2021年12月21日火曜日

卯月庵へようこそ  十日月の巻

湯島天神坂お宿卯月庵へようこそ  十日月の巻 中島久枝
 
 プロローグ 卯月庵の板前杉治は、暴れ馬に飛び乗り幼い女の子を助けた。杉治は前身を知られたくないため素早く立ち去った。女の子の祖父・薬種屋青天堂は助けてくれた人を探すが杉治は助けたことを否定する。

 三人姉妹 八王子の花火師をかかえている紅屋の大女将・粂が泊まる。妹の材木商に嫁いだ次女・桐が、夫が十八才の娘と浮気して子供が出来たと家を出てきた。浅草の料理屋に嫁いだ三女・市が、三社祭りにお金を使い借金をしていたと泣きついた。三姉妹は話し、桐は迎えに来た夫と帰り、市は桐の持ち出して来ていたお金を借りて帰った。

 眠る男 眠れない男 狂歌師・古家雨漏が千首読みをする三日前から卯月庵に泊まる。前夜、雨漏は眠れる薬を飲んだ。弟子たちは用意のため眠らないための薬を飲んだ。梅乃は誤って雨漏に眠れない薬を渡し弟子たちに眠る薬を渡してしまった。途中で寝てしまう。千首読み終わった。

 猫が仕出かした不始末 紅葉と梅乃が世話をしている猫が、水茶屋の壺を割ってしまった。壺を金継ぎするための金を稼ぐために水茶屋の手伝いをする。二人は物置のような家を片づける。伝は物を捨てられない。伝を如月に一泊させ家を片づける気になるようにする。家は、猫が物置と間違わないように片付いた。壺も戻った。

 人形と旅をする男 人形を連れて旅をしているという男・万作が泊まった。人形に生きているように話しかける。人形の名は鈴。元の家に戻してあげたいので元の家を探している。灘屋に鈴という内儀がいて人形を作った。鈴は六年前に亡くなったことが判った。梅乃は万作の言うことを信じているが、紅葉や他の人は万作を疑い強請りをしようと思っていると考えた。灘屋を呼んだ。万作は灘屋から盗み強請ろうとしていた。人形は灘屋が持って帰った。

 エピローグ 杉治は昔、大名の半年前に生まれた男子を殺す密命を受けた。自分が所帯を持ち娘が生まれた時、仕事ができなくなった。村から逃げた。杉治が使った薬と馬の乗りこなしから杉治は青天堂に呼ばれた。青天堂の主は杉治の兄だった。もう逃げる必要はなくなった。村が仕事を辞めたことを知った。青天堂の主は杉治の兄だった。娘・夏に会った。

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