商人から財布を擦るのを見た。掏摸が捨てた財布の中の富くじを拾った。初藏が胸苦しく困っている時に背中を擦っていた野菜の棒手振り長吉は、鋳掛け屋が落とした富くじを拾った。
商人の財布を擦った掏摸が殺された。初藏は脅され抽選会場の前で棒手振り探しをやらされた。長吉に渡され当選番号を見に行った六郎が殺された。当たったのは掏摸に財布を擦られた商人だった。初藏は当たりくじ番号が決まっていたことを知った。友達を殺された長吉は初藏を探し出す。二人で関係者を探り出し当選金の半金を強請る。
青柳剣一郎は奉行から陰富を調べるように言われる。陰富は好きな番号札を買える。あたり番号を十枚分買った者が三人いた。三人は富くじで不正をしている者の関係者だった。剣一郎は陰富を調べる前に富くじの不正を知った。
剣一郎の娘・るりの嫁ぎ先の御徒目付・高岡弥之助はある旗本を調べるよう言われた。弥之助が調べると陰富と関係していた。弥之助は確かな証拠が見付からなかったことにした。旗本は体調不良で家督を18才の息子に譲り隠居した。16才の娘は嫁ぎ先が決まっており、潰すことは忍びなかった。
陰富をしていた修験者は真面目に修行に出発した。
富くじの不正を知られた仲間は脅した金を受け取りに来た初藏と長吉を殺そうとする。剣一郎が現れ、寺社奉行の物頭・檜山哲三郎に不正が露見していることを伝える。檜山は捕まり自分の独断で有力檀家と示し合わせたことを自白し、奉行を護った。
剣一郎は、初藏と長吉が調べていることは知っていたが、強請は知らなかったということにした。
鋳掛け屋の初藏は掏摸が商人から財布を擦るのを見た。掏摸が捨てた財布の中の富くじを拾った。初藏が胸苦しく困っている時に背中を擦っていた野菜の棒手振り長吉は、鋳掛け屋が落とした富くじを拾った。
商人の財布を擦った掏摸が殺された。初藏は脅され抽選会場の前で棒手振り探しをやらされた。長吉に渡され当選番号を見に行った六郎が殺された。当たったのは掏摸に財布を擦られた商人だった。初藏は当たりくじ番号が決まっていたことを知った。友達を殺された長吉は初藏を探し出す。二人で関係者を探り出し当選金の半金を強請る。
青柳剣一郎は奉行から陰富を調べるように言われる。陰富は好きな番号札を買える。あたり番号を十枚分買った者が三人いた。三人は富くじで不正をしている者の関係者だった。剣一郎は陰富を調べる前に富くじの不正を知った。
剣一郎の娘・るりの嫁ぎ先の御徒目付・高岡弥之助はある旗本を調べるよう言われた。弥之助が調べると陰富と関係していた。弥之助は確かな証拠が見付からなかったことにした。旗本は体調不良で家督を18才の息子に譲り隠居した。16才の娘は嫁ぎ先が決まっており、潰すことは忍びなかった。
陰富をしていた修験者は真面目に修行に出発した。
富くじの不正を知られた仲間は脅した金を受け取りに来た初藏と長吉を殺そうとする。剣一郎が現れ、寺社奉行の物頭・檜山哲三郎に不正が露見していることを伝える。檜山は捕まり自分の独断で有力檀家と示し合わせたことを自白し、奉行を護った。
剣一郎は、初藏と長吉が調べていることは知っていたが、強請は知らなかったということにした。
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