きりきり舞いのさようなら 諸田玲子
十返舎一九、女房のえつ、娘の舞、舞の亭主で一九の弟子の今井尚武、舞と尚武の養子の丈吉、葛飾北斎の娘で居候の栄は火事で住むところを無くした。逃げる途中で、朝日稲荷の狐の置物を持った老婆と一緒になった。焼継屋の為助の母親だが、為助の居所がわからず一緒にいる。
北斎の知っている空き家に落ち着く。仕事の無い尚武は、誰にも言わず、隠密同心の手伝いをしていた。挙動不審の尚武に舞が質問し、応対したことでやっと証拠を見つけ出した抜け荷の首領を捕まえ損なった。そして二軒長屋の隣の住人が抜け荷仲間であり盗人であることが判明した。盗賊仲間も捕まえた。差配をしていたつやも仲間だった。つやにはみんな世話になっていた。つやは逃げたが海で転覆したという情報が入った。本当につやかどうかは判らない。
火事から一年経った。一九の葬儀が行われ、香典が集まる。香典の金で朝日稲荷の祠を元の場所に建てた。為助を探した。為助の息子が現れる。為助は亡くなっていた。息子も大火傷だった。為助の弟が見付かった。老婆・りんは引き取られた。一九は元気だ。稲荷の祠のために自分の葬儀をだしたのだった。
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