風烈廻り与力・青柳剣一郎32 善の焔 小杉健治
大伝馬町で付け火が続いた。牢屋敷の解き放ちが目的かと思い入牢中の関係者を調べる。
付け火の狙いは小伝馬町一丁目に住む錺職人修次の所にいる、兄弟子だった麻吉だった。麻吉は中風で半身不随、言葉も思うように喋られない状態で修次のところにいた。
隣の為五郎が付け火を目撃し怪我をしたことで青柳剣一郎が修次と麻吉を知るところとなる。麻吉は倒れた時の記憶が無く、忘れているが、善行の人で知られている「小町屋」の主人・沢治郎が、孝太郎が自訴したこと、内儀が亭主殺しに加担したことはなしているのを聞いていた。思い出す前に麻吉を何とかしたかった。修次が麻吉に辛く当たり、あまり面倒を見ない。麻吉は這って水を飲み、便所へ行く。所帯を持つはずだった親方の娘・くみは自分のものだ。と麻吉を怒らす。麻吉は憎しみから死を考えなくなり、殺すことを考え動かす努力をする。修次の狙い通りだが、沢治郎は焦り、麻吉を小町屋の寮に迎え、火を付け殺そうとした。
麻吉は助けられ、小町屋で聞いた、孝太郎のはなしを思い出す。修次の気持ちも分かった。修次のおかげでここまで治り動けるようになっていたことが分かった。修次の辛さも理解出来た。麻吉は仏門に入った。
剣一郎が入牢者を調べた時、孝太郎の話と弟・孝助を聞いていた。疑問に思うことがあったので納得がいった。孝太郎に、孝助が、相馬屋を殺し十両を取ったように言った者がいたのだ。孝太郎は弟を守るために自分がやったと自訴していた。
何も証拠が無い。剣一郎は沢治郎に、自分は何も知らない。麻吉のことも一太がやったことで自分は関係ないといえばそれで通るという。沢治郎の本当に善の部分を知っている。沢治郎の善と悪に問う。沢治郎は相馬屋の内儀との不倫を相馬屋に知られたことが原因だと自白した。
2016年9月8日木曜日
2016年9月7日水曜日
風烈廻り与力・青柳剣一郎29
風烈廻り与力・青柳剣一郎29 まよい雪 小杉健治
鉄次と弥八が佐渡から放免されて帰って来た。
鉄次は会いたい女・きみを探す。おきみを探し根津遊郭へ行く。おきみは見付からないが身請けにお金がいる。盗賊の誘いに乗る。根津のおきちかと思われた女郎が仲立ちになり繋ぎをとれ、弥八の居所を知るが会えない。一回目の押し込みは人を殺さなかった。次は火を付けて押し込み、抵抗されれば殺すという。弥八の居る荒物屋の主人・卯平に南町の青柳剣一郎に伝言を頼む。強風の夜、この付近に付け火がある。鍋町の「加賀屋」が襲われる。加賀屋の下男は賊と通じている。と伝える。
弥八は佐渡に一緒に佐渡送りになった時助がいる。時助を助けたかったら江戸で言われたことをするようにと言われて佐渡を放免されていた。命令は与力・山吹吉五郎と妾・おきちの殺害だった。おきちは鉄次の探している女だと判った。山吹を殺そうとした時、青柳剣一郎に捕まる。
青柳剣一郎は山吹を公金横領の内定していたため、妾宅を見張っていた。佐渡支配組頭・幸山宅次郎と赤木屋が手を組み、江戸に運びこまれる金銀をくすねていた。約定が盗まれ、約定を手に入れた山吹は強請っていた。人足寄場から山吹に佐渡へ送られた弥八と時助は幸山が仕組んだ佐渡逃亡に乗せられ、放免するかわりに・・・と山吹殺害になったのだった。
盗賊の火付けは阻止し、加賀屋に押し入ったところを捕縛した。
山吹は証拠の提出をし、隠居。赤木屋は悪事は露顕したが命が助かる道は時助の放免しかないと手紙を書く。赤木屋光右衛門は隠居した。佐渡金山は老中より佐渡奉行を通して関係各所に注意、不正防止の監督強化
弥八は卯平の店を継ぐ。鉄次は江戸所払いになり、おきみと加賀屋の本店に行く。
剣之助は吟味与力見習いをしている。
鉄次と弥八が佐渡から放免されて帰って来た。
鉄次は会いたい女・きみを探す。おきみを探し根津遊郭へ行く。おきみは見付からないが身請けにお金がいる。盗賊の誘いに乗る。根津のおきちかと思われた女郎が仲立ちになり繋ぎをとれ、弥八の居所を知るが会えない。一回目の押し込みは人を殺さなかった。次は火を付けて押し込み、抵抗されれば殺すという。弥八の居る荒物屋の主人・卯平に南町の青柳剣一郎に伝言を頼む。強風の夜、この付近に付け火がある。鍋町の「加賀屋」が襲われる。加賀屋の下男は賊と通じている。と伝える。
弥八は佐渡に一緒に佐渡送りになった時助がいる。時助を助けたかったら江戸で言われたことをするようにと言われて佐渡を放免されていた。命令は与力・山吹吉五郎と妾・おきちの殺害だった。おきちは鉄次の探している女だと判った。山吹を殺そうとした時、青柳剣一郎に捕まる。
青柳剣一郎は山吹を公金横領の内定していたため、妾宅を見張っていた。佐渡支配組頭・幸山宅次郎と赤木屋が手を組み、江戸に運びこまれる金銀をくすねていた。約定が盗まれ、約定を手に入れた山吹は強請っていた。人足寄場から山吹に佐渡へ送られた弥八と時助は幸山が仕組んだ佐渡逃亡に乗せられ、放免するかわりに・・・と山吹殺害になったのだった。
盗賊の火付けは阻止し、加賀屋に押し入ったところを捕縛した。
山吹は証拠の提出をし、隠居。赤木屋は悪事は露顕したが命が助かる道は時助の放免しかないと手紙を書く。赤木屋光右衛門は隠居した。佐渡金山は老中より佐渡奉行を通して関係各所に注意、不正防止の監督強化
弥八は卯平の店を継ぐ。鉄次は江戸所払いになり、おきみと加賀屋の本店に行く。
剣之助は吟味与力見習いをしている。
2016年9月6日火曜日
風烈廻り与力・青柳剣一郎22
風烈廻り与力・青柳剣一郎22 冬波 小杉健治
金貸しの使用人・多助が主・善兵衛を殺し、おこうの家に逃げ込み、おこうを人質にし、二階に立てこもって喚いていた。静になって四半刻、同心が梯をかけ二階に上がるとおこうは目隠しされ、猿ぐつわをかまされ、両手足を縛られていた。多助は自分で腹を刺して死んでいた。剣之助は違和感を覚えた。廊下の向かいに押し入れを開けた。天井板が少しずれて黒っぽい着物が見えた気がした。
多助が善兵衛を殺し、立てこもった後、自害したとされた。
剣之助は納得がゆくまで調べることにする。剣一郎は文七に剣之助の調べを助けてやって欲しいという。文七と剣之助は個人的な付き合いが始まる。
見廻り中、いつも「備前屋」を見ている男・政次がいることを大信田新吾から聞く。政次が男をつけているのを見、政次をつける。男は備前屋にはいり、政次は自分の長屋に帰った。茶道具屋「懐古堂」の主人が殺されて見付かった。備前屋からの帰りだった。政次が疑われる。懐古堂の殺しには関係が無いようだが、政次は何かを隠しているようだ。
善兵衛を殺したい者、おこうを知っている者、を探していると、長屋に住む、母親が病気のおたまが浮かんできた。好き合っている砂吉がいる。善兵衛からお金を借り、女衒がおたまを連れて行くことになっていた。善兵衛が亡くなり、善兵衛のおかみさん・おすなに返済期日を延ばして貰い、返済は五両でいいことになっていた。おすみにおたまと砂吉のことを訊くと目に涙をためてくって掛かられた。砂吉の罪を暴いてもおたまを不幸にするだけだ。何の証拠もない。剣之助はこれ以上の調べを止める。
剣一郎は、商家の旦那がいかさま博打に手を出し自死している事件を調べるように言われる。胴元に部屋をかしていた東條廉太郎が殺された。東條が会っていた商人太田屋を調べ、一緒にいた男は備前屋の番頭だった。備前屋を調べると先代の息子は勘当され、内儀と娘は内儀の巣鴨の実家に帰ったという。巣鴨に実家は無かった。
やはり、最後まで調べようと剣之助が調べると、長屋に住むお房とおたまが備前屋の先代の内儀と娘だった。政次は備前屋の息子・豊太郎だった。おこうの所にお房とおたまは居たことがあった。豊太郎が善兵衛を殺し、多助を殺したのだろうと考えた。
備前屋の番頭が賭場の中盆の忠助で、主人が胴元の惣兵衛だった。旗本・勝山谷右衛門と惣兵衛が組、豊太郎をいかさまに引っかけどんどん金を貸した。勝山が中に入り、豊太郎を勘当し、惣兵衛を養子に入れ、備前屋を乗っ取ったことが判った。
備前屋に人が集まり賭場が開かれる日、剣一郎は一計を案じた。豊太郎を備前屋に入り込ませ、豊太郎を捕まえに捕り方が入り、賭博を見付ける。惣兵衛は捕まる。東條は備前屋に強請りをかけていた。勝山の家来に殺された。懐古堂は止めようとした。
政次・豊太郎は金貸し・善兵衛を殺したのは自分だと自訴した。剣之助はケリがついている事件だと取り合わなかった。別の形で罪を償えと。
剣一郎は政次に江戸を離れ、五年紙の仕事について学んでくるように言う。まっとうになって帰ってこい、備前屋に戻れるようにすると言う。政次は酒田に旅立った。
勝山は家来を斬り、切腹した。
剣之助は見習いがとれ、本勤並になった。
金貸しの使用人・多助が主・善兵衛を殺し、おこうの家に逃げ込み、おこうを人質にし、二階に立てこもって喚いていた。静になって四半刻、同心が梯をかけ二階に上がるとおこうは目隠しされ、猿ぐつわをかまされ、両手足を縛られていた。多助は自分で腹を刺して死んでいた。剣之助は違和感を覚えた。廊下の向かいに押し入れを開けた。天井板が少しずれて黒っぽい着物が見えた気がした。
多助が善兵衛を殺し、立てこもった後、自害したとされた。
剣之助は納得がゆくまで調べることにする。剣一郎は文七に剣之助の調べを助けてやって欲しいという。文七と剣之助は個人的な付き合いが始まる。
見廻り中、いつも「備前屋」を見ている男・政次がいることを大信田新吾から聞く。政次が男をつけているのを見、政次をつける。男は備前屋にはいり、政次は自分の長屋に帰った。茶道具屋「懐古堂」の主人が殺されて見付かった。備前屋からの帰りだった。政次が疑われる。懐古堂の殺しには関係が無いようだが、政次は何かを隠しているようだ。
善兵衛を殺したい者、おこうを知っている者、を探していると、長屋に住む、母親が病気のおたまが浮かんできた。好き合っている砂吉がいる。善兵衛からお金を借り、女衒がおたまを連れて行くことになっていた。善兵衛が亡くなり、善兵衛のおかみさん・おすなに返済期日を延ばして貰い、返済は五両でいいことになっていた。おすみにおたまと砂吉のことを訊くと目に涙をためてくって掛かられた。砂吉の罪を暴いてもおたまを不幸にするだけだ。何の証拠もない。剣之助はこれ以上の調べを止める。
剣一郎は、商家の旦那がいかさま博打に手を出し自死している事件を調べるように言われる。胴元に部屋をかしていた東條廉太郎が殺された。東條が会っていた商人太田屋を調べ、一緒にいた男は備前屋の番頭だった。備前屋を調べると先代の息子は勘当され、内儀と娘は内儀の巣鴨の実家に帰ったという。巣鴨に実家は無かった。
やはり、最後まで調べようと剣之助が調べると、長屋に住むお房とおたまが備前屋の先代の内儀と娘だった。政次は備前屋の息子・豊太郎だった。おこうの所にお房とおたまは居たことがあった。豊太郎が善兵衛を殺し、多助を殺したのだろうと考えた。
備前屋の番頭が賭場の中盆の忠助で、主人が胴元の惣兵衛だった。旗本・勝山谷右衛門と惣兵衛が組、豊太郎をいかさまに引っかけどんどん金を貸した。勝山が中に入り、豊太郎を勘当し、惣兵衛を養子に入れ、備前屋を乗っ取ったことが判った。
備前屋に人が集まり賭場が開かれる日、剣一郎は一計を案じた。豊太郎を備前屋に入り込ませ、豊太郎を捕まえに捕り方が入り、賭博を見付ける。惣兵衛は捕まる。東條は備前屋に強請りをかけていた。勝山の家来に殺された。懐古堂は止めようとした。
政次・豊太郎は金貸し・善兵衛を殺したのは自分だと自訴した。剣之助はケリがついている事件だと取り合わなかった。別の形で罪を償えと。
剣一郎は政次に江戸を離れ、五年紙の仕事について学んでくるように言う。まっとうになって帰ってこい、備前屋に戻れるようにすると言う。政次は酒田に旅立った。
勝山は家来を斬り、切腹した。
剣之助は見習いがとれ、本勤並になった。
2016年9月5日月曜日
からくさ図書館来客簿〈第五集〉
からくさ図書館来客簿〈第五集〉 仲町六絵
月下の想い 閻魔庁第七位・八瀬の大将がふくろうに化身してやって来る。
図書館で野鳥を書いても良いかと学生が電話をしてきた。上村松園親子展で道なしの少女に話しかける電話をしてきた学生・古川青一に会う。図書館へ連れて来る。青一の偽書は「花鳥佳人」。道なしは事故で亡くなった画塾の先輩・菅野雪枝だった。青一に取り憑いて美人画を描かせて欲しいという。篁の提言で二人で弁乳母の下絵までを書くことになった。月下の想いという題の下絵が出来た。青一は冥府に行く雪枝に下絵に彩色した絵を渡す。青一の絵は色がおとなしい。月夜が背景だからビビッドにとアドバイスを貰った。青一から雪枝の記憶は無くなっている。
親王のアキナケス 二人で春に剪定鋏を買った「山城正光」に刃物油を買いに行くと道なしがいた。店員・有馬34才には虎が見えていた。虎に触れた時子の掌に「たかおかしんのう」の文字が浮き出る。有馬を図書館に誘う。高岳親王は799年生まれ、67才で天竺に行く途中で亡くなっていた。日本から来ていた遣唐使にペルシアの商人から買い求めた、アキナケスと呼ばれる短剣を託した。密林で道なしになっていたところ、異国まで冥官が迎えに行き、今は閻魔庁第五位の冥官になっている。もし、短剣が見付かれば、高知県清瀧寺に生前建てた石塔にと言う。
有馬が虎を従えて図書館に来る。虎が61才で亡くなった山城正光の刀匠・黒崎になった。有馬の偽書は「刃のめぐり」。黒崎は作刀技術を記した巻き物「百刃取揃」の「波斯国不動短剣 アキナケス」を作ろうとしていた。有馬から記憶が消される。有馬は「史学雑誌」を借りて帰る。黒崎との話が夢の中のように残っていた。
八瀬童子 東京からおじいちゃんの生まれ故郷八瀬に行く少女・緒方瑞希がやってきた。年を取った祖父が13才の時、秋元神社の赦免地踊りで会った秋元神社に祀られている老中秋元喬知に会って来てくれという。手紙を託された。
瑞希は京都の宿が解らず道を訪ねた。篁・時子・茜・晴明・太田・八瀬童子たちは少女と道なしを見ていた。瑞希をゲストハウスに送りながら後ろの武士に話しかける。秋元と聞いて瑞希は「五十年位前、私のおじいちゃんに、自分だけの手柄ではない。自分だけが祀られるのはいかぬ。と言いましたよね。」と言い始める。気になったが、他の人には見えなかったから無視してしまった。老い先が短いからほうっておきたくないと、手紙を預かってきましたという。秋元は近衛様も家宣様もご恩がある。なのに自分だけが神扱いではあの世に行けんという。篁らはだいたいの事は摑めた。
瑞希の偽書「日本の弓術」。燈籠飾りに東照宮の猫と雀の同じ意匠がが乗って讃えていることを見付けた。八瀬の祭りに行く。秋元は徳川家への感謝のしるしかと納得した。
瑞希の記憶は消された。近藤様も家宣公も八瀬で尊敬されていた。お寺で恩人の名前を読み上げて供養している。燈籠の猫と雀が東照宮の写しであること。手紙の封が切られ、秋元但馬守と書いてある。瑞希は東京に帰る。
月下の想いが完成した。青一から発表会の連絡が来た。
千五百年を冥官として過ごした八瀬童子は退官する。その後、古い天人たちの語る思い出を採録しながら天道で過ごすことにした。
時子の背が延び、掌から梵字が現れ、一枚の紙になった。
月下の想い 閻魔庁第七位・八瀬の大将がふくろうに化身してやって来る。
図書館で野鳥を書いても良いかと学生が電話をしてきた。上村松園親子展で道なしの少女に話しかける電話をしてきた学生・古川青一に会う。図書館へ連れて来る。青一の偽書は「花鳥佳人」。道なしは事故で亡くなった画塾の先輩・菅野雪枝だった。青一に取り憑いて美人画を描かせて欲しいという。篁の提言で二人で弁乳母の下絵までを書くことになった。月下の想いという題の下絵が出来た。青一は冥府に行く雪枝に下絵に彩色した絵を渡す。青一の絵は色がおとなしい。月夜が背景だからビビッドにとアドバイスを貰った。青一から雪枝の記憶は無くなっている。
親王のアキナケス 二人で春に剪定鋏を買った「山城正光」に刃物油を買いに行くと道なしがいた。店員・有馬34才には虎が見えていた。虎に触れた時子の掌に「たかおかしんのう」の文字が浮き出る。有馬を図書館に誘う。高岳親王は799年生まれ、67才で天竺に行く途中で亡くなっていた。日本から来ていた遣唐使にペルシアの商人から買い求めた、アキナケスと呼ばれる短剣を託した。密林で道なしになっていたところ、異国まで冥官が迎えに行き、今は閻魔庁第五位の冥官になっている。もし、短剣が見付かれば、高知県清瀧寺に生前建てた石塔にと言う。
有馬が虎を従えて図書館に来る。虎が61才で亡くなった山城正光の刀匠・黒崎になった。有馬の偽書は「刃のめぐり」。黒崎は作刀技術を記した巻き物「百刃取揃」の「波斯国不動短剣 アキナケス」を作ろうとしていた。有馬から記憶が消される。有馬は「史学雑誌」を借りて帰る。黒崎との話が夢の中のように残っていた。
八瀬童子 東京からおじいちゃんの生まれ故郷八瀬に行く少女・緒方瑞希がやってきた。年を取った祖父が13才の時、秋元神社の赦免地踊りで会った秋元神社に祀られている老中秋元喬知に会って来てくれという。手紙を託された。
瑞希は京都の宿が解らず道を訪ねた。篁・時子・茜・晴明・太田・八瀬童子たちは少女と道なしを見ていた。瑞希をゲストハウスに送りながら後ろの武士に話しかける。秋元と聞いて瑞希は「五十年位前、私のおじいちゃんに、自分だけの手柄ではない。自分だけが祀られるのはいかぬ。と言いましたよね。」と言い始める。気になったが、他の人には見えなかったから無視してしまった。老い先が短いからほうっておきたくないと、手紙を預かってきましたという。秋元は近衛様も家宣様もご恩がある。なのに自分だけが神扱いではあの世に行けんという。篁らはだいたいの事は摑めた。
瑞希の偽書「日本の弓術」。燈籠飾りに東照宮の猫と雀の同じ意匠がが乗って讃えていることを見付けた。八瀬の祭りに行く。秋元は徳川家への感謝のしるしかと納得した。
瑞希の記憶は消された。近藤様も家宣公も八瀬で尊敬されていた。お寺で恩人の名前を読み上げて供養している。燈籠の猫と雀が東照宮の写しであること。手紙の封が切られ、秋元但馬守と書いてある。瑞希は東京に帰る。
月下の想いが完成した。青一から発表会の連絡が来た。
千五百年を冥官として過ごした八瀬童子は退官する。その後、古い天人たちの語る思い出を採録しながら天道で過ごすことにした。
時子の背が延び、掌から梵字が現れ、一枚の紙になった。
2016年9月4日日曜日
からくさ図書館来客簿〈第四集〉
からくさ図書館来客簿〈第四集〉 仲町六絵
からくり山鉾 安祥儀を持たないと決めた時子を武者修行に出す。篁は過保護と言われるくらい心配する。茜は額田王だった。数万の兵を鼓舞して死地におくり出した事を悔いている。
鳥類学研究所の蜂須賀から祇園祭の鷹山鉾の復元計画を知る。紹介された文化財修復会社の社員・車折美保が図書館に、吉野太夫を連れて来る。美保の偽書は「欠けた半面」。修復師は、国宝や文化財の仏像を作られた当初の姿に戻さない。仏像がたいせつにされてきた長い時間も保存する。鷹山鉾は文化財ではない。灰屋紹益と吉野が考えた仕掛けが後世まで続くか心配で、現世を離れられなかった。鷹山のからくりの振り付けも仕組みも、知っているから職人さんに教えとうてと言う。鷹匠が腕を上げると、鷹が翼を広げる。犬遣いは両手を上げて、つながれていた犬が後ろ足で立ち上がる。後ろにいる樽負いがつまみ食いしょうと粽を口元に持って行く。お囃子衆の中にからくり手を隠す。冥府の工房で文書を作り、見付かった文書だと復元工房に送る。
猫と睡蓮 菓子職人・本庄雅也が、金魚屋のアルバイト店員・江藤沙央里と菓子・金魚琥珀を持って来る。冥府に持って行く。晴明は花押を書き入れる術式を作っていた。金魚屋の高橋宗介と宗介に付いている冥官と「伴鳥記」を書いている鳥部と晴明が食べるのだろう。
ゆみはら書房の社長が道なしになって図書館に来た。半年前、古書店主・弓原35才で自動車事故に巻き込まれ亡くなっていた。古書を売却する古書店の割り当て等を書いた遺言書を書き、篁に託す。時子が弓原に擦れ、現れた文字が「もねとしもがも」だった。弓原は冥府の小部屋で飼い猫のキジ虎猫が見付かるまで待つ事になった。キジ虎猫・モネは草木有情庁に探してもらう。
湖北に眠る 山吹・太田が道なしに憑かれた青年がいることを知らせに来る。篁と時子は下鴨神社の矢取神事に出る青年を見に行く。旅行社の青年・吉政25才には観音様の腕を抱いた少年が憑いていた。湖北の観音さん版図を企画している。時子は修行に山吹の所に行く。吉政を連れて湖北の観音めぐりをする。排仏毀釈の折り寺荒らしから集落を護るため観音様の腕を切った神社の息子・久志が現れる。久志は警戒して吉政に憑いていた。
排仏毀釈で切り落とされてしまったが守り継がれた右腕とする。和紙で装丁した朱印帳を作る。一年中いつでも拝観出来る。何年ぶり何十年振りでも歓迎する。久志は冥府へ行き、吉政の意識は途切れた。
何度でも、何十年ぶりでも、お帰りなさい。のキャッチコピー。記念品に散華を用意した。
古本市でキジ虎猫を連れた弓原が目撃された。篁と時子は弓原を見送る。
時子は蔵書が増えて閉架にする本の閉架目録に、一冊ごとに感想文か紹介文を付けることにした。
からくり山鉾 安祥儀を持たないと決めた時子を武者修行に出す。篁は過保護と言われるくらい心配する。茜は額田王だった。数万の兵を鼓舞して死地におくり出した事を悔いている。
鳥類学研究所の蜂須賀から祇園祭の鷹山鉾の復元計画を知る。紹介された文化財修復会社の社員・車折美保が図書館に、吉野太夫を連れて来る。美保の偽書は「欠けた半面」。修復師は、国宝や文化財の仏像を作られた当初の姿に戻さない。仏像がたいせつにされてきた長い時間も保存する。鷹山鉾は文化財ではない。灰屋紹益と吉野が考えた仕掛けが後世まで続くか心配で、現世を離れられなかった。鷹山のからくりの振り付けも仕組みも、知っているから職人さんに教えとうてと言う。鷹匠が腕を上げると、鷹が翼を広げる。犬遣いは両手を上げて、つながれていた犬が後ろ足で立ち上がる。後ろにいる樽負いがつまみ食いしょうと粽を口元に持って行く。お囃子衆の中にからくり手を隠す。冥府の工房で文書を作り、見付かった文書だと復元工房に送る。
猫と睡蓮 菓子職人・本庄雅也が、金魚屋のアルバイト店員・江藤沙央里と菓子・金魚琥珀を持って来る。冥府に持って行く。晴明は花押を書き入れる術式を作っていた。金魚屋の高橋宗介と宗介に付いている冥官と「伴鳥記」を書いている鳥部と晴明が食べるのだろう。
ゆみはら書房の社長が道なしになって図書館に来た。半年前、古書店主・弓原35才で自動車事故に巻き込まれ亡くなっていた。古書を売却する古書店の割り当て等を書いた遺言書を書き、篁に託す。時子が弓原に擦れ、現れた文字が「もねとしもがも」だった。弓原は冥府の小部屋で飼い猫のキジ虎猫が見付かるまで待つ事になった。キジ虎猫・モネは草木有情庁に探してもらう。
湖北に眠る 山吹・太田が道なしに憑かれた青年がいることを知らせに来る。篁と時子は下鴨神社の矢取神事に出る青年を見に行く。旅行社の青年・吉政25才には観音様の腕を抱いた少年が憑いていた。湖北の観音さん版図を企画している。時子は修行に山吹の所に行く。吉政を連れて湖北の観音めぐりをする。排仏毀釈の折り寺荒らしから集落を護るため観音様の腕を切った神社の息子・久志が現れる。久志は警戒して吉政に憑いていた。
排仏毀釈で切り落とされてしまったが守り継がれた右腕とする。和紙で装丁した朱印帳を作る。一年中いつでも拝観出来る。何年ぶり何十年振りでも歓迎する。久志は冥府へ行き、吉政の意識は途切れた。
何度でも、何十年ぶりでも、お帰りなさい。のキャッチコピー。記念品に散華を用意した。
古本市でキジ虎猫を連れた弓原が目撃された。篁と時子は弓原を見送る。
時子は蔵書が増えて閉架にする本の閉架目録に、一冊ごとに感想文か紹介文を付けることにした。
2016年9月3日土曜日
からくさ図書館来客簿〈第三集〉
からくさ図書館来客簿〈第三集〉 仲町六絵
馬琴の謎かけ 白石良純の母校・鞍馬口高校で講演し図書館に来た大塚信介は、道なしの曲亭馬琴を連れてきた。信介の偽書は「歴史がたり武者がたり」。信介は、八犬伝はリズムをつけて読むといいようにルビがふってあるように思い、放送部の人に読んでもらう。馬琴は南総里見八犬伝を朗読してほしかった。信介は時代小説で佐藤四郎兵衛忠信を書きたいと思っていた。
時子は、魂を否応なく天道へ送る安祥儀を持つ許しが出た。どんな道具にするか考える前に持つか持たないかで迷っている。
金魚と琥珀 篁は菓子職人の青年と出会う。二度目の出会いの時、青年・本庄雅也に道なりが付いていた。雅也は菓子・金魚琥珀を作ろうと思い金魚を見に大和郡山に帰り、金魚屋さんの前の社長が憑いた。菓子や陶芸の本を探しに図書館へ来た。亡くなっている金魚屋の社長・高橋宗介が、卒中で倒れた時、最後に聞いた言葉が、死と財産を望む妹の言葉と弟の怒声だったため、家族の事を忘れていた。篁は怒鳴られたのは宗介ではないことを説明し道なしを天道に連れて行った。雅也は金魚琥珀のヒントを貰う。
記憶を無くした道なしがいる事を教えてくれた、山吹茂は太田道灌だった。
わたの原 隠岐の図書館司書・御堂有紀が、からくさ図書館を見学にきた。道なしの匂いがする。有紀の偽書は「隠岐の国逍遥」篁は隠岐に行く。篁が「隠岐自然抄」を書くのを手伝ってくれた阿児奈だった。図書館の本を船で運ぶ有紀に「本を捨てろ」と言う阿児奈。本を読むと隠岐を出て行ってしまう。人が少なくなる。有紀も本を読み、連れ帰った恋人が隠岐を出ると一緒に出て行くに違いないという。恋人が隠岐で頑張ろうとしているところを見せ、天道に送る。
時子は篁が書いた本物の隠岐の国逍遥を読んでいる、阿児奈を羨ましいと言う。
時子は安祥儀を持たない事を決めた。
馬琴の謎かけ 白石良純の母校・鞍馬口高校で講演し図書館に来た大塚信介は、道なしの曲亭馬琴を連れてきた。信介の偽書は「歴史がたり武者がたり」。信介は、八犬伝はリズムをつけて読むといいようにルビがふってあるように思い、放送部の人に読んでもらう。馬琴は南総里見八犬伝を朗読してほしかった。信介は時代小説で佐藤四郎兵衛忠信を書きたいと思っていた。
時子は、魂を否応なく天道へ送る安祥儀を持つ許しが出た。どんな道具にするか考える前に持つか持たないかで迷っている。
金魚と琥珀 篁は菓子職人の青年と出会う。二度目の出会いの時、青年・本庄雅也に道なりが付いていた。雅也は菓子・金魚琥珀を作ろうと思い金魚を見に大和郡山に帰り、金魚屋さんの前の社長が憑いた。菓子や陶芸の本を探しに図書館へ来た。亡くなっている金魚屋の社長・高橋宗介が、卒中で倒れた時、最後に聞いた言葉が、死と財産を望む妹の言葉と弟の怒声だったため、家族の事を忘れていた。篁は怒鳴られたのは宗介ではないことを説明し道なしを天道に連れて行った。雅也は金魚琥珀のヒントを貰う。
記憶を無くした道なしがいる事を教えてくれた、山吹茂は太田道灌だった。
わたの原 隠岐の図書館司書・御堂有紀が、からくさ図書館を見学にきた。道なしの匂いがする。有紀の偽書は「隠岐の国逍遥」篁は隠岐に行く。篁が「隠岐自然抄」を書くのを手伝ってくれた阿児奈だった。図書館の本を船で運ぶ有紀に「本を捨てろ」と言う阿児奈。本を読むと隠岐を出て行ってしまう。人が少なくなる。有紀も本を読み、連れ帰った恋人が隠岐を出ると一緒に出て行くに違いないという。恋人が隠岐で頑張ろうとしているところを見せ、天道に送る。
時子は篁が書いた本物の隠岐の国逍遥を読んでいる、阿児奈を羨ましいと言う。
時子は安祥儀を持たない事を決めた。
2016年9月2日金曜日
エンプティー・チェア
エンプティー・チェア ジェフリー・ディーヴァー
リンカーンは手術を受けるためにノースカロライナ州パケノーク郡に来た。16才の少年・ギャレットが看護婦・リディアを誘拐している事件の捜査協力を要請された。
ギャレットはメアリーをどこかに監禁していた。今はリディアを連れて逃げている。
アメリヤとルーシーはギャレットを追い、順次リンカーンに情報を送りアドバイスを貰い、ギャレットを捕まえた。リディアは保護したがメアリーは見付からない。
ギャレットは人殺しもしているように追求されるが、否認する。アメリヤはギャレットを牢から逃がし、一緒に逃亡する。アメリアが逃がさなければギャレットは殺される所だったが、それは誰にも判らない。起こらなかった。
途中殺されそうにもなるが、アメリア側は警察だと思い、警察側は自分たちがアメリアたちに狙われたと思った。リンカーンはアメリアを追跡する方だ。暴発でアメリアは保安官・ジェシー・コーンを殺してしまう。
リンカーンは手術を受けるためにノースカロライナ州パケノーク郡に来た。16才の少年・ギャレットが看護婦・リディアを誘拐している事件の捜査協力を要請された。
ギャレットはメアリーをどこかに監禁していた。今はリディアを連れて逃げている。
アメリヤとルーシーはギャレットを追い、順次リンカーンに情報を送りアドバイスを貰い、ギャレットを捕まえた。リディアは保護したがメアリーは見付からない。
ギャレットは人殺しもしているように追求されるが、否認する。アメリヤはギャレットを牢から逃がし、一緒に逃亡する。アメリアが逃がさなければギャレットは殺される所だったが、それは誰にも判らない。起こらなかった。
途中殺されそうにもなるが、アメリア側は警察だと思い、警察側は自分たちがアメリアたちに狙われたと思った。リンカーンはアメリアを追跡する方だ。暴発でアメリアは保安官・ジェシー・コーンを殺してしまう。
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