隠密同心〈三〉 裏切りの剣 小杉健治
長屋で飾り職人になり隠密御用を勤めている隠密同心・佐原市松は、芸州浅見家の家臣で市松と同じ風神一族をさぐっている長屋の住人・成瀬三之助と協力していた。
浅見家は財政危機を抜荷で建て直していた。老中・本柳越後守が探索をしてきたので、内輪で揉めていた桃井派と赤城派は手を組んで老中に向かっていった。
探索をする市松は風神の狙いが本柳だと判り、現場で老中を助け吹き矢で狙った芸人を捕まえる。
御用が終わったと思った市松の前に成瀬が現れる。本柳は抜荷をしている浅見家を脅し抜荷の儲けから金品を要求していた。成瀬は市松を斬らなければ藩に帰れない。市松は成瀬を斬る。が、何のために御用をやっているのか解らなくなる。
亡くなったはずの上司を見たような気がする。
長屋の住人を探っていて、十年前に太物問屋の若旦那を殺し、婿に収まっていた夜泣きの銀藏をつかまえた。
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