神の時空⑥ 伏見稲荷の豪雷 高田崇史
広島から京都まで帰った辻曲彩音と福来陽一は、東京から来ていた巳雨とグリ、貴船、三輪と行動を共にした傀儡師・佐助と落ち合い、佐助の家に泊めてもらった。伏見稲荷で何かが起っている。
三輪の鎮女池で死んだと思われた磯笛だったが、十種の宝の「死人も返生」らせると言われる「道反玉」を持っている。茶枳尼天に左目を渡すことでこの世に帰ってきた。
伏見稲荷に、四人が殺されぶら下がっているのが見付かった。稲荷の赤い鳥居が壊れて行く。
彩音は伏見稲荷のことを知らない。例によって陽一が、加地のところに伏見稲荷の事を聞きに行く。元々一帯は藤森神社の土地だった。藤森神社の祭神は蘇我氏、紀氏、賀茂氏の神々。怨霊が封じられた神社だった。稲荷は農耕の神様ではなく、鋳成りであり産鉄の神様だったことを教えられる。後に現在の伏見稲荷大社の主祭神・宇迦之御魂大神がやってきた。
鳥居が壊され、お社が壊れて行く。狐憑きの家系・樒祈美子は心配して稲荷大社に行く。祈美子は人の心が読めた。
四人の殺害事件のため地震と雨の中、瀬口警部補と加藤裕香巡査が来ていた。
四人を殺し、稲荷大社を壊しているのは、高村皇の命を受けた磯笛たちだった。磯笛の手下の妖狐に加え、茶枳尼天と契約しているため稲荷の狐も手助けする。何も知らないで神社に詣り、華美な社を建てることだけに執着する人々が許せないようだ。彩音は、稲荷神・宇迦之御魂神を解き放つつもりで二ノ峰・中社にいる磯笛にあなたも何も知らないと言う。巳雨が、本来の神様に、何も知らなくて御免なさいを言い、鎮まって貰った。祈った長者社のお爺さん狐が巳雨に十種の神宝の一つ、八握剣のブローチを貸してくれる。
元々、大勢の神様が祀られ神仏集合だった。明治になり仏教関係は希釈され神号も稲荷大明神に統一された。
広島の観音崎栞が、彩音の忘れ物だと思ってブローチを届けてくれることになった。たぶん栞の祖母・夕の物だと思う・十種の神宝の一つ、辺津鏡。彩音は借りておくことにした。
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