2018年9月8日土曜日

神の時空⑥ 伏見稲荷の豪雷 

神の時空⑥ 伏見稲荷の豪雷 高田崇史
 広島から京都まで帰った辻曲彩音と福来陽一は、東京から来ていた巳雨とグリ、貴船、三輪と行動を共にした傀儡師・佐助と落ち合い、佐助の家に泊めてもらった。伏見稲荷で何かが起っている。
 三輪の鎮女池で死んだと思われた磯笛だったが、十種の宝の「死人も返生」らせると言われる「道反玉」を持っている。茶枳尼天に左目を渡すことでこの世に帰ってきた。
 伏見稲荷に、四人が殺されぶら下がっているのが見付かった。稲荷の赤い鳥居が壊れて行く。
 彩音は伏見稲荷のことを知らない。例によって陽一が、加地のところに伏見稲荷の事を聞きに行く。元々一帯は藤森神社の土地だった。藤森神社の祭神は蘇我氏、紀氏、賀茂氏の神々。怨霊が封じられた神社だった。稲荷は農耕の神様ではなく、鋳成りであり産鉄の神様だったことを教えられる。後に現在の伏見稲荷大社の主祭神・宇迦之御魂大神がやってきた。
 鳥居が壊され、お社が壊れて行く。狐憑きの家系・樒祈美子は心配して稲荷大社に行く。祈美子は人の心が読めた。
 四人の殺害事件のため地震と雨の中、瀬口警部補と加藤裕香巡査が来ていた。
 四人を殺し、稲荷大社を壊しているのは、高村皇の命を受けた磯笛たちだった。磯笛の手下の妖狐に加え、茶枳尼天と契約しているため稲荷の狐も手助けする。何も知らないで神社に詣り、華美な社を建てることだけに執着する人々が許せないようだ。彩音は、稲荷神・宇迦之御魂神を解き放つつもりで二ノ峰・中社にいる磯笛にあなたも何も知らないと言う。巳雨が、本来の神様に、何も知らなくて御免なさいを言い、鎮まって貰った。祈った長者社のお爺さん狐が巳雨に十種の神宝の一つ、八握剣のブローチを貸してくれる。
 元々、大勢の神様が祀られ神仏集合だった。明治になり仏教関係は希釈され神号も稲荷大明神に統一された。
 広島の観音崎栞が、彩音の忘れ物だと思ってブローチを届けてくれることになった。たぶん栞の祖母・夕の物だと思う・十種の神宝の一つ、辺津鏡。彩音は借りておくことにした。

2018年9月7日金曜日

神の時空④ 三輪の山祇

神の時空④ 三輪の山祇 高田崇史
 貴船の神様を鎮めて東京に帰ろうとした辻曲彩音は、奈良の不穏な空気を感じ、巳雨と奈良の大神神社へ向かう。
 福来陽一は貴船の新鮮な水を持って東京に帰る。三輪山の事を知らない彩音のために、陽一と辻曲了は火地晋のいる喫茶店に行き、三輪山と大神神社に付いて、アマテル・大物主神・饒速日命が同じ神であること、三輪山の磐に閉じこめ、三ツ鳥居が封印していることを教えてもらう。饒速日命に鎮まって貰うには山頂の高宮神社で直接訴えることだと教えられる。彩音に伝えるよう急ぐ。
 三輪山の石、等なんでも持ち帰り禁止になっている。つい最近まで禁足地だった三輪山。禁足地とは入ってはいけない地ではなく、外出禁止の場所だった。高校生が二人、三輪山の頂上まで登り、石を三つ持って帰った。石を持って帰った一人が殺され、石を貰った一人も殺された。
 横須賀に住む、陽一の元彼女・波川紗也が操られるように奈良に来ていた。高村篁の中間・磯笛等は紗也を生贄にしようとしていた。石を持ち帰った高校生・田村暁は石を元の場所に置いて来ようとしていた。
 高校生殺人事件の捜査のために来ている警察官の中に、停職になっている警部補・忘澤がいた。高校生が殺される所を見たと言う。
 忘澤と彩音と暁は山頂に石を置きに行く。霧に囲まれ何も見えない山を登る。
 麓にいる紗也と巳雨の前に磯笛が現れ、紗也を殺そうとする。人目には見えない陽一が現れ、磯笛を落ちると助からないと言われる鎮女池に投げ込んだ。紗也は見えないが陽一が助けてくれたと思った。
 山頂の高宮神社でしめ縄を直し、饒速日命に誤り、本当のことを伝えて行くと言う。石があったと思われる配置を考え石を奥く、嵐が止み、霧がはれる。
 紗也を殺そうとヌリカベが近付く。陽一も遠い。忘澤が捕まえ紐で縛る。ぼーと見える。停職になった理由だった、他の人には見えない者が見える。誰かがいたとかいなかったとか。上司に話しが通じない。
 蛇遣いのおじさんのポケットからグリが貰って来た。十種の神宝の一つ「蛇比礼」だった。
 辻曲兄妹は、十種の宝を集め、死んだ摩季を生き返らせようとしていた。

2018年9月6日木曜日

聡四郎巡検譚 二 検断

聡四郎巡検譚 二 検断 上田秀人
 目付 野辺三十郎は、目付けの仕事範囲に入る道中奉行副役という新しい役職が気に入らない。駿府町奉行・遠藤讃岐守へ、同じ考えになると思い、水城聡四郎を亡き者にするよう頼む書状を徒目付・小高佐武郎に託す。遠藤は水城を殺すことは上様の怒りを買う。野辺の捨て駒にされると言い、小高に江戸へ帰り側用人加納近江守に伝えるように言う。
小高は加納に伝え、家族を護ってもらう。
 野辺は何か手柄を挙げようと思っている所に、挙動不審者を見付ける。吉宗が将軍になったことに納得いかない尾張の者は吉宗の暗殺を企てる。見張りが緩い城中に入り込む。
野辺は見付けていた。
 聡四郎と大宮玄馬は伊賀を通る。伊賀忍たちとの今までのことを考え用心する。伊賀忍の頭領・百地丹波介が現れ、伊賀は水城様を狙いませんと言う。江戸で水城家を護る伊賀の抜け忍・袖の妹・
菜が現れ気を付けるように言う。伊賀忍の隠居三人が襲ってくる。伊賀の郷が潰れる。伊賀の郷を潰さぬ為に最後の三人が来たと言う。一人が死に後二人に聡四郎は話しをしたいから京で話そうということになった。

2018年9月5日水曜日

わが家は祇園の拝み屋さん7

わが家は祇園の拝み屋さん7 望月麻衣
   つながる想いと蛍火の誓い
 満月の朝、五人とコウメでカメラ通話アプリを使い、祈祷リレーをする。上賀茂神社・銀閣寺・八坂神社・松尾大社・金閣寺。一回目の結界の補強は成功した。
 小春は三善朔也のファンの子に嫌がらせを受ける。嫌がらせをしていた先輩は、小春の煮え切らない態度に腹を立てていた。小春は自分の迷いに気がつく。心に決めた人がいることに覚悟を決めた。
 二度目の新月での結界補強の前夜、澪人に対する嫉妬から審神社頭・谷口の黒い呪いが和人を経由して澪人に魔が乗り移った。一人で払おうとする澪人を小春は抱き締め「身固め」をする。結界補強の時間を逃した。
 二人のことを聞いた宗次朗は杏奈と二人で五ケ所を回り、杏奈、想い人と京都で開運デート!とネットで話題になり、お参りする人が多くなった。
 宗次朗が「主上の印」を持っているため主上の印がいる三角形の結界も補強された。
 
 小春の前世は、斎王の玉椿。澪人は玉椿が斎王の時は、世話役。龍王からの言伝が外れ斎王を辞めさせられてから玉椿を妻とした。笑顔を見たい為、喜ばす事だけを考えたが、玉椿から笑顔が消え二年で死んだ左近衛大将。左近衛大将は玉椿が龍王が好きだったことを知り、自分との結婚が嫌だったことを知る。結婚し、玉椿に力が無くなったことも玉椿にはショックだったことを知る。無理やり結婚したことを悔いた。
 玉椿は左近衛大将が亡くなって、自分は左近衛大将が好きだったことに気がつく。冷たく接していたことを申し訳なく思う。仏門に帰依しようとしたが、子供をいることが分かり、子供を育てることを寄り処に生活するようになる。子供の生まれ変わりが和人だった。和人は左近衛大将とそっくりだった。
 左近衛大将は玉椿が愛した龍王の顔に憧れ、澪人は龍王の雰囲気に似ている。澪人は小春の告白に顔が変われば・・・の言葉を発する。昔、自分は玉椿を不幸にした。
 小春は、澪人を好きになっても、昔、優しく接してくれる人をはあんなに邪険にあしらった。断られても当たり前という思いがあった。左近衛大将が亡くなってからの玉椿の話しをする。そして誤る。
 二人は告白し合い付き合うことにする。

エピローグ
 若宮は、コウメが背負う管を開ける。中から晴明が現れる。自分が張った結界が持たなくなる千年先を見据えて仕掛けた。
 コウメはご褒美に尻尾が三本になった。

2018年9月4日火曜日

わが家は祇園の拝み屋さん5

わが家は祇園の拝み屋さん5 望月麻衣
   桜月夜と梅花の夢
 桜井小春は、力を無くした。賀茂澪人への告白を拒否され失恋し、特殊な力が無くなったと思っていた。拝み屋を嫌う三善朔也が小春の力を封じていた。管狐だったコウメを滅しようとしたのも朔也だった。小春の封印を解いた。小春は朔也に誤る女性が側にいることを伝え、母親の自殺に対する誤解を解く。生活のどん底に突き落とさている自分たち姉弟を残し自殺したと思われていた母親だったが、子供を助けようとしてトラックに撥ねられたことを知った。朔也の母親に対する憎しみが変化し、母親は消えた。生活をどん底にしたのが拝み屋だった。自分たちの力が知られないように隠して生活していたため、澪人にも分からなかった。朔也は生い立ちを話し、拝み屋にもいろんな人がいることに気がついた。
 女優を目指している澪人の姉・モデルの賀茂杏奈が映画主人公役の抜擢を受ける。監督推薦だった。喜んだのもつかの間、杏奈の監督愛人の風評が流れる。枕営業をしたと言われる。杏奈は東京から逃げさくら庵にいる。小春の父の弟・宗次朗に対処を他人に任せ自分は雲隠れでいいのか。と言われ東京に帰り、記者会見を開く、何も無いという証拠はあるのかと言う質問に、素の杏奈は「私は男性経験の無い小娘です。病院にでも行く。不倫にも枕営業にも興味がない」と言い放つ。監督の奥様も証明される。心配して東京に行っていた宗次朗は帰ってくる。
 澪人が小春に恋愛感情はないと言い放つのを聞いて、澪人の兄・和人は小春に近付く。兄と仲良くしている小春に、澪人は誰と付き合おうと何も言う資格はないが、兄だけはやめてくれと言う。
 澪人は前世の自分と小春の関係を知っている。小春もどんどん知ってきていた。

2018年9月3日月曜日

「ハムごころ」がわかる本 

「ハムごころ」がわかる本 福島正則
ハムスター 長く、楽しく飼うための本
ハムスター  飼育の前に絶対知らなければならない情報をピックアップ
はじめてのハムスター 飼い方・育て方
ハムスターの本を4冊読んだ。
要が8月17日から一ヶ月ブルネイに行った。その間、ハムスターを預かったため。
幸せなハムスターの育て方  今泉忠明

2018年9月2日日曜日

剣客相談人16 風の剣士

剣客相談人16 風の剣士 森詠
 殿こと大館文史郎は那須川藩の国許の那須山麓の庄屋宅に行った。庄屋の娘・如月からの手紙を貰い、如月と娘・弥生に会いに行く。
 弥生の弟・駒之介を通し、家老の不正を暴き、隠居させ、家老の息子・道介の将来を考え江戸で武芸・学問を学ぶ事とした。駒之介は郷士の父親を見習い庄屋の道を進むことにした。
 文史郎は道介と共に子供にしか見えないと言われる風の剣士を見、「江戸に帰るが良い。おぬしがやるべきことは江戸にある。それを忘れるな。」という助言を貰った。
 おとうさまと呼ぶようになった弥生が泣いたが、文史郎は堪え旅立った。