江戸城 御掃除之者③ 玉を磨く 平谷美樹
小野中兵衛様御屋敷御掃除の事 掃除之者の山野組は主が亡くなり跡継ぎがいないため断絶になった旗本の空き屋敷の掃除に行くことになった。気鬱の病で芥をため込んでいた。心を病んで芥をため込んだにしては秩序があった。小野中兵衛の上役の不正の証拠品が見付かる。山野小左衛門は、「掃除之者に責任を丸投げされても困る。掃除のついでに見付かったものを届けるべき所に届けるだけ。」と大岡越前に届ける。
戸山御屋敷御掃除の事 尾張藩戸山屋敷留守居役・杉浦伊織じゃらの申し入れで山野組は戸山屋敷で掃除の仕方を教えることになった。杉浦は元、御土居下同心山野組の者が御庭番であることを見極めるための掃除講習だった。夜中、厠へ起きたものが三十人の黒装束を見る、小左衛門は窓際に人形を立て、蘆の池に隠れた。杉浦は御庭番と同様の技を持つ将軍直属の密偵集団と判断した。
寛永寺双子堂御掃除合戦の事 寛永寺の双子堂で民間の〈御掃除屋 武蔵〉と掃除対決をすることになった。武蔵が勝てば江戸城の掃除を武蔵がすることになる。尾張の杉浦は掃除之者の邪魔をする。左馬之祐は丸棒を踏み転んで襖を破った。木嶋師匠と新之介が跡形もなく直し、本坊に誤る。左馬之祐は心が乱れては掃除は出来ないと家に帰る。左馬之祐の仇討と弟・吉之助が行く。新人を狙うなら囮になるつもりだ。武蔵の女将・清に掃除の者が尾張に邪魔されていることを伝える。夜中、墨汁をぶちまける仕掛けを作る途中の御土居下同心三人を捕まえる。加納久道を呼び、話し合い、武蔵を勝たせるため御土居下同心が動いた。清が負けを認め、三人の命乞いをしたことにして納まった。武蔵は尾張の全ての屋敷の掃除をすることになる。
山野小左衛門の息子二人は、掃除之者が嫌で後を継ぐことをしなかった。左馬之祐は今回から掃除之者の新人として参加している。家の中で吉之助だけが話しをしなかった。寛永寺の時、今回だけと参加した。
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