しゃばけシリーズ こいごころ 畠中恵
おくりもの 料理屋の三野屋が、はしかの子供が遊びに行き伊和屋の子供、主人の妹・沙江にもはしかを移してしまった。伊和屋にお詫びの品を贈りたいが何をすればいいか判らない。相談された長崎屋の若旦那・一太郎は、伊和屋を調べに行く。内向きのことを知ってしまった一太郎は、沙江の縁談をまとめ、主人の縁談をまとめるのがいいことに気付く。
こいごころ 熱を出し寝込んでいる一太郎の夢の中へ、狐仙と呼ばれる妖狐・老々丸が現れ、立派な妖狐になると思われていた笹丸の妖の力が尽きかけている笹丸を、おぎん様に頼んで茶枳尼天様の庭に入れてもらえないかと言ってきた。広徳寺の寛朝の所へ連れて行く。金印を飲み込んだ狸を盗んだ者を見つけ出し狸を探す。祝いの席で笹丸を消えた。妖の力が失せた時、命が無くなる。老々丸は命の無くなる笹丸のために、以前に声を掛けられ親切にしてもらった一太郎に恋心を持った笹丸のために、最期に一太郎に合わせるために江戸に来たのだった。
せいぞろい 長崎屋の主人が、一太郎のために誕生祝いをした。店の奉公人の夕餉に祝い物をつけお酒が一本付いた。離れの妖もする。食べ物を調達に行く妖がそれぞれの所で集まる妖を増やしてくる。河童、猫又、王子の狐、天狗。人数が多くなり過ぎて広徳寺ですることになった。賊が押し入り奪った金を奪われ、探し回っていると日限の親分が知らせに来た。日限の親分も参加する。三百両しか入ってなかった千両箱に、賊たちは大事な物を入れたのだろう。盗まれた千両箱を取り返しにきた賊を、佐助と二吉でが捕まえ、千両箱を盗んだのは賊の船頭だろうと教え日限の親分を奉行所へ追いやった。
遠方より来たる 一太郎の掛かり付けの医者・源信が、引退する。誰が長崎屋出入りの医者になるか住民は見ていた。源信の弟子は、甥の黄源と信青がいたが、黄源は源信が品川に連れて行くことになり、信青は大阪の医師に預けられることになった。新しい医者は火幻と名乗る鳥辺野から来た妖の化前坊だった。僧装だった火幻に医者の着物と源信が住んでいた家を渡した。
妖百物語 火幻が長崎屋出入りの医者に決まった。廻りの商家の主から顔合わせに、百物語の会に誘われた。火幻と一太郎と金次と屏風のぞきも誘われた。九十九で終わらせる話しを百までして妖を呼ぶという。四人は困った。出てきた妖が、親しげに四人に話しかけてきても困るし、自分たちの手に負えない妖が出てきても困る。途中で一太郎の具合が悪くなり四人で帰るという計画で会場へ行く。会場へ行くと商家の主たちを目の敵にする商家の次男三男が、山伏を集めていた。不穏の気配に一太郎が途中退場しようとすると、帰りの扉は反対側から閂が掛かっていた。扉の向こう側では若者たちの悲鳴が聞こえる。山伏は逃げ、怪異が若者たちを引きずっている。一太郎は寛朝のお札を持たせて小鬼たちを投げる。怪異にぶつかった小鬼は怪異にお札を張る。怪異は消えた。その後、百物語は禁止になった。一太郎は熱を出して寝込んだ。若者たちは怖がって出てこなくなった。
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