毒草師② 白蛇の洗礼 高田崇史
裏千家教授・大沢信郎の次男・祐二が茶会の席で毒殺された。同じものを食べたり飲んだりした者に死者はいない。茶器道具にも毒は無かった。毒が何かも判らない。
「ファーマ・メディカ」医薬品業界向けの雑誌、医療関係の書籍を出版している会社の編集部に務める西田真規は、知り合いに頼まれ自分のマンションの隣の空き部屋を御名形史紋に紹介していた。西田は編集長・遠藤悟士の命令でカルチャーセンターの茶道教室に入部する。先生は坂元美和、助手は神凪百合。二人とも祐二の茶会の席にいた。
駅前の通で西田の目の前で大澤家の長男・徹太が死ぬ。
南野庭園でのお茶会で坂元美和が死ぬ。
龍河誠に茶事によばれ松江亜子と神凪百合が龍河の家の茶室で龍河と亜子がトリカブトの毒で亡くなる。百合は助かった。
百合は西田に助けを求める。西田は御名形に相談する。御名形はみんなを集め、百合に毒入りカプセルと無毒カプセル選んで飲むように言う。百合は飲んでも何事もなかった。
神凪家に集まる。御名形は龍河と亜子の死は、龍河の百合との無理心中だったという。百合が解毒斎であることを暴露する。この前のカプセルは両方毒入りだった。確かめていた。また、百合の友人・火渡祥子が毒を持った体質だった。交感神経が興奮したりすると毒素が出てしまう。祐二や徹太は百合に近づきながら祥子にも近づき無理やりキスをした。美和は百合に近づきすぎた。私には百合しかいないのにと大沢信郎に言う。
大澤は知っていた。代々、大澤家に仕え、毒味や毒を飲む仕事をしてきた家だった。二人とも、小さい時に親や、兄妹を毒で亡くしていた。気がついていたのだった。大澤は不治の病でかわいそうに思っていた祥子に命がけで子どもを与えた。神凪家に集まっている時、大澤は死んだ。祥子は行へ不明だ。
百合は御名形の助手をすることにした。
2017年7月6日木曜日
2017年7月5日水曜日
鎌倉香房メモリーズ(5)
鎌倉香房メモリーズ(5) 完 阿部暁子
学年末テストが終わった。三月から岸田雪弥が花月香房のアルバイトに来るようになった。香乃はまだ、居なくなってしまうかもしれないという恐れを抱いている。付き合ってるの?香乃は判らない。
花守の送り歌 祖母を訪ねて久住桜子が来る。二十年振だと言う。二人は憎まれ口の挨拶を交わす。桜子は茶事に使う練り香を買い、「花守」という香木を出し、聞かせて欲しいと頼む。雪弥と香乃も聞く。ガンで入院するので茶事に来てと誘う。三春は桜子の祖母に茶道を習っていたが、息子の嫁の連れ子の桜子に嫌味をいう先生に「茶人としての先生は尊敬するが孫に心無い言葉をかける先生は尊敬できない。本日限りでお暇します」と止めてしまったのだった。茶事の間二人はやっと仲直りした女学生のようだった。
姪の花野さんはインテリアデザイナーだが、休職している。次の日、伯母がいなくなったと花野が来る。桜子の茶室に行くと、今までの花野の絵やイラストが並んでいた。花守の香木を花野へ和歌と共に送られていた。桜子から花野への癒しと励ましのメッセージだった。
蓮のつぼみが開く時 アフロのチヨちゃんの兄・松木理久が香房に来た。チヨちゃんは飛んできた。香乃はチヨちゃんの家にお泊まりに行く。チヨは仏像を彫るのが趣味だが、手ほどきしてくれたのは祖祖父・伊助だった。廊下に伊助が彫った観音様が並べられていた。白檀の観音様があった。祖父が気にしている亡くなった戦友の遺族を探して仏像を送ろうとチヨは思いついた。次の朝、仏像が無くなっていた。理久が売ったという。チヨは部屋に閉じこもる。香乃は帰ってくるが、理久の押し入れから白檀の香りがしていた。売っていないことは分かった。雪弥に相談する。香乃と雪弥と理久と三人で話す筈だったがチヨも来た。伊助はシベリヤ抑留時に自分を庇ってくれた戦友を庇うことが出来なくて亡くなっていた。自分の弱さをチヨに知られたくなかったのだった。戦友の遺族を探し、シベリア抑留給付金と仏像を持って行った。遺族は仏像だけ受け取った。
小さなあなたに祝福を 雪弥の伯父・岸田和馬が現れ、またまた香乃は連れ出される。雪弥を呼んでも来ないから、香乃を使って呼び出す。必ず雪弥はやって来る。早く法学部に移れと言う話だった。各務雪彦が、雪弥の行っている大学の客員教授出あることを和馬は知ったようだ。雪弥は僕の進路に口を出さないで、干渉しないで下さいという。
雪弥と香乃は蔵並響己さんの腰越の洋食店に行く。生まれた娘・光莉と名付けられ四ヶ月になっていた。相談は立派な桐箱入りのお雛さまと「訶梨勒」の香袋が玄関に置かれていたが、送り主が分からないということだった。送り主は次男の正喜だった。正喜は響己を嫌い、弟と思わないような態度だったので響己はあり得ないと思っていた。響己の妻・ナナは知っていた。正喜はずっと冷たくした、今更面と向かっておめでとうと言っても響己が嫌な思いをするだけだろうと考え、名前を伏せて、響己が受け取るようにして欲しいとナナは頼まれたのだった。正喜にお礼の電話を掛ける。長い電話の後三兄弟で飲むことになったと報告する。
二人手をつないで 日曜日、雪弥は学習センターの各務雪彦の講演会を聞きに行った。和馬は雪弥を追いかけ回している。和馬は雪弥が傷つくようなことが起こることを恐れていルのだと思った。
シノヤが貰った暗号の手紙文を読む手伝いを雪弥にお願いに来たのだが、雪弥ではなく各務に声を掛けた。香乃は電話をスピーカー通話にして雪弥に聞かせていた。全部を読終わり今日、来迎寺で待っている。ということだと分かった。雪弥は思わず来迎寺は二ヶ所あると叫ぶ。一ヶ所を導きシノヤは走る。香乃と各務の二人だけで話している時、香乃は雪弥に聞かせたかったと思う。高橋が雪弥を紹介しようとした時、雪弥は自分の名前を言われるのを拒否し、ユッキーと紹介された。各務は雪弥が講義を聞いていることを知っていた。写真のようにいろいろ覚えているようだ。初めて近くで顔を見た、口をきいたのも始めてだった。香水は母親と同じものだった。香乃は各務が知人が贈ってくれたものだと言っていたことを思い出す。香乃は雪弥にお父さんを好きになっても良いのだと言う。
雪弥が母親と電話で話していた。生まれてきて良かった。産んでくれてありがとう。しあわせになって下さい。生まれたら教えて下さい。と
香乃は私と雪弥さんはお付き合いしているのでしょうか?と尋ねる。二月にそうして欲しいと言ったつもりです。今後、十年ほどかけて検討いただければと思います。と答える。
学年末テストが終わった。三月から岸田雪弥が花月香房のアルバイトに来るようになった。香乃はまだ、居なくなってしまうかもしれないという恐れを抱いている。付き合ってるの?香乃は判らない。
花守の送り歌 祖母を訪ねて久住桜子が来る。二十年振だと言う。二人は憎まれ口の挨拶を交わす。桜子は茶事に使う練り香を買い、「花守」という香木を出し、聞かせて欲しいと頼む。雪弥と香乃も聞く。ガンで入院するので茶事に来てと誘う。三春は桜子の祖母に茶道を習っていたが、息子の嫁の連れ子の桜子に嫌味をいう先生に「茶人としての先生は尊敬するが孫に心無い言葉をかける先生は尊敬できない。本日限りでお暇します」と止めてしまったのだった。茶事の間二人はやっと仲直りした女学生のようだった。
姪の花野さんはインテリアデザイナーだが、休職している。次の日、伯母がいなくなったと花野が来る。桜子の茶室に行くと、今までの花野の絵やイラストが並んでいた。花守の香木を花野へ和歌と共に送られていた。桜子から花野への癒しと励ましのメッセージだった。
蓮のつぼみが開く時 アフロのチヨちゃんの兄・松木理久が香房に来た。チヨちゃんは飛んできた。香乃はチヨちゃんの家にお泊まりに行く。チヨは仏像を彫るのが趣味だが、手ほどきしてくれたのは祖祖父・伊助だった。廊下に伊助が彫った観音様が並べられていた。白檀の観音様があった。祖父が気にしている亡くなった戦友の遺族を探して仏像を送ろうとチヨは思いついた。次の朝、仏像が無くなっていた。理久が売ったという。チヨは部屋に閉じこもる。香乃は帰ってくるが、理久の押し入れから白檀の香りがしていた。売っていないことは分かった。雪弥に相談する。香乃と雪弥と理久と三人で話す筈だったがチヨも来た。伊助はシベリヤ抑留時に自分を庇ってくれた戦友を庇うことが出来なくて亡くなっていた。自分の弱さをチヨに知られたくなかったのだった。戦友の遺族を探し、シベリア抑留給付金と仏像を持って行った。遺族は仏像だけ受け取った。
小さなあなたに祝福を 雪弥の伯父・岸田和馬が現れ、またまた香乃は連れ出される。雪弥を呼んでも来ないから、香乃を使って呼び出す。必ず雪弥はやって来る。早く法学部に移れと言う話だった。各務雪彦が、雪弥の行っている大学の客員教授出あることを和馬は知ったようだ。雪弥は僕の進路に口を出さないで、干渉しないで下さいという。
雪弥と香乃は蔵並響己さんの腰越の洋食店に行く。生まれた娘・光莉と名付けられ四ヶ月になっていた。相談は立派な桐箱入りのお雛さまと「訶梨勒」の香袋が玄関に置かれていたが、送り主が分からないということだった。送り主は次男の正喜だった。正喜は響己を嫌い、弟と思わないような態度だったので響己はあり得ないと思っていた。響己の妻・ナナは知っていた。正喜はずっと冷たくした、今更面と向かっておめでとうと言っても響己が嫌な思いをするだけだろうと考え、名前を伏せて、響己が受け取るようにして欲しいとナナは頼まれたのだった。正喜にお礼の電話を掛ける。長い電話の後三兄弟で飲むことになったと報告する。
二人手をつないで 日曜日、雪弥は学習センターの各務雪彦の講演会を聞きに行った。和馬は雪弥を追いかけ回している。和馬は雪弥が傷つくようなことが起こることを恐れていルのだと思った。
シノヤが貰った暗号の手紙文を読む手伝いを雪弥にお願いに来たのだが、雪弥ではなく各務に声を掛けた。香乃は電話をスピーカー通話にして雪弥に聞かせていた。全部を読終わり今日、来迎寺で待っている。ということだと分かった。雪弥は思わず来迎寺は二ヶ所あると叫ぶ。一ヶ所を導きシノヤは走る。香乃と各務の二人だけで話している時、香乃は雪弥に聞かせたかったと思う。高橋が雪弥を紹介しようとした時、雪弥は自分の名前を言われるのを拒否し、ユッキーと紹介された。各務は雪弥が講義を聞いていることを知っていた。写真のようにいろいろ覚えているようだ。初めて近くで顔を見た、口をきいたのも始めてだった。香水は母親と同じものだった。香乃は各務が知人が贈ってくれたものだと言っていたことを思い出す。香乃は雪弥にお父さんを好きになっても良いのだと言う。
雪弥が母親と電話で話していた。生まれてきて良かった。産んでくれてありがとう。しあわせになって下さい。生まれたら教えて下さい。と
香乃は私と雪弥さんはお付き合いしているのでしょうか?と尋ねる。二月にそうして欲しいと言ったつもりです。今後、十年ほどかけて検討いただければと思います。と答える。
2017年7月4日火曜日
夢草紙人情おかんヶ茶屋②
夢草紙人情おかんヶ茶屋② 縁の糸 今井絵美子
霜夜 竹が娘の帯解きの祝いのために買った友禅の振袖の正面に醤油の大きな染みがあった。ひぐらし長屋の女達は一人しかいない女の子だからと解き、染み抜き、洗い張り、縫、みんなで祝った。絵描きの郁は市松模様の帯を買った。髪結いのことは手柄と柘植の櫛を持ってくる。髪結いをする。みんなで祝う。
孝一の父親・克一が死んだ。克一は可愛がっていた孝一が自分の子どもでないことを知ってから酒を飲むようになった。克一の兄弟子の子どもだった。孝一は今も知らない。克一は自殺のようなものだが、孝一は事故だと思っている。十五才になったら左官見習いに行くことが決まっている。
冬の月 栄次郎が女房の佐喜が病気で栄次郎に会いたがっているという息子・幸造からの連絡を受け、芝神明町の扇屋に十年ぶりに帰った。郁は絵を描くだけ、廻りのことは栄次郎が全てしていた。郁も蝠のところで食事をする。郁が愛した庭月野左近を亡くしてから郁を立ち直らせ片時も傍を離れず世話をした栄次郎だった。十日も過ぎに栄次郎は帰ってきた。生を引き取り、野辺送り、息子に店を譲る手続きをし、人別も抜いてきたという。夫婦になれる。
縁の糸 本妾宅だっと家を店にして店を潰した元大店の主が料理を作っている店で、兵庫介は駒乃との出会いを思い出す。芸は売っても身体は売らないという駒乃が六郷の頭の手下から守り、代理人だ俺を通せ、と言った。それからの付き合いだった。
節分明けに、欽哉とこんの祝言をすることが決まった。
羅生門河岸の女郎・星華は小間物屋の番頭・余市に身請けされた。半年後、余市は良い出店があるという友也に十両を騙し取られ、殺された。星華は歌比丘尼になり、友也を探し出し匕首で刺した。友也は死ななかった。所払いになった。
思羽 梅次の息子・純平11才の機嫌が悪い。純平は指南所の先生に頭脳明晰のため英進塾に通うことを奨められていた。純平は行きたいがお金のことで親に相談出来なかった。先生は直接母親・さくに話す。梅次は毎晩おかん茶屋に行くことが出来なくなるなと覚悟する。
山善の隠居・たねが三才ぐらいの男の子を連れて帰ってくる。よし坊と呼んでいる。息子・芳造を二十才で亡くしていた。ひぐらし長屋の者は三才ぐらいで迷子になった子がいないか探した。三笠屋という傘屋の隠居・鹿に育てられている芳信という三才の迷子が居ることが分かった。鹿が会いに来る。鹿はたねとよく似ていた。鹿はたねにまた遊びにきて下さいと言い残して帰る。たねを交えて梅次の部屋にみんな集まる。
霜夜 竹が娘の帯解きの祝いのために買った友禅の振袖の正面に醤油の大きな染みがあった。ひぐらし長屋の女達は一人しかいない女の子だからと解き、染み抜き、洗い張り、縫、みんなで祝った。絵描きの郁は市松模様の帯を買った。髪結いのことは手柄と柘植の櫛を持ってくる。髪結いをする。みんなで祝う。
孝一の父親・克一が死んだ。克一は可愛がっていた孝一が自分の子どもでないことを知ってから酒を飲むようになった。克一の兄弟子の子どもだった。孝一は今も知らない。克一は自殺のようなものだが、孝一は事故だと思っている。十五才になったら左官見習いに行くことが決まっている。
冬の月 栄次郎が女房の佐喜が病気で栄次郎に会いたがっているという息子・幸造からの連絡を受け、芝神明町の扇屋に十年ぶりに帰った。郁は絵を描くだけ、廻りのことは栄次郎が全てしていた。郁も蝠のところで食事をする。郁が愛した庭月野左近を亡くしてから郁を立ち直らせ片時も傍を離れず世話をした栄次郎だった。十日も過ぎに栄次郎は帰ってきた。生を引き取り、野辺送り、息子に店を譲る手続きをし、人別も抜いてきたという。夫婦になれる。
縁の糸 本妾宅だっと家を店にして店を潰した元大店の主が料理を作っている店で、兵庫介は駒乃との出会いを思い出す。芸は売っても身体は売らないという駒乃が六郷の頭の手下から守り、代理人だ俺を通せ、と言った。それからの付き合いだった。
節分明けに、欽哉とこんの祝言をすることが決まった。
羅生門河岸の女郎・星華は小間物屋の番頭・余市に身請けされた。半年後、余市は良い出店があるという友也に十両を騙し取られ、殺された。星華は歌比丘尼になり、友也を探し出し匕首で刺した。友也は死ななかった。所払いになった。
思羽 梅次の息子・純平11才の機嫌が悪い。純平は指南所の先生に頭脳明晰のため英進塾に通うことを奨められていた。純平は行きたいがお金のことで親に相談出来なかった。先生は直接母親・さくに話す。梅次は毎晩おかん茶屋に行くことが出来なくなるなと覚悟する。
山善の隠居・たねが三才ぐらいの男の子を連れて帰ってくる。よし坊と呼んでいる。息子・芳造を二十才で亡くしていた。ひぐらし長屋の者は三才ぐらいで迷子になった子がいないか探した。三笠屋という傘屋の隠居・鹿に育てられている芳信という三才の迷子が居ることが分かった。鹿が会いに来る。鹿はたねとよく似ていた。鹿はたねにまた遊びにきて下さいと言い残して帰る。たねを交えて梅次の部屋にみんな集まる。
夢草紙人情おかんヶ茶屋
夢草紙人情おかんヶ茶屋① 今井絵美子
前編は「夢草紙人情ひぐらし店」があるようだ。
三谷橋の手前の葦簀茶屋・おかんケ茶屋、ひとよんで蝙蝠茶屋、女将が蝠、四十路半ば、総菜が美味い、素性は謎
山川町ひぐらし長屋、淡島兵庫助33才 浪人、居合抜き、遊女の恋文の代筆
こうもり 人足寄場から欽哉が帰ってきた。病気の妹を看ようとしなかった医者を刺そうとして人足寄場に三年半行っていた。淡島の店に住む。三、四日して元気が無くなった欽哉だったが火事現場に飛んでゆき纏いを持ってから元気になった。
秋の夜 長屋の亀吉はシロが甘えた声を出すのを聞いて助さんが帰ってきたと思った。痩せて足を引きずる助を見たと言う者が現れ、みんなで助さんを探す。山猫まわし・傀儡師の春太夫が半月前に助六が死んだことを知らせに来た。籠脱けの助六は籠脱け中に「ちゃん」の言葉に動揺して失敗し、足の神経を傷つけた。酒に溺れて身体を壊して亡くなった。ひぐらし長屋の近くの投げ込み寺西芳寺に投げ込んでくれと言い残した。春太夫は助六の小梅入れ壺に骨を入れてもってきた。みんなで弔いをする。墓を建てた。
孝一10才が蜆を売に来る。父親・左官の克一は腕がいいが儲けを酒に替えてしまう。蝠は孝坊と言い、蜆を買い、お弁当を作っている。
つづりさせ 兵庫助の知り合い芸子・駒乃姐さんの妹分の胡桃が置屋の御亭から侠客の手掛になるように言われた。ひぐらし長屋の日下部沙影のところで胡桃を匿う。大家も巻き込み翔太の妹・紺ということで本所の質屋のお端女として送り込んだ。
鬼の捨て子 沙影が仕立物を請け合っている札差白金屋の若旦那・澤太郎は母親の嫁取りの話しにいい顔をしない。沙影が好きなのだ。そのことを知った沙影は夫・日下部左馬介の最後を看取った元出石藩筆頭家老千石左京の奥方付き女中・本浦真生が寄寓するのん太に同居することにした。ひぐらし長屋の人には国許に帰る事になったと話した。沙影は欽哉に部屋を明け渡し女物の道具は所帯を持った時に使って欲しいと言い残した。
前編は「夢草紙人情ひぐらし店」があるようだ。
三谷橋の手前の葦簀茶屋・おかんケ茶屋、ひとよんで蝙蝠茶屋、女将が蝠、四十路半ば、総菜が美味い、素性は謎
山川町ひぐらし長屋、淡島兵庫助33才 浪人、居合抜き、遊女の恋文の代筆
こうもり 人足寄場から欽哉が帰ってきた。病気の妹を看ようとしなかった医者を刺そうとして人足寄場に三年半行っていた。淡島の店に住む。三、四日して元気が無くなった欽哉だったが火事現場に飛んでゆき纏いを持ってから元気になった。
秋の夜 長屋の亀吉はシロが甘えた声を出すのを聞いて助さんが帰ってきたと思った。痩せて足を引きずる助を見たと言う者が現れ、みんなで助さんを探す。山猫まわし・傀儡師の春太夫が半月前に助六が死んだことを知らせに来た。籠脱けの助六は籠脱け中に「ちゃん」の言葉に動揺して失敗し、足の神経を傷つけた。酒に溺れて身体を壊して亡くなった。ひぐらし長屋の近くの投げ込み寺西芳寺に投げ込んでくれと言い残した。春太夫は助六の小梅入れ壺に骨を入れてもってきた。みんなで弔いをする。墓を建てた。
孝一10才が蜆を売に来る。父親・左官の克一は腕がいいが儲けを酒に替えてしまう。蝠は孝坊と言い、蜆を買い、お弁当を作っている。
つづりさせ 兵庫助の知り合い芸子・駒乃姐さんの妹分の胡桃が置屋の御亭から侠客の手掛になるように言われた。ひぐらし長屋の日下部沙影のところで胡桃を匿う。大家も巻き込み翔太の妹・紺ということで本所の質屋のお端女として送り込んだ。
鬼の捨て子 沙影が仕立物を請け合っている札差白金屋の若旦那・澤太郎は母親の嫁取りの話しにいい顔をしない。沙影が好きなのだ。そのことを知った沙影は夫・日下部左馬介の最後を看取った元出石藩筆頭家老千石左京の奥方付き女中・本浦真生が寄寓するのん太に同居することにした。ひぐらし長屋の人には国許に帰る事になったと話した。沙影は欽哉に部屋を明け渡し女物の道具は所帯を持った時に使って欲しいと言い残した。
2017年7月3日月曜日
逆転
逆転 小杉健治
鶴見京介は柏田四郎法律事務所の弁護士。
石出淳二43才の部屋で槙野須美子が殺され傍に石出が居たために逮捕されていた。京介は石出の弁護をする。石出はコンビニに行っている間に殺されていたと言う。
石出は十三年間服役し、出所して三ヶ月で再逮捕された。十三年前の事件の弁護士は柏田だった。柏田は石出は死体遺棄はしたが、殺人は彼ではないと思っていた。石出が自分の犯行だと言い張り、服役していた。
警察は十三年前の事件は須美子が犯人で身代わりに石出が服役したにも関われず、出所後須美子が冷たい態度を取ったため殺したと考えていた。殺された宅配人は何度も女の人を襲ったと噂があった男だと分かった。須美子も襲われたのだろうと考えられた。
京介は十三年前の犯人は須美子だが、須美子が服役すると母の介護をする人が居なくなるので、須美子に母を託して殺害を認めたと思っている。今回は須美子の後をつけた内堀恭作が石出がマンションを出たのを見、石出の部屋で須美子を殺し、石出がマンションに帰ったのを見てから管理人に女の叫び声云々と電話を入れたと考えている。一つ一つ考えても警察の考えを覆す証拠がない。裁判で内堀恭作を告発するしか手はないと思った。柏田はそういう弁護を許さなかった。
須美子は石出の母を看取った後、石出の母が歌った山中節を頼りに山中温泉に行った。そこで須美子と石出が従兄弟であることが分かった。その山中温泉で内堀と会った。内堀には妻も子もいた。須美子に言い寄るが須美子は妻帯者とは付き合わないといい、離婚すると言っても自分は結婚する気はないと言った。そんな須美子を東京で見かけ後をつけることになった。
京介は内堀を知っていた。十八年前、北海道で友達の姉・福沢波留美がひき逃げにあった。その時、犯人と思われたのが内堀恭作・その頃は嶋尾恭作だった。ひき逃げに使われた盗難車に恭作の指紋が残っていたにも関わらず警察に圧力がかかり、逮捕されず彼はいなくなった。養子になり名前を変えて加賀にいたのだ。恭作は自首した。京介に須美子が波留美に見えた。波留美に復讐されたのかもしれないと言った。
須美子は石出に何を言おうとしたのか。石出は十三年前、事件の後母親の手の血痕を見て、襲われている須美子を助けたのは母親だと思っていた。母親の身代わりになったとおもっている石出に申し訳ないと思っていたのだろう。
検事からの控訴取り消しの申し入れを断り、裁判で無罪を言い渡される事をえらんだ。
鶴見京介は柏田四郎法律事務所の弁護士。
石出淳二43才の部屋で槙野須美子が殺され傍に石出が居たために逮捕されていた。京介は石出の弁護をする。石出はコンビニに行っている間に殺されていたと言う。
石出は十三年間服役し、出所して三ヶ月で再逮捕された。十三年前の事件の弁護士は柏田だった。柏田は石出は死体遺棄はしたが、殺人は彼ではないと思っていた。石出が自分の犯行だと言い張り、服役していた。
警察は十三年前の事件は須美子が犯人で身代わりに石出が服役したにも関われず、出所後須美子が冷たい態度を取ったため殺したと考えていた。殺された宅配人は何度も女の人を襲ったと噂があった男だと分かった。須美子も襲われたのだろうと考えられた。
京介は十三年前の犯人は須美子だが、須美子が服役すると母の介護をする人が居なくなるので、須美子に母を託して殺害を認めたと思っている。今回は須美子の後をつけた内堀恭作が石出がマンションを出たのを見、石出の部屋で須美子を殺し、石出がマンションに帰ったのを見てから管理人に女の叫び声云々と電話を入れたと考えている。一つ一つ考えても警察の考えを覆す証拠がない。裁判で内堀恭作を告発するしか手はないと思った。柏田はそういう弁護を許さなかった。
須美子は石出の母を看取った後、石出の母が歌った山中節を頼りに山中温泉に行った。そこで須美子と石出が従兄弟であることが分かった。その山中温泉で内堀と会った。内堀には妻も子もいた。須美子に言い寄るが須美子は妻帯者とは付き合わないといい、離婚すると言っても自分は結婚する気はないと言った。そんな須美子を東京で見かけ後をつけることになった。
京介は内堀を知っていた。十八年前、北海道で友達の姉・福沢波留美がひき逃げにあった。その時、犯人と思われたのが内堀恭作・その頃は嶋尾恭作だった。ひき逃げに使われた盗難車に恭作の指紋が残っていたにも関わらず警察に圧力がかかり、逮捕されず彼はいなくなった。養子になり名前を変えて加賀にいたのだ。恭作は自首した。京介に須美子が波留美に見えた。波留美に復讐されたのかもしれないと言った。
須美子は石出に何を言おうとしたのか。石出は十三年前、事件の後母親の手の血痕を見て、襲われている須美子を助けたのは母親だと思っていた。母親の身代わりになったとおもっている石出に申し訳ないと思っていたのだろう。
検事からの控訴取り消しの申し入れを断り、裁判で無罪を言い渡される事をえらんだ。
2017年7月2日日曜日
草紙屋薬楽堂ふしぎ始末②
草紙屋薬楽堂ふしぎ始末② 絆の煙草入れ 平谷美樹
文政 通油町にある草紙屋薬楽堂
戯作者・鉢野金魚、本能寺無念、元御庭番の読売屋・北野貫兵衛に只野真葛が加わる。
娘幽霊 初春の誑り 金魚は《春爛漫 桜下の捕り物 巻の三》の筆工を小普請組中野勝之慎に頼もうと思った。中野勝之慎の屋敷の前に幽霊が出るという。金魚は謎解きをする。
勝之慎が筆工している草稿は、実話を元にした怪異譚と言われているが、実名を使った作り話だった。世に出したくない娘が書かないでと頼みむために屋敷まで来るが切り出せなかったのだった。金魚たちは脅かし出す事を止めさせた。
生魑魅 菖蒲の待ち伏せ 摺り師・富五郎にそっくりな人が居る事が分かった。名前は岩次郎、彼は富五郎のことを調べていた。富次郎は多嘉良屋に泊まり込みになる。岩次郎は盗人だった。屋敷の中に入り込めれば十分だった。金魚たちが富五郎の元に行った時には富五郎とすり替わっていた。一旦は岩次郎を捕まえたがするりと逃げられる。富五郎は同じ長屋の空き部屋に転がされていたのを見付ける。
破寺奇談 黄金の幻 幽霊が出るという読売が出た。幽霊見たさに人が集まる。薬楽堂の面々は何故こんな読売が出たかを考える。真葛は自分の《独考》を自費出版をするためにお金が欲しいと思った。荒れ寺に盗み金が隠されていると考え、盗賊の上前をはねようとする。反対する金魚は邪魔をする。寺社奉行に届け、現れた盗賊を叩きのめしみんなは逃げた。
拐かし 絆の煙草入れ 金魚は自分のファンに勾引かされ、座敷牢で戯作を書かされる。勾引かされた事実を書く。みんなに助け出される。真葛は金魚に煙草入れを残し仙台に帰る。
文政 通油町にある草紙屋薬楽堂
戯作者・鉢野金魚、本能寺無念、元御庭番の読売屋・北野貫兵衛に只野真葛が加わる。
娘幽霊 初春の誑り 金魚は《春爛漫 桜下の捕り物 巻の三》の筆工を小普請組中野勝之慎に頼もうと思った。中野勝之慎の屋敷の前に幽霊が出るという。金魚は謎解きをする。
勝之慎が筆工している草稿は、実話を元にした怪異譚と言われているが、実名を使った作り話だった。世に出したくない娘が書かないでと頼みむために屋敷まで来るが切り出せなかったのだった。金魚たちは脅かし出す事を止めさせた。
生魑魅 菖蒲の待ち伏せ 摺り師・富五郎にそっくりな人が居る事が分かった。名前は岩次郎、彼は富五郎のことを調べていた。富次郎は多嘉良屋に泊まり込みになる。岩次郎は盗人だった。屋敷の中に入り込めれば十分だった。金魚たちが富五郎の元に行った時には富五郎とすり替わっていた。一旦は岩次郎を捕まえたがするりと逃げられる。富五郎は同じ長屋の空き部屋に転がされていたのを見付ける。
破寺奇談 黄金の幻 幽霊が出るという読売が出た。幽霊見たさに人が集まる。薬楽堂の面々は何故こんな読売が出たかを考える。真葛は自分の《独考》を自費出版をするためにお金が欲しいと思った。荒れ寺に盗み金が隠されていると考え、盗賊の上前をはねようとする。反対する金魚は邪魔をする。寺社奉行に届け、現れた盗賊を叩きのめしみんなは逃げた。
拐かし 絆の煙草入れ 金魚は自分のファンに勾引かされ、座敷牢で戯作を書かされる。勾引かされた事実を書く。みんなに助け出される。真葛は金魚に煙草入れを残し仙台に帰る。
2017年7月1日土曜日
QED ⑲ 月夜見
QED ⑲ 月夜見 高田崇史
八月 棚橋奈々は桑原崇と一泊二日で京都へ行った。一日目、松尾大社、蚕の社等に行くため嵐山方面に行く。
月読神社で女性・望月桂が殺され、松尾大社で桂の兄が首を吊っていた事件が起こっていた。桂の死体発見場所の階段の下で気を失った女性・馬関桃子が見付かっている。また桃子の友達・榎木友里が殺され、友里の交際相手・持田45才も殺される。病院から退院する桃子も殺されかかる。桃子をマークしていた中新井田刑事が犯人を捕まえた。犯人は持田の部下・見上だった。
桃子が入院した桃子の友達の実家の病院へ再度入院する。小松崎に連れてこられた崇は病院院長・矢野とその妻・華月に話し始める。秦氏は日本史上悲惨な目に遭った氏族だという。秦氏の神と思われている月読命は秦氏の神では無かったことを説く。ショックを受けた華月はと渡月橋から飛び落ちた。止めようとした奈々も一緒に川にはまる。溺れた奈々は崇に助けられる。月を愛した華月は死んだ。月読が押し付けられた神だと知って。
一連の殺人事件は矢野の娘・聡子が見上に持ちかけていた。望月兄妹はカメラマンとイラストレーターだった。月をモチーフに使っている。聡子は月を汚されたと思い、兄妹を殺した。見上に始末を頼んだ。友里のお腹の中の子どもは見上の子だった。だから見上は友里を殺した。持田は見上の不正を知った上司だった。
一晩病院で過ごした奈々たちは、竹生島に行き東京に帰った。
聡子は月読神社で首を吊った。
八月 棚橋奈々は桑原崇と一泊二日で京都へ行った。一日目、松尾大社、蚕の社等に行くため嵐山方面に行く。
月読神社で女性・望月桂が殺され、松尾大社で桂の兄が首を吊っていた事件が起こっていた。桂の死体発見場所の階段の下で気を失った女性・馬関桃子が見付かっている。また桃子の友達・榎木友里が殺され、友里の交際相手・持田45才も殺される。病院から退院する桃子も殺されかかる。桃子をマークしていた中新井田刑事が犯人を捕まえた。犯人は持田の部下・見上だった。
桃子が入院した桃子の友達の実家の病院へ再度入院する。小松崎に連れてこられた崇は病院院長・矢野とその妻・華月に話し始める。秦氏は日本史上悲惨な目に遭った氏族だという。秦氏の神と思われている月読命は秦氏の神では無かったことを説く。ショックを受けた華月はと渡月橋から飛び落ちた。止めようとした奈々も一緒に川にはまる。溺れた奈々は崇に助けられる。月を愛した華月は死んだ。月読が押し付けられた神だと知って。
一連の殺人事件は矢野の娘・聡子が見上に持ちかけていた。望月兄妹はカメラマンとイラストレーターだった。月をモチーフに使っている。聡子は月を汚されたと思い、兄妹を殺した。見上に始末を頼んだ。友里のお腹の中の子どもは見上の子だった。だから見上は友里を殺した。持田は見上の不正を知った上司だった。
一晩病院で過ごした奈々たちは、竹生島に行き東京に帰った。
聡子は月読神社で首を吊った。
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