2023年5月2日火曜日

新・秋山久蔵御用控⑮ 介錯人

新・秋山久蔵御用控⑮ 介錯人 藤井邦夫 

 強請者 八百石の旗本の息子・梶原新三郎が殺された。友人・香川喬之助に疑いがかかる。顔を見たと思えるようは見ていないと言う。香川を付けていた勇次は遊び人の彦六が死んでいるの見つける。香川は浪人・高村慎吾を探していた。新三郎は高村が兄嫁を恐喝していることを知り、食い止めようとしたが斬られた。慎吾は香川を強請ろうとしたが彦六が怖じ気づいたので殺したと言う。ようは香川の産みの親だった。

 嘘吐き 小料理屋「千鳥」の前で半天を着た男・為五郎が殺されていた。横に酔った佐吉が寝ていた。佐吉が疑われる。かよは逃げていく男を見たと証言する。似顔絵にも協力する。
 似顔絵の男は源八だった。源八は為五郎殺しにされたと言う。かよは佐吉を助けたかった。
 為五郎は呉服屋の放蕩息子・喜助を調べていた。才次は喜助に頼まれ為五郎を殺していた。
 源八は、旗本・榊恭一郎が貰った恋文を使い、旗本の奥方・琴に恋文を買い取れと強請っていた。琴は毒を飲んだが死ねなかった。秋山は榊に会う。榊は切腹の身と秋山に槍で向かう。
秋山は榊を斬った。

 瓜二つ 久蔵は二十五、六の女を見た。十八年前に斬った盗賊に囲われていた女にそっくりだった。女・なつ、錺職の女房、薬種問屋萬宝堂の通い女中だった。なつを見張り近づく坊主を探る。商人宿「安房屋」、盗賊観音の宗十郎を名乗る、黒川主水と分ってくる。なつに父親が盗賊だと言いふらされたくなければと萬宝堂の引き込みをやらせようとしていた。黒川の父親が観音の宗十郎だった。人斬り観音の倅だとさげすまれ宗十郎にされたと言う。まじめに暮すなつを何故引き込むと尋ねられ、自死した。なつには何も知らされなかった。

 介錯人 若い武士は髭面の浪人たちに囲まれ土下座して謝った。新八は笛を吹いた。浪人たちは逃げた。若い武士を雲海坊は追った。速水左馬之助だった。居酒屋で食い詰め浪人が怒鳴る。編み笠の侍が二人の浪人の首の血脈を断ち斬った。速水が疑われた。浪人は良沢がいる寺に入り込んでいた。速水は半年前、新造が大川に身投げし死んだ菅原を探していた。道場仲間だった。
 浪人が血脈を斬って殺された。犯人は編み笠の侍だった。菅原の新造・弓絵は良沢の正体を暴いた。良沢は浪人たちに弓絵を拉致させ弄んだ。弓絵は死んだ。秋山は寺に行き、良沢たちを追い出し尋常に立ち合うようにする。良沢は死んだ。菅原は切腹し、速水に介錯を頼んだ。



 

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