2022年2月23日水曜日

草紙屋薬楽堂ふしぎ始末⑥ 完

草紙屋薬楽堂ふしぎ始末⑥ 凍月の眠り  平谷美樹

 生ける屍 本所深川反魂の宴 旗本三家に妙なことが起こっている。二軒は死んだとされていた殿様が生きていた。埋められて後で生き返った。一軒は医者が診ている。魚屋が強請っている事がわかり、金魚は判った。三人はフグを食べた。毒に当たり二人は死んだように思われたが亡くなってはいなくて、蘇ったように見えた。生き返ったが正気には戻らなかった。
 金魚は旗本と話しを付ける。魚屋の強請りを止める代わりに本を書く許可を貰う。魚屋の強請りは命を取ると言う脅し、前と同じように魚屋として屋敷に出入りすること。

 本草学者 未練の訪れ 書林三河堂に二十五歳で亡くなった村木宗庵の蔵書がある。村木家から役立ててくれそうな人に売って欲しいと預かった。蔵を見つめる幽霊が出ると噂される。粋山に頼まれ無念が巻き込まれているようなので、金魚はこっそり乗り出す。三河堂の娘と話しをして、幽霊の話は宗庵の蔵書を売りたくなくて付いた嘘だと早く言うべきだと諭す。亡くなっている人の事だから父親のうるさく言わない。真っ白な留書帖は形見に欲しいと言えば良いと教える。
 粋山と無念には幽霊は見間違いだったと伝えられた。

 丑の刻参り 呪いの行方 丑の刻参りをしている女と会った。ぬいは田中平七郎という子供に読み書きを教えている同じ長屋の浪人と夫婦約束をした。平七郎は旗本の養子縁組みのはなしがありぬいの前から姿を消した。金魚と栄は平七郎に一泡吹かせる手伝いをする。
 ぬいが死んだ話しを作り幽霊を出す。平七郎がやっと誤った。
 無念が金魚に結婚を申し込む。金魚は頷く。

 雪女郎 凍月の眠り 吹雪の中薬楽堂の短右衛門の娘・けいが勾引かされた。けいの機転で駕籠を雇い降りた場所までは分かった。金魚と無念が辺りを捜していると六部の装束の童女が手招きする。童女が立ち止まった空き家にけいがいた。六部の装束の大人と子供の遺骸があった。外は吹雪、家の中でけいを温めるために金魚は裸で布団に包まる。貫兵衛と又蔵が二人を見つけた。吹雪は遠にあがっていた。
 幽霊はいるいない論争になった。金魚はいないと言いたいが、神も仏もないじぶんの力だけで切り抜けて行かなければ生きていけない。それが金魚の縁だった。けど仲間を頼れる。分からないと言っても良いんだ。


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