2022年7月6日水曜日

東京バンドワゴン⑥ オブ・ラ・ディオブ・ラ・ダ

 東京バンドワゴン⑥ オブ・ラ・ディオブ・ラ・ダ 小路幸也

春 林檎可愛やすっぱいか 我南人は、研人の小学校の卒業式のサプライズライブの後、キースのアメリカの人気バンドのワールドツアーに参加のため旅立つ。池沢百合枝も付いて行った。
 三鷹と永坂と、コウと真奈美の合同挙式が祐円の神社で行われ、三鷹と永坂の結婚披露パーティと藤島の新会社設立のお披露目が一緒に行われた。
 我南人の同級生・おかはし玲の生家を記念館にしようという話が起こる。三十年前に亡くなり本は散逸、なかなか集まらない。
 古本屋のワゴンの上に林檎が載っている。三度置かれていた。
 研人が光輝と喧嘩して泣かせたと学校より電話があった。光輝と父母が堀田家にくる。青の先輩・川上も来る。風一郎が酔っぱらっくる。風一郎を我南人の部屋へ入れる。
 光輝の父・西田は喧嘩をごまかそうとする。勘一はちゃんと子供の話を聞いてやれと怒鳴る。我南人が帰って来る。我南人は全て知っていた。LOVEだね。みんなLOVE をいっぱい持ってる。でも子供だからどうしていいか判らないんだね。
 本の整理をしている時、研人が芽莉依にプレゼントした本が出てきて、光輝は急に泣いてしまった。光輝は芽莉依が好きだった。研人はそれが判ったから喧嘩したことにした。
 おまけが付いた。その本は東京バンドワゴンが検印があった。何故、学校の図書館にその本があったのか。青は昔、川上が好きで店の本を川上に渡していた。青の初恋かな。川上、今は森下、中学校の先生になっている。
 林檎の謎も解決、奈美子ちゃんが研人を好きだったということ。
 研人と光輝、奈美子の芽莉依も、集まったおかはし玲の本を並べる手伝いをすることになった。
 風一郎はいなくなっていた。

 夏 歌は世につれどうにかなるさ 安藤風一郎が十年ぶりにテレビに登場。〈ホームタウン〉大層うれている。我南人の新曲、花陽の着メロだった。堀田家では風一郎の盗作?という話になっている。
 青が映画出演することになった。主役は折原美世、亜美の弟・修平の彼女。舞台は古本屋ということで東京バンドワゴンも使われることになった。
 始まってすぐ、本の積み方、後の家訓の消えかかった文字をきれいに書きなぞっているのを見て、勘一が切れた。予想していた紺と青が、京都の乱麻堂を紹介した。青は京都で撮影に参加した。
 風一郎の盗作?の話が、編曲した龍哉の耳に入る。龍哉はあれは我南人の曲じゃないと言う。龍哉のスタジオで江ノ島ライブのリハをする。その時我南人も行くことになった。勘一と紺と研人も行く。我南人は、我南人が作った風一郎のデビュー曲を弾いた。風一郎は、作りかけの曲を盗んだと言った。アルコール依存症で妻に愛想尽かされ売れる曲が欲しかった。この曲さえあればと思ってしまった。妻が帰って来てくれると思った。あれは研人の曲だと言う。あの曲を全部完成させ、歌詞書いてすごい曲に仕上げたのは間違いなくフーちゃんだよ。
 風一郎は作曲の名義に研人も入れた。印税が研人に入った。

 秋 振り向けば男心に秋の空 この秋でかんなと鈴花は二才です。
 怪しげなヤツがいると言っていた正体が現れた。昔の介山陣一郎の孫、幸子が来た。会社は衰退するばかり、会社もわが家も売り払い整理するつもりだ。父が残した蔵書を譲るならここと書いてあったという。持って来た本は刳り貫いてあった。二百冊ほどが刳り貫かれガラス瓶が仕込まれていた。刳り貫かれていなければ高い本もある。亜美がこの瓶一本で百万円ですと言った。生家は手放さなくてもいいようになった。
 幸子が、おかはし玲の本がたくさんあるのを見て記念館の話になった。原画も絵本も童話もあるという。屈強な男たちが会場のガードをしてくれることになった。

 冬 オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ 研人は学校でバンドを組もうと仲間を集めている。
研人は龍哉のスタジオに一月に二、三度行く。
藤島は藤島ハウスに住んでいる。藤島をストーキングしている男女がいると木島が言う。男は高木宏、女は平井恵だった。藤島の姉が無理心中した相手が、高木宏。高木は生き残り、自分の罪だと長い刑期を務めた。どうして二人が藤島をつけていたのか聞こうとした時、病院から電話があり、勘一の妹・淑子が亡くなった。
 淑子を弔いたいと思うが、淑子はチャーター便でアメリカに帰り、葬儀はアメリカで行われる。
 平井恵、作家の中澤恵さんは藤島の姉の友人だった。麻里の弟・藤島が、麻里とそっくりな中学生と歩いているのに驚いた。誰と付き合っているのか言わなかったが、相談には乗っていた。でも止められなかった。救えなかった。高木は、彼女の弟に何かあってはいけないと思い心配し、様子を窺っていた。
 高木は藤島ハウスの管理人になった。中澤には高木もいる、しっかり聞いて彼女の人生を本に残してやれと勘一は進めた。藤島には二人の手を借り、きっちり葬らせろという。
 十二月二十日、修平と佳奈が式を揚げる事にした。
 真奈美が妊娠した。コウは勘一に名付け親になってほしいと頼む。
 はるに池沢百合子がいた。アルバイトをする。真奈美の親戚のおばさん・慶子さんですと紹介された。
 
 

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