2019年12月5日木曜日

京都寺町三条のホームズ・12

京都寺町三条のホームズ・12 望月麻衣
 〜祇園探偵の事件帖〜
 ホームズ・家頭清貴は九月から小松探偵事務所で修業をしている。清貴は焦る円生を見ていられなくなり自分の許に置きたいと円生も同行していた。
 あまりに仕事がないので、清貴は知りあい廻りをする。
 祇園の舞妓さんから幽霊の話を聞く。円生が担当する。
 芸舞妓・ほの香ともも香はストーカー被害にあっていた。
 高辻洸一からの相談は二十年前に殺されそうになり階段から落ちて記憶障害になった。そのまま二十年が経った。自分を殺そうとした人を探してほしいということだった。
 集まったのは本人53才。高辻夕花50才妻。土橋達夫45才執事。深沢浩二43才(洸一の実弟)住所は鎌倉。深沢良子42才(洸一の実妹)この家に同居の五人だった。五人の話を聞く。
 利休に舞妓になってもらい囮にして幽霊騒ぎを起こしている者を捕まえる。そのままストーカーを捕まえる。ストーカーは浩二だった。
 清貴に嘘を指摘された、妻・弟妹は真相を話す。二十年前、洸一は養子に入り実家を助けて貰っていた。高辻の金を使って好き勝ってをしていた。芸子を好きになり駆け落ちしようとしていた。この家を出ると言う洸一に夕花はナイフを持って追いかけた。結果階段から落ちた。目覚めた洸一は何も覚えていない。洸一は良い夫になった。自分のことを何も覚えていないことを知った芸子は国に帰った。二十年前の真相だった。
 もも香は洸一と芸子の娘だと分った夕花は、浩二に頼んで、ストーカーをし、幽霊騒ぎを起こしてもも香を追い出そうとしたということがわかった。
 
 葵は清貴から高価な茶碗の写真のファイルを貰った。様々な角度から撮られて高台も写されていた。葵は貴重なものをありがとうと言うが、円生のために用意したのだろうと思うと悔しい。

秋人が来る。ご当地レンジャーから人気者が離れていくと言う話をする。ホームズは平安神宮に誘う。秋人は平安人は歴史が浅いと言う。明治になって首都が東京に移り廃れる京都にこのままではいけないと建てられたのが平安神宮だった。京都の矜持と熱意と決意の集大成だと清貴は話す。
 
 小松探偵事務所は仕事が舞い込むようになった。
 澄川佐吉45才・祇園で料亭、飲食店を何軒も経営しているが、両手に載る程度の頑丈そうなアンティークな鉄製の箱の解錠のための暗号の解読を頼みにきた。祖父の残した手紙という物があった。
 もう一つの佐吉依頼は、従兄弟がはじめた飲食店がぼったくりバーのようで、警察沙汰になる前にお灸を据えたいというものだった。店で高価というワインが贋物と証明し、暴力を仕掛けてくるのを撮影し、ぼったくりを改めるように言う。相手は佐吉に頼まれたな。またあいつが邪魔をすると言う。
 華道教室に行っている妻が、帰ってくると酒と男に匂いがしてるので調べて欲しいという依頼。華道教室を調べると、ぼったくりバーと繋がり佐吉の金属の箱とも話が通じる。
 清貴は佐吉を呼ぶ。華道教室の敦子は佐吉の叔母、佐吉の従兄弟・博樹は敦子の息子だった。佐吉は本妻の娘の息子、博樹は妾の娘の息子だった。金属の箱は妾親子に残された物だった。持っていたのは敦子。二十五年前、家に放火され奪われた箱だった。放火したのは本妻の娘・佐吉の母だった。二十五年で時効成立だと考えた佐吉は解錠を頼んだのだった。
放火は十月だったので、時効は成立していないが時効とは関係なく、信頼の問題だという敦子。博樹の母親を訴えるかじっくり考えるという敦子は、佐吉に博樹への手助けを頼み放免した。金属の箱から出てきたのは、二億円以上はするブルーダイヤだった。敦子は円生にボディガードを頼み、宝石鑑定と銀行の貸金庫に預けるようだ。
 華道教室の実態は地下室のバーだった。依頼人に話すと、驚いたが浮気でないなら良かったとのことだった。
  
 清貴は円生を「二人のナミカワ」の七宝の展示会に行く。二人の話をする。円生は前もってきた写真を見せて欲しいという。
 清貴は私設美術館構想の迷いを話す。

 葵は藤原慶子の誘いでニューヨークに行くことになった。女性キュレーターの卵に、講演会や談話会をする。

 蔵にジウ・イーリンがきた。
 

 

 


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