端午のとうふ 山本一力
〜江戸人情短編傑作選〜
騙り御前 「損料屋喜八郎始末控え」
札差米屋の相談役・喜八郎。札差伊勢屋は、与力・秋山と札差米屋を陥れる謀略をめぐらす。役者に貴族のふりをさせ、旗本と組み、茶碗を米屋に預けたり、陥れようとするが、喜八郎が、秋山の力を借り、米屋を助ける。
菱あられ 「深川駕籠」
入谷から雑司が谷へ行く深川駕籠の新太郎。町内鳶の頭・辰蔵と賭になり、源次は見届け人になる。入谷まで手代を運んだ駕籠が新太郎の邪魔をする。雪や火災に遇うが、新太郎は男気を見せ時刻までに雑司が谷に行く。
端午のとうふ 「深川黄表紙掛取り帖」
定斎屋の蔵秀は雑穀問屋・丹後屋から四百五十俵の大豆の処理を頼まれる。五十俵の仕入れが五百俵になっていた。蔵秀は絵師・雅乃と戯作者を目指す・辰次郎、飾り行灯師・宗佑とでトラブルを知恵と度胸で解決する。正月二日に金の大黒と銀の大黒を入れた大豆を売り出す。
売った大豆に屑が混じっていたと判った丹後屋に大豆の回収を頼まれるが、町中の豆腐屋を巻き込み五万個の豆腐を配ることにする。屑大豆を売りつけた商家と五十を五百と書かせた者も天罰を下される。
そこに、すいかずら 「いっぽんの桜」
常磐屋治佐衛門が娘のために三千両で誂えた豪華な雛人形。雛人形のための蔵に入れ二度の火災にも焼けないで残った。治佐衛門は一度目の火災の後、踏ん張り料亭を建て直したが、二度目に店が焼けた時、夫婦は火事現場に飛び込んだ。娘・秋葉は、雛人形を寺に預け、どうにか立ち上がる。
猫もいる 「江戸は心意気」
生き物を飼えば子宝に恵まれると易者に言われた男、友乃は猫好き。床下に迷いこんでいた三匹の猫を飼うことにした。
閻魔堂の虹 「江戸は心意気」
貸本屋の閻魔堂。桔梗屋の奥女中が、お嬢様の本を借りに来る。返された本はしわを伸ばされていた。弥太郎はお嬢様に好意を持つ。雨の日にやってきたお嬢様は・・・だった。女中さんがやっていたのだ。
井戸の茶碗 「落語小説集 柴浜」
仏像の中から五十両が出てくる。代わりに出した茶碗が井戸の茶碗だったの話し。
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