2019年2月1日金曜日

新・秋山久蔵御用控〈三〉 裏切り

新・秋山久蔵御用控〈三〉 裏切り 藤井邦夫
 紅葉散る 徒目付・吉崎市之助が殺された。知り得た情報をねたに強請を働いていると噂の徒目付だった。吉崎の同僚が表右筆・黒崎家を調べていた。吉崎の妻の弟・真山京一郎と黒崎家の息子・新之助は連れ立っていた。吉崎に悪行を暴れた新之助は吉崎を殺したかった。吉崎の妻は夫の強請を知っていた。露見する前に夫を殺し、弟を吉崎家の養子にしようと企んだ。新之助と京一郎が吉崎を殺した。黒崎忠太夫と新之助は切腹、黒崎家は潰された。京一郎は死罪、吉崎の隠居は切腹し、家は潰された。
 裏切り 久蔵と中間・太一はさよという仲居を探している良吉と出会う。興味を持って太一は良吉を見張る。さよは盗賊の引き込みだった。盗みに出発した後、さよは川に身を投げたが久蔵と太一が助けた。盗賊は盗みに入った所で捕まった。盗賊・夜霧の政五郎一味は死罪になった。さよも含まれる。
 臆病風 久蔵の息子・大介と昌平坂学問所の友人・原田小五郎は食い逃げの浪人を取り押さえるほどの正義感の持ち主だ。
 刀剣商が殺された。たどって行くと目利きの一色光悦が殺された。旗本本田一学に疑いが掛かる。
 小五郎は父親が上役の言うが侭に悪事を行っていると大介に相談する。二人は父親を見張った。本田を見張っている和馬たちが見付け、久蔵が大介から聞いた。久蔵は原田に会い、原田が本田の悪事を調べていることが判る。原田は本田の家来に命を狙われ、捕まる。家来が二人を殺していた。原田の調べ書きが出され本田は切腹になった。原田は御咎めなしとなったが、悪事の証拠を掴むため本田の悪事を見逃したことに対する自戒のため自ら小普請入りした。
 面汚し 商家の若旦那・宇之吉と遊び人が舞と呼ばれる若い女を追い掛け回していることを知った和馬は、若旦那の親・小間物問屋「弁天屋」の宇兵衛に会いに行った。袖の下十両を出した宇兵衛を張り飛ばし、洗い始めた。宇之吉はいろいろと揉め事を起こし悪行をもみ消していた。宇之吉は遊び人を使い舞を勾引かそうとする。金を貰ってもみ消していた同心・寺田清之助は和馬が調べ出したことを知り、宇兵衛を殺そうとする。和馬と久蔵に捕まる。弁天屋は闕所、宇兵衛は追放、寺田は御役御免となり切腹を命じられた。

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