2019年12月3日火曜日

江戸のお庭番〈4〉 富籤始末

江戸のお庭番〈4〉 富籤始末 藤井邦夫
 旗本御家人の監察役目付が何者かに闇討ちされた。お庭番・倉沢喬四郎は、吉宗の直命で探索に乗り出す。
 喬四郎は帰らぬ夫を探す武家の妻女を助けた。夫・御家人風見平内は目付を殺し、徒目付を殺した。喬四郎は平内に傷を負わせ、大名家の草だと突き止めるが平内は自爆した。目付は倉橋家が草ではないかと探っていたために殺された。平内は賢徳寺の富興行を探っていた。賢徳寺から出てきた侍は紀伊藩江戸中屋敷の者だった。
 喬四郎は中屋敷を探る。留守居番頭は切れ者で有名だった佐橋采女正、留守居番に幼馴染みの麒麟児と言われた村上和馬がいた。喬四郎の仲間・才蔵は平内の仲間を見張っていた。
 賢徳寺の富くじに紀伊藩・佐橋が関わっていた。吉宗は容赦は無用と言う。
 草は甲賀忍、背後には仙台藩伊達家がいた。差配・雇い主は白石紳一郎だった。賢徳寺の富くじの裏に潜む紀伊藩の企みを暴き、騒ぎをおこすことが狙いだった。
 当日、最後の百両の富突の時、寺の下男・峰吉が木箱の下の台の隙間に大錐を突き刺した。白石が木箱を動かし大錐で刺された男を引きずり出した。前もって決めていた札を大錐に刺していたことを明らかにした。
 紀伊家佐橋様の指図と言う賢徳寺別当蒼海を村上和馬が斬る。富付は中止になった。村上和馬は白石を殺そうとしたが、喬四郎が阻止した。喬四郎は紀伊家に起きざりにされた遺恨だと言う佐橋を成敗した。
 平内の妻は白石の叔母だった。白石家に戻った。
 和馬は喬四郎に白石を助けたのはお前かと尋ねる。佐橋を斬ったのもお前かと尋ねる。試合を挑んだ。そして破れた。

 

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