恋いちもんめ 宇江佐真理
水茶屋「明石家」の娘・初17才に裁縫の師匠・久が、青物屋の「八百清」の栄蔵との縁談をもってきた。二人は気があった。初は頼りない兄が心配で嫁に行くことに気乗りがしない。
栄蔵にはふじが一緒に来る。ふじは栄蔵を好きなようだ。ふじは一人娘で婿をとらないといけないので栄蔵と一緒になれないようだ。川開きの後、栄蔵との話が決まる。
八百清から火が出て、母親が亡くなる。栄蔵がいなくなった。
十月、ふじの結婚が決まった。栄蔵の従兄弟・友次郎だった。八百清の土地は更地になって伯父の管理になった。仮祝言の日、友次郎はそれまで付き合っていた女に殺された。
栄蔵が見つかった。品川で女郎屋の妓夫をしていた。栄蔵と合ったがうまく話が出来ない。俺のことは忘れてくれだった。
初の母親が好きな人と一緒におなりと言う言葉を残して死んだ。初の父親・源蔵の友人・佐平次は、栄蔵の借金を返し栄蔵を自由にした。
正月、誘われてふじの家に行くと栄蔵がいた。栄蔵は働いていた。花見の季節、初は栄蔵がふじと一緒になるのが周りの人々に好都合なのだと思うようになった。栄蔵に伝えると、自分のことは自分で考える。人の都合になど振り回されない。見くびるなと言われた。
四月三日、初の兄の祝言の日、栄蔵は来た。栄蔵は初の夢を叶えると言って帰った。藤城屋を出た。ふじが栄蔵を探しに来た。
一ヶ月後、両国の床見世に栄蔵が八百清の見世を開いた。
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