神田職人えにし譚⑤ 瑞香 知野みさき
瑞香 神無月 咲は自分の作った物を買ってくれる伊麻と知り合う。新しく瑞香堂が、咲の作った匂い袋を高く買ってくれることになった。
出会った戯作者の九之助は、狐にまつわる者、物を追いかける。咲と修次は、稲荷神社の神弧の化身だと思っている双子のしろとましろに九之助を近づけてはならないと思っている。
九之助は、瑞香堂で伊麻が高崎の狐憑きの小間物屋の娘だと暴く。咲と修次、伊麻と九之助と瑞香堂の店主・聡一郎は話す。
伊麻は、狐憑きの家と言われ、高崎を逃げ江戸に出てきた。聡一郎も狐憑きと言われ京を逃げ、大阪を出、江戸に逃げてきたことをあかす。
九之助は、狐が好きで、狐は瑞獣だと思っているという。
伊麻と聡一郎は仲良くなる。咲は、九之助のために九尾の狐の紙入れを作った。
猫叉の山 長屋の勘吉は猫を欲しがった。みつを紹介されたが、みつは、育という老婆の下に行った。育には銀がいたが、死を迎えているようだ。黙って行くのと言う咲の問いかけに、育は、銀が猫又の山へ行く夢を見た。勘吉はたくさんの猫と押し蔵饅頭をした。勘吉はみつを諦め、育が飼うことを認めた。
職人の銘 咲に人形の着物の縫箔の注文が来た。月白堂の店主は楠本英治郎と言う人形師だった。隠しているが、店主は女性だった。咲は人形を見せて貰ううちに判った。妊娠していた。番頭の文七は、役者の家に生まれたが女形がいやで江戸に逃げてきていた。咲は子どもができてもこの形をとるのかと聞く。
月白堂の店主は向島に住むことになった。店主の妹と文七が、子どもができたから一緒になった。
桝田屋の女主・美弥のお腹に赤ちゃんが出来た。死産や流産を経験している美弥は、あまり喜ばず冷静だ。
咲に自分の作品に銘を入れようと言ってくれた。
咲は修次と交換する青海波模様の財布に、初めての銘を入れた。修次の簪も流水文様だった。
咲は兄妹に、修次との関係を聞かれるが、職人仲間だと言っている。
修次はいっしょにならないかと言った。
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