九代目長兵衛口入れ稼業〈三〉 陰の将軍、烏丸検校 小杉健治
江戸で人材斡旋業を営む幡随院長兵衛。大前田栄五郎を勝五郎といって匿っている。
代官手付けの筒井が引き渡せといってくる。長兵衛は断っている。
筒井も奉行所の役人も手が出せないという烏丸左団次というのがいる。言い噂を聞かない。呉服屋から反物を騙し取った。旗本の名を借りて騙す。料理屋で暴れる。父親が家斉お気に入りの烏丸検校だから手が出せないという。捕まえても解き放ちになる。長兵衛は左団次の邪魔をする。
長兵衛は左団次に会いに行く。悪者だと思えない。左団次の横に大江直二郎という侍がいた。
勝五郎を出せと栄五郎が殺した丈八一家の二人が来る。長兵衛は左団次に勝五郎を匿って貰う。丈八一家の二人が殺される。
幡随院に決まりかけていた護岸工事の請負が、改めてやり直すことになった。左団次の嫌がらせかと思った。
左団次が悪さを仕掛けた、旗本、商家、札差、関係がないか調べ上げる。御納戸役の旗本が、献上品を横流しし、献上品を手に入れた商家から左団次たちが騙し取っていたことが判った。献上品は城に返された。
烏丸検校も若い頃、無体な借金取り立てをしのし上がったと言われているが、噂を流したのは惣録を競う早川検校だった。烏丸検校を親の仇と狙う大江直二郎も、早川検校に育てられたが、親を殺したも同然の借金の取り立てをしたのも早川検校だった。
丈八一家の二人を殺したのは、筒井だった。二人から勝五郎を渡すことで五十両受け取っていた。勝五郎が左団次に匿われ渡せなくなったことで金を返せと言われ殺していた。五十両は小普請支配に回っていた。護岸工事見直しを頼んでいた。長兵衛に見とがめられた筒井は切腹した。
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