せき越えぬ 西條奈加
武藤一之介27才 小田原藩先手組方、四人扶持
武一には道場の友、騎市がいた。騎山市之助。千石。年寄役。忠真の中小姓をしている。
箱根の関所の伴頭の手形の改竄を配下に命じ、意図して関越えの邪魔をしていることを関所の足軽・衛吉の手を借り調べ、証しを大目付に訴えた。箱根関所の梃子入れがなされた。
武市はお先弓方になり五人扶持になった。一緒に調べた斉藤兵六、松田中也、越坂晋輔も僅かながら扶持高があがり関所番士になった。
目付も配されるようになった。番士の見張りだった。
新しく女子の改め、人見女が入った。武一が箱根越えで困った時に助けてくれた千野理世だった。
箱根の山の中で理世と騎市が会っているのを見た武一は気が気でない。騎市の学問塾の師匠が理世の元夫だった。離縁され夫は江戸に出ているが、シーボルト事件に関連し、お咎めを受けるかも知れないため西国へ逃げようとしていた。
武一は騎市に頼まれ、師匠と騎市を関所抜けさせる。騎市は病気で療養中ということになった。
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