料理人季蔵捕物控㊸ さしみ朝膳 和田はつ子
さしみ朝膳 長崎屋五平から、幽霊画観賞と怪談噺の前に七夕膳を出張料理で作ることを頼まれた。
幽霊画家・河口幽斎が、首と右手首から先のない刺殺体が見つかった。季蔵は、手首、首の在りかを見付ける。犯人は妻・里恵。手助けしたのは、健斗と由美と見当をつける。里恵は、幽斎の自殺だと言う。里恵が助け、時間稼ぎに幽霊役を由美が 、その助けを健斗がしたと言った。季蔵も何も口を挟まず、奉行所に届けなかった。
醤油水 由美と健斗は駆け落ちするつもりだったが、由美の店から蒼汰が迎えに来て二人は帰った。由美は屋台の天麩羅屋から、大店の天麩羅屋になった大房屋の跡取り娘。健斗は屋台寿司から大店になった高岡屋の跡取り息子だった。
塩梅屋に松次が来て、勾引かしの子供の話をする。今年四人がいなくなっていた。松次は四年前にも四人の五六才の娘がいなくなっていると話す。北町奉行・烏谷が来て、貧乏人の娘がいなくなってもいい加減の捜査しかしない。今回、京谷屋の娘がいなくなって金を積まれて川浚いをする。そんな南町奉行所のあり方に憤然としていた。
氷室菓子 氷室付きのよろず海鮮屋が売りに出されていた。その氷室でいなくなっていた一人の娘の死体がお菓子に囲まれ見つかった。海鮮屋を買った嘉月屋の嘉助が捕まる。塩梅屋の三吉の菓子作りの師匠だ。季蔵は犯人を見付ける。年老いた旗本が、馬で登城していた。下城時、馬が暴れ、娘の頭を蹴っていた。旗本は屋敷の氷室に置き、お菓子を作りきれいに飾り海鮮屋の氷室に置き、すぐ見つかるようにしていた。殿様は自決していた。探り出した季蔵は知らせ、嘉助は放免される。嘉助は店を閉め、乾燥ドクダミを売り、お金を貯めて氷室付きの店を買い海鮮屋を買おうとした漁師のおかみさんたちに渡そうと考えた。
夏薬膳 ドクダミ料理、酒で瑠璃は元気になる。
福おにぎり 大房屋の主が亡くなった。二階から落ちていた。蒼汰は主と娘・由美の喧嘩のことを話す。季蔵はいろんな物を調べて、犯人は蒼汰だという。蒼汰は主を恩人だと報いてきた。由美の婿にすると言ったが、大店の三男との見合いを進めていた。自分は使い捨てだと感じ、殺すことにした。いろんな仕掛けを持ちかけた女がいたが、蒼汰は知らないと何も言わなかった。由美は屋台主の助けをし、店を閉めた。
高岡屋の番頭が死んでいた。主と息子・健斗の命が狙われていると言われ、季蔵は毎夜、健斗を預かる。季蔵は一夜ずしともいう早ずしを教わる。
健斗がいなくなる。季蔵は探り、健斗がウニ採りに行ったことをつき止める。船に穴が空けられ溺れている健斗を助ける。同じくいなくなっていた主は、番頭が死んだ蔵で殺されていた。高岡屋の所為で亡くなった屋台をひいていた父母の敵打ちだという重七に殺された。重七の遺書で、大房屋の主をうらんでいたきんがいたことが判った。三人で考えた仇討ちだった。きんを見付けた。幽斎の妻と言っていた里恵だった。
健斗も奉公人を身のたつように計らい店を閉めた。由美・本当の名は波留。健斗と波留は上方に修行に行った。塩梅屋のような店を開きたいと。
幽斎は死んではいなかった。幽斎は御禁制の子供が泣き叫裸の女児や男児の絵そ描いた。京谷屋の主もこの手の性癖だった。京谷屋の娘は母親の手で匿われていた。四年前と今年と勾引かされた子供は殺されて埋められていた。
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