2023年5月5日金曜日

めおと相談屋奮闘記⑧ とんとん拍子

 めおと相談屋奮闘記⑧ とんとん拍子 野口卓

 見える女 よろず相談所時代に、三日三晩高熱に来るしめられ、奇跡的に命をとりとめたサチさんが来た。サチは死が近い人がだんだん薄くなっていくのが見えるようになったと相談に来た。自分の旦那様になる人が薄くなるのはいやなので結婚ができないと言う。信吾は、動物と話ができるようになったことを話す。
 薄く見えてきた人に、医者にいくことを進めるようにすればどうかと助言した。
 さちが来た。縁談がまとまりかけた時父が亡くなった。釣り場での事故だった。その後縁談がまとまり結婚した。相手に死を前にした人が薄く見えることを話していないので二人で来れなかった。
 薄く見えた人に、医者に行くことを進め元気になっていく人がありうれしかったと語った。

 惚れちゃったんだもん スミに子が出来、髪結いの亭主だった源八が、仕事を始めようとするが、雇うところがない。三十才だった。いつも源八に嫌みを言っている平吉が源八の兄に頭を下げ、取りなしてくれた。兄から、明日からスミが働ける間に住み込みの小僧から手代見習い手代になる。三年で番頭になれるように励めと言われている。

 あたし、うれしい 結婚一年。
 将棋の家元大橋家の御曹司がお忍びでやってきた。はつとの途中だった将棋を指すためだった。誰も「龍之進」が大橋家の御曹司だと思っていない。母屋の方で指す。前に二度勝った信吾だったが、今回は負けた。迷いがあった御曹司の迷いが無くなっていた。
 はつは、御曹司だと教えられ龍之進は町人とは指さない。この駒形では四人が指した。しかも女の子、でも内緒だよ。将棋家元と対局したたった一人の女の人になるんだよ。
 私だけの大切な秘密を人に話してなるものかとハツは言った。

 とんとん拍子 料理と茶漬けの「桐屋」の息子・嘉平が結婚の相談にくる。嘉平に似た体型の絵師の卵が刺される事件が起こる。夫婦で仲人をする。

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