2021年12月7日火曜日

勘定侍柳生真剣勝負〈四〉 洞察

勘定侍柳生真剣勝負〈四〉 洞察 上田秀人 

 柳生家が一万石になり祝いの席を設けなければならない。執政衆、惣目付等呼んでも来ないと家老・松木は言うが、淡海は老中・堀田加賀守は来るだろうと予測する。邪魔もするだろうと思う淡海は、駿河屋に頼み一日前に鮑と鯛と伊勢エビを八十ずつ注文した。一夜干しを頼んだ。案の定、当日、魚市場の売り買いを止められた。
 当日、自分がいないほうが良いだろうと考えた淡海は出かける。堀田は居なかったことで二日後淡海を屋敷に寄越せといって帰った。
 
 淡海は早く柳生を出るために、勘定方を鍛えることにする。また柳生家に貸しを作っておけば帰りやすくなると考えている。
 淡海は堀田の呼び出しとは別に、次の日、駿河屋の口利きで堀田に会いに行く。上方に帰りたいので当家をいじめんとってと直談判。加賀守の屋敷に忍び込んだのは私の知り合いです。貸し一つで許して欲しい。左門を柳生の里に縛りつけて、江戸へ来ないようにすると言った。

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