2022年2月17日木曜日

鬼の大江戸ふしぎ帖② 鬼がとぶ

鬼の大江戸ふしぎ帖② 鬼がとぶ 和田はつ子

 人の肝臓から作られる命救丹が盗まれた。数日後、高価な名薬は大川に流されていた。犯人の狙いは、命救丹より効果のある自分たちの命救丹とすり替えることにあった。取引の店に、新たな薬を試しに使ってもらい、取引場所を変えるというものだった。何故効果があるか、浅田玄九郎が扱うよりも新しい肝臓を使う。まだ、生きている肝臓を使うというものだった。
 渡辺源時は熊鬼の仕業と見立る。源時の使っている下っぴきの花吉は蚊蜻蛉鬼 なので、花吉を抜きにしようとしたが、花吉が可愛がっていた長屋の少女が犠牲になった。蚊蜻蛉鬼は熊鬼の手先だがこの度は敵対するという。隠れ家を見つけ急いだが穴の中の死体は焼かれた。熊鬼の首領は怪我をしていることが分かり、源時は華鬼の稀世が心配になった。花吉は熊鬼退治に必要な猫虎鬼のヒゲを玄九郎から拝借した。
 稀世のところに身重のぶんがいた。稀世はぶんを助けようと右手の甲から白蓮のような花が咲き蜜が出る。ぶんの身体が薩摩熊鬼になる。花吉が稀世の蜜の中に虎ひげを落としていく。薩摩熊鬼の首領は亡くなった。臨終を見届けて熊鬼はたちは去った。ぶんは盗賊のだった追いつめられて死んだということになった。
 
 鬼が飛ぶ 鼠鬼の婆が殺された。鼠鬼たちは四天王の源時が犯人だと言い出した。源時を知っている鼠鬼の小吉が庇ってくれるが相手は多勢だった。明日までに犯人を見つけることで猶予を貰う。百舌鳥鬼に化けた蟻鬼の瓢吉が犯人だと思われたが、瓢吉にはアリバイがあった。
 源時は、鼠鬼たちに犯人は百舌鳥鬼だと言った。源時は知らなかったが鼠鬼には心当たりがあった。婆は百舌鳥鬼を育てたのだった。鼠鬼によって百舌鳥鬼は殺された。

 鬼の呪縛 狐鬼には、大店を継ぐ若旦那は鼠鬼の娘を襲うと言う跡継ぎ式があった。雪の日に襲われた娘は神隠しに合ったと言われ、数日後に川で見付かったり首くくりなど自殺遺体で見付かることが多かった。狐鬼の方から源時は今年から辞めたいのだが息子は楽しみにしている止めて欲しいと頼まれ、鼠鬼からは何故こんなことが起こるのか調べて欲しいと頼まれた。知っていることを話せば鼠鬼の復讐が始まることが分かる源時は鼠鬼には話せない。
 源時は、息子・梅太郎が狙っている娘を守ることにした。梅太郎が殺された。真平が殺された。殺されたと思うだけで身体は無い。来ていた着物だけがのこされていた。源時が調べ、蟷螂蛇鬼だとわかった。蟷螂蛇鬼は鶉卵の好きな狐鬼を食べなければ三十歳で死ぬ。大奥の御台所彩の方が五年前にも同じことを起こしていたことを知り、網を張り捕まえ、大奥に戻した。

 鬼が恐い、人が恐い、

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