2018年5月2日水曜日

近松よろず始末処

近松よろず始末処 築山桂
 近松門左衛門に命を助けられ、竹本座の前で花売りの仕事を用意してもらった虎彦は、近松がやっている人助け万始末処を手伝っている。近松が飼っていた犬・鬼王丸と住んでいる。 近松を爺やと呼ぶ少将と呼ばれる侍と組んでいる。
 お犬さま 手代と丁稚を斬り百両を取る事件が起こった。犯人探しを打ち切った。手代の姉の夫が近松に頼んだ。事件を探索していた同心が犬を斬り打ち首になりそうだから助けてほしいと。虎彦が調べると同心が辻斬りをしていた。丁稚が逃げ、その丁稚をさがしていたのだった。同心・与力も打ち首になった。表向きは犬を殺したこと。本当の噂は広まった。
 仇討 祖父を殺し仇討に出た父を殺された医者の卵が仇討の浪人を探しに大坂にきた。仇討相手と思って探していた浪人は別人だった。医者が探していた仇討の相手は商家で真面目に働く手代の父親だった。一度目の仇討で同時に亡くなっていた。追っ手と間違い浪人を刺した。浪人は助けられ、医者は江戸に帰った。浪人は仇討を嫌がる赤穂の浪人だった。
 西鶴の幽霊 近松の元気のなさを憂いた商人が、西鶴の幽霊騒ぎを起こした。近松との脚本戦いに負け、商売も上手くいかなくなった嫉妬から。竹本座のからくり師の見習い・あさひは師匠が勝つと江戸に行ってしまうと聞き、師匠の江戸行きを阻止するために西行の幽霊で近松を誘い出し矢を射かけるからくり人形を作る人形師の手助けをする。虎彦と少将が暴く。
 曽根崎異聞 少将の身分が判る。近松が働いていた高貴な公家の嫡男だったが、父の後妻に生まれた弟に家督を譲り家を出ているが、義母は息子に取って変わられると思い、少将の命を狙っていた。少将が家から持ち出していたのは刀だけだったが、その刀をも変えし、家との関わりを断つ意思をはっきりさせる。

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