2022年2月21日月曜日

新・秋山久蔵 御用控⑫ 凶状持

新・秋山久蔵 御用控〈十二〉 凶状持 藤井邦夫

 凶状持 五年前、博打打ちの貸元を殺して江戸から逃げた男が戻ってきたらしい。貸元の舎弟舘に追われている。見付かれば殺されかねない。久蔵は探索を命じる。
 伊佐吉の動きを見、五年前の事件の真相を摑んだ。後継ぎになっている金蔵が千五郎殺しを企み伊佐治が殺し、金蔵は後を継ぎ、罪を擦りつけ伊佐吉の命を狙ったことが判った。伊佐吉の目の前で金蔵を捕まえた。金蔵と伊佐吉は死罪になった。

 守り神 金貸しが殺された。久蔵と神崎和馬、柳橋の幸吉たちが動く。
 久蔵の息子・大助は学問所帰りに浪人たちを角手や鼻捻を使って手玉に取った商家の内儀の下男に興味を持って後を付け扇屋香風堂の者と判った。内儀は元八丁堀同心の妻だったが、同心が亡くなり実家に戻った。同心が手札を渡していた岡っ引きが、奥さんを守って下男になっていた。
 幸吉たちの調べは香風堂に向く。内儀が金貸しと会い、返済を待ってもらえなくて店を取られそうになっている。下男を張り込み金貸しを襲ったところを捕まえる。久蔵は暴利を貪る高利貸の利兵衛も捕まえ、吊り上げられる利息に苦しむ者を助けた。香風堂も助かった。下男・彦六は笑みを浮かべて死罪になった。

 和泉橋 浅草寺で研屋・剣堂の主人が怪我をした。久蔵は脅しとみた。剣堂を調べていて和泉橋で辻斬りがあったをことを知る。殺人者は刀お使い方を知らないようだと見受けられた。剣堂から調べ、大名家当主の甥のようだ。もう一度辻斬りを行うとき、捕まえる。勘当放逐され浪人になり死罪となった。藩主も隠居した。

 目利き 向島の寺の運慶が彫ったと言われる観音様が盗まれた。手口から八年前に亡くなったと思われていた念仏の宗兵が浮かぶ。八年前の宗兵と現在の宗兵を追う。八年前、大百姓の市次郎に助けられ屋敷の下男として働いていた。市次郎が唐金の小さな観音様を持って大黒堂の隠居のところで卒中になって死んでいた。大黒堂に隠居は目利きで有名だが、偽物だと鑑定して安く買い、他の人に高い値で売ると言われていた。宗兵が隠居を呼び出した。宗兵が盗んだ観音像を偽物と鑑定し、十両で買うと言う。市次郎を知らないかと言う宗兵に偽物だというと倒れたので帰ったと言う。隠居を捕まえる。唐金の観音像は大黒堂にあった。大黒堂は闕所になった。隠居は遠島。盗まれた観音様は寺に返され、唐金の観音様は江戸十里四方所払いになった宗兵がもらい、修業僧宗念として江戸から旅立った。
 

 

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