2021年12月11日土曜日

花人始末 菊花の夢

 花人始末 菊花の夢 和田はつ子

 植木屋の花恵に厄介事が持ち込まれる。医者を狙う付け火に怯える医者。金貸しが毒殺された事件に苦心する同心。差出人不明の恋文を貰う植木職人・晃吉。江戸一の生け花の師匠に頼りたい花恵だったが、夢幻は菊の生け花大会に向いていた。

 医者 沢森正海に火を付けた三次は、生け花の師匠静原夢幻の屋敷を狙って捕まった。医者・塚原俊道を狙ったのは、花恵が助けた死にそうな老人・佐助だった。疱瘡医と名乗って大儲けしていた。

 金貸しと同じ毒で沢森の妻が亡くなった。塚原が犯人だと乗り込んだ沢森だったが、その場にいた夢幻が、沢森が妻のお腹の中の赤ちゃんを殺そうとしていたこと、沢森が使っていた植木職人が殺したことを明らかにした。
 花恵は晃吉に恋文を出す人を本気に探す。恋文に書かれていたのは、雄鶏がオオムカデの鬼と死闘を繰り広げ母娘を助ける話しだった。いろいろ当たってみて最後に行き着いたのは、米問屋・尾高屋の母娘のところだった。
 娘・初は誰かに押されて大八車に轢かれた。阿片を握っていた。父親は抜け荷が発覚しかけたので自殺した。父親の弟が主人に納まり、妻子を追い出した。二人は、絵草紙屋を開いていた。陥れられた話しを誰かに聞いて欲しくて晃吉に母親が書いていた。初が晃吉の絵を描いていた。諦めさえしなければ泣くのは恥ではないと晃吉に言われたことがあったようだ。話しをしている最中に男たちが襲ってきた。夢幻が助けてくれる。尾高屋に頼まれて来たようだ。初を突き飛ばし轢かれるように仕向けたのは沢森だった。沢森は抜け荷の阿片に手を出していた。尾高屋に頼まれていた。抜け荷をしていたのは弟だった。

 塚原は隠居し、薬料を貰わず診療した。長崎から帰った息子・千太郎があとを継いだ。妹は夢幻の弟子の一人・美乃だった。
 

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