みとや・お瑛仕入帖 はしからはしまで 梶よう子
水晶のひかり 菅谷道之進と花の祝言が近付いたある日、瑛の兄・みとやの主・長太郎が、ふぐの毒で死んだ。長太郎の友達・呉服屋の寛平が買い、花川戸の料理屋で調理したものだったが摘み食いして毒にあたった。長太郎は自分で釣ってきて調理して食べたことにして死んで行った。
長太郎が亡くなってから瑛は、長太郎が自分のために特別誂えした黒漆の桜の花に水晶をあしらった板紅を見付けた。瑛は紅を付けて祝言に出た。
引き出しの中身 長太郎が亡くなってふた月。道之進は花と二階屋に住み手習い塾をしている。直之は元の長屋で一人暮らしをしている。
直之は長太郎が頼んでいた森山孝盛に烏帽子親で元服の儀を行った。直孝となった。
瑛は長太郎の仕入れ帖を見ながら仕入れ先を回る。指物師の親方・徳右衛門のところに行く。目が悪くなり仕事を辞め、弟子もいなくなっていた。徳右衛門を父のように思っている弟子・六助が徳右衛門の所に帰れるように道を付けた。
茄子の木 船頭・辰吉の幼馴染みが喧嘩で腕と胸の骨を折られた。鳶頭の才蔵のところの鳶だった。家族のために医者の費用だけでも出してもらいたいと考えていたが上手くいかなかった。才蔵の母親・とみは他所の家を俳諧していた。泥棒として人相書きがでていた。瑛がとみに懐炉を渡す。とみは才蔵にお腹を冷やさないようにと笑顔で渡す。とみは息子のために懐炉を探していたのだった。才蔵はとみをしっかり見張ることを約束し、怪我人の医者と薬代を出すことを約束した。
木馬と牡丹 花の店・お菜の「はなまき」が再開した。道之進が店番をすることもある。花は自分の兄さんを探していた。名前が久作としか分からない。
寛平が櫛を四十九枚仕入れてきた。久作から仕入れたという話から会いに行く。久作はなくなっていた。櫛を作ったのが久作だった。花の兄かどうかわからなかった。
高崎で小間物屋を営む益次叔父と駒が訪れた。みとやにある「濱野屋」の看板を高崎で上げてくれと頼んだ。瑛はみとやを大きくしようと思う。益次は看板が似会う店になったら取りに来ると言った。
三すくみ 金具の蒐集家の隠居・五郎兵衛を知った。船宿の主人、女中と思ったのは妾だった。五郎兵衛がみとやに妾を探しに来た。倒れた。梅若に知らせに行くが、内儀は冷たい。みとやから梅若に戻り、十日後に亡くなった。
瑛の船に鮒だとかナメクジとか蝦蟇と蛇が入っていた。辰吉に問い質す。庄次という子供がやっていた。庄次の従兄との船勝負で辰吉が勝った。辰吉が使ったのが瑛の船で瑛が辰吉のいい人だと思い仇と思い悪さをしていた。
百夜通い 長屋に住むちよと亀蔵の娘が、ちよが仕事に行っている間に死んだ。ちよは亀蔵を追い出した。ちよは駆け落ちものだったが娘が出来て親がお手玉を送ってくれた。そのお手玉をみとやに持ってきた。実家に帰るつもりらしい。亀蔵にちよの家に通えと言った占師・きくを刺し、捕まった。お手玉の中から一両が出てきた。
辰吉に縁談がある。どうしても告げたいことがあると、瑛に長太郎が好きだったと告白した。
直孝が弟が出来ると伝えた。
0 件のコメント:
コメントを投稿