栄次郎江戸暦22 見えない敵 小杉健治
田宮流抜刀術の達人で三味線の名手矢内栄次郎は手首を痛め撥も刀も握れずにいた。
尾行者がいる商人と知り合いになった。千扇堂の藤吉。藤吉は五年前、友達・十蔵と金貸しのところに盗みに入った。主は殺されていた。二人は五十両を奪って逃走。すぐ殺しの犯人は捕まり獄死した。五十両の在処は分らないまま殺して金を奪ったことになっていた。二人は店を持った。今、藤吉と十蔵は盗みで脅迫されていた。栄次郎は新八に手伝って貰い、脅迫しているのが、岡っ引き・段平と元同心・蓮見常五郎だと突き止めた。蓮見は殺しと脅迫は自分が首謀者だとして自死した。段平と小者は遠島になった。脅迫された金は返ってきた。脅迫は無かったものとされ、五年前の盗みの二人のことも無かった事となった。
栄次郎の兄・二百石の御家人・御徒目付の栄之進に再婚話があった。相手はある事件で知りあった書院番三千石の旗本大城清十郎の娘・美津だった。大城は栄次郎の出生の秘密・大御所治済の庶子だということをを知っているからこその身分違いの再婚話だった。美津を狙っていた旗本の家来が栄次郎の命を狙う。手首を使えない栄次郎を栄之進が守る。栄之進は美津を好きなのだが、縁組みを断ろうと思っている。美津も栄之進を気に入ってはいるのだが・・・。
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