京都西陣なごみ植物園〈2〉 安倍晴明が愛した桔梗の謎 仲町六絵
街角の草迷宮 京都市の住宅街の一角に、異様なほど草の生い茂ったマンション建設予定地の空き地がある。生えている密度も草丈も尋常ではない。神苗健はなごみ植物店の実菜に見てもらう。向いの小学生・みのると出会う。実菜は、神苗にこんなに草が生えていることの害を話すように言う。夜、みのるが飛行リングを使い、葉を傷つけられると他の植物の根を著しく成長させる化合物を出す・シロイヌナズナの種を沢山蒔き、オミナエシやヨメナの種も蒔いたと話していると、みのるが父親とやってきた。マンションが建つと祖母が楽しみにしている大文字が見えなくなるので建てさせまいと噂を広めていた。実菜は出会った時にわかったようだ。
華道家・鈴池雪伸が現れる。昔からの知りあいのようで、神苗は恋のライバルの予感
晴明の愛でた桔梗 「御利益カフェ」で阿部の晴明が愛でた桔梗と名打って十八万円で桔梗を売っていると言う情報を、福井からやってきた緑川真奈美が持ってきた。実菜に連絡する。江戸時代の品種改良で生まれたウズキキョウだという。実菜は店に行って百万出すのでこういう商売を止めてほしいと言う。実菜たちは「作戦名・怒りの桔梗」と題してウズキキョウ 西陣・なごみ植物店と書いたタグを付けセロファン紙で包装されたウズキキョウを配った。カフェの人はいなくなった。やってきた真奈美は晴明さんの子孫だった。実菜は福井の名田庄の自制種の桔梗の写真を見せてもらい、必要な時は連絡して下さいと言われる。
どんぐりころころ 実菜と神苗は植物園でどんぐり拾いをしている高校生と出会う。虫がいるからどんぐりを家に入れるなと言う母親、弟のために、高校生はどんぐりで布染をしようと考えた。植物園から持ち出しは禁止だった。実菜は吉田山に行くことを勧め、実菜も手伝うい、どんぐりを使って帽子を染めた。
神苗の誕生日、実菜から黒橡・クヌギで染めたコースターを貰った。花弥からのプレゼントはイチゴの金平糖と巨砲の皮の金平糖に、「紅は移ろうものぞつるばみの 馴れにし衣になお及かめやも」の歌が付いたものを貰った。うちの妹をほんの一時の遊び相手にしたらゆるさへんえ・・・と牽制されていると思った。花弥に黒橡を選びます。移ろう紅ではなくと返す。
禁じられた花 鈴池雪伸に江戸時代の初め、京都の豪商・角倉了以の茶会で用いられた花が何だったか調べてほしいと言われた。「すみのくら茶会再現プロジェクト」の茶花担当らしい。茶会記には禁花となっている。神苗は茶会は秀次と妻妾子等の供養だったことが判った。茶花はコウホネだったと判った。
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