風烈廻り与力・青柳剣一郎 23 朱刃 小杉健治
三ヶ月前から火付盗賊「朱雀太郎」が出没する。堂々と表から押し入り土蔵の鍵を要求する。手向かえば殺し、火を付ける。鼻緒問屋「生駒屋」は千両箱を盗まれた。札差し「後藤屋」は主人が殺され、屋敷は全焼した。五件目酒問屋「伏見屋」用心棒が殺され、主人が殺され周辺の商家が焼けた。薬種問屋「佐原屋」主人が殺され火を付けられた。
青柳剣一郎は三年前姿を消した『朱雀秀太郎」との関連を考えた。秀太郎は殺さず傷つけず盗みだけの盗賊だった。
青柳剣一郎は、侍が咳をし、主人が「あっ」と声をあげ殺されたと言う証言から咳をする浪人、御家人を探す。進藤勝之助を割り出し、見張り、他の仲間を探し出そうという時に第二の火盗改めが発足し、進藤を捕まえてしまう。第二の火盗改の長官は、横瀬籐之進で、若い時、真下道場で青柳剣一郎と竜虎と称された、一千石の旗本だった。横瀬は剣一郎を目の敵にしている。
青柳剣一郎は進藤は何も話さないだろうと思っていた。進藤の周辺、前に会っていた三浦屋助五郎を見張る。朱雀太郎がまた襲った。が助五郎は動かなかった。
助五郎の立ち回り先、会う人を調べ見張りを置く。進藤が自分の看病をしたために胸を患った女に助五郎が人参を届けていた。
剣一郎の屋敷に十次屋の女将が相談に来た。朱雀太郎のことを気にしていた。昔の知り合い七兵衛に呼び出されて出て行った後、七兵衛がやって来た。主・庄蔵は帰らない。という。庄蔵と七兵衛は秀太郎の仲間だった。三人は足を洗っていた。朱雀太郎が気になった秀太郎は自分が動けないので七兵衛が江戸へ出てきた。四人に分割した南の哲太郎も東の昌五郎もいなくなっていた。七兵衛は自分たちが密告した霧の鮒吉の身内による仕返しだと思った。十蔵に出合い家で世話になる。身体が動かなくなり寝ている。
青柳剣一郎は横瀬の屋敷に行き、進藤と話しをさせてもらう。何もしゃべらなかった進藤が剣一郎が話ていくと、全てをしゃべった。朱雀は二人いた。三浦屋助五郎と市助。二人は秀太郎の手下だった。剣一郎は三浦屋へ向かう。横瀬が馬を走らせ追い抜いた。が三浦屋も十蔵の所にいた。
七兵衛は十蔵の手下・五助に火盗改めへの密書を頼んだが失敗していた。常吉が七兵衛と五助を殺しに掛かった時、南町奉行所の捕り方が廻りを囲み、剣之助が潜み込んでいた。納屋の裏から三人の遺体が出た。玄武の常と白虎の十蔵は獄門、後は死罪と遠島、五助は短期の遠島になった。五助は七兵衛が倉賀野宿の旅籠で知り合った女中の亭主だった。
2016年7月31日日曜日
2016年7月30日土曜日
忘却探偵シリーズ5
忘却探偵シリーズ5 掟上今日子の退職願 西尾維新
掟上今日子のバラバラ死体 マンションで見付かった殺人事件、死体損壊事件の捜査依頼。佐和沢警部・若いキャリア・今日子さんに会うのは五度目、捜査依頼は三度目
被害者は聖野帳・37才男性 憎んでいる人が多く容疑者は多いが、いくら早くてもバラバラ・十五分割にするための時間が二時間、昼間であるためみんなにアリバイがある。
今日子さんは自分の体に切断された線を書き込む。何故、切断しなければならなかったか。時間が長く掛かったと思わせるため。一人が殺し、次々と人が変わって切断してゆく。そうすれば一人に掛かった時間は短くなる。絞殺された正午のアリバイの無い人を探す。後、力の弱い人、空白時間の短い人、から順に探す。
掟上今日子の飛び降り死体 プロ野球のピッチャー・桃木両太郎がマウンドで死体となって見付かった。死因は転落死だった。鬼庭警部は上司に気を悪くしないでと言う言葉付きで忘却探偵に解決を依頼すると言われた。鬼庭警部は喜ばしい、ようやく会える。
グラウンドで一番高いバックネットによじ登り落ちてみた今日子さん。怪我はなかった。
名誉の死と言う言葉を聞いて・スタジアムを一周して出した答えは、マンホールの穴へ落ちた。という。後の捜査の結果、マンホールの蓋は盗まれていた。桃木が下水道の中で瀕死の状態を見付けた人がベテラン投手がこんなところで死なせてはならないと思い、マウンドに運んだのだった。
掟上今日子の絞殺死体 総合病院の一室で患者・霜葉総蔵さん92才が絞殺死体が見付かった。反忘却探偵派の山野辺警部はベットで寝ている今日子さんを見付ける。
山野辺警部の人生の締めくくりと言う言葉を聞いて、総蔵さんは自殺です。言いきる今日子さん。一見は百聞に如かず、やってみる。三本の長靴下を繋いだ紐を首に巻、左右のベットフレームに端を結んだ。ベットの操作パネルスイッチを押しマットレスを四十五度ほど上げる。点滴用のチュウブを使ったのでしょう。病院は看護ベットやチュウブを使ったのを隠蔽するためにベットを戻した。総蔵さんにとってベットのフレームに結ぶことは大変なことだった。だが、最後の最後で死にたくなくなった。ナースコールを押し、ベットの動きを止めようとした。が失敗した。
掟上今日子の水死体 波止場警部はこれを最後の仕事にするつもりだった。退職願いをん持っている。忘却探偵は波止場警部最初の事件を解決した探偵だった。
池の中央辺りにぷかぷか浮いている死体が見付かった。殺されてから池に沈められた。被害者は加勢木二歩さん、死因は撲殺、容疑者は恋人。水深一、五メートルの自宅近くのこの池に何故死体を沈めたか。
今日子さんはボートから池に飛び込む。底に寝る。
波止場警部の退職の話から「足を洗う」がヒントになって、容疑者は飼っている犬の毛が付いている被害者を洗おうとした。と今日子さんは言った。
掟上今日子のバラバラ死体 マンションで見付かった殺人事件、死体損壊事件の捜査依頼。佐和沢警部・若いキャリア・今日子さんに会うのは五度目、捜査依頼は三度目
被害者は聖野帳・37才男性 憎んでいる人が多く容疑者は多いが、いくら早くてもバラバラ・十五分割にするための時間が二時間、昼間であるためみんなにアリバイがある。
今日子さんは自分の体に切断された線を書き込む。何故、切断しなければならなかったか。時間が長く掛かったと思わせるため。一人が殺し、次々と人が変わって切断してゆく。そうすれば一人に掛かった時間は短くなる。絞殺された正午のアリバイの無い人を探す。後、力の弱い人、空白時間の短い人、から順に探す。
掟上今日子の飛び降り死体 プロ野球のピッチャー・桃木両太郎がマウンドで死体となって見付かった。死因は転落死だった。鬼庭警部は上司に気を悪くしないでと言う言葉付きで忘却探偵に解決を依頼すると言われた。鬼庭警部は喜ばしい、ようやく会える。
グラウンドで一番高いバックネットによじ登り落ちてみた今日子さん。怪我はなかった。
名誉の死と言う言葉を聞いて・スタジアムを一周して出した答えは、マンホールの穴へ落ちた。という。後の捜査の結果、マンホールの蓋は盗まれていた。桃木が下水道の中で瀕死の状態を見付けた人がベテラン投手がこんなところで死なせてはならないと思い、マウンドに運んだのだった。
掟上今日子の絞殺死体 総合病院の一室で患者・霜葉総蔵さん92才が絞殺死体が見付かった。反忘却探偵派の山野辺警部はベットで寝ている今日子さんを見付ける。
山野辺警部の人生の締めくくりと言う言葉を聞いて、総蔵さんは自殺です。言いきる今日子さん。一見は百聞に如かず、やってみる。三本の長靴下を繋いだ紐を首に巻、左右のベットフレームに端を結んだ。ベットの操作パネルスイッチを押しマットレスを四十五度ほど上げる。点滴用のチュウブを使ったのでしょう。病院は看護ベットやチュウブを使ったのを隠蔽するためにベットを戻した。総蔵さんにとってベットのフレームに結ぶことは大変なことだった。だが、最後の最後で死にたくなくなった。ナースコールを押し、ベットの動きを止めようとした。が失敗した。
掟上今日子の水死体 波止場警部はこれを最後の仕事にするつもりだった。退職願いをん持っている。忘却探偵は波止場警部最初の事件を解決した探偵だった。
池の中央辺りにぷかぷか浮いている死体が見付かった。殺されてから池に沈められた。被害者は加勢木二歩さん、死因は撲殺、容疑者は恋人。水深一、五メートルの自宅近くのこの池に何故死体を沈めたか。
今日子さんはボートから池に飛び込む。底に寝る。
波止場警部の退職の話から「足を洗う」がヒントになって、容疑者は飼っている犬の毛が付いている被害者を洗おうとした。と今日子さんは言った。
2016年7月29日金曜日
仕舞屋侍 3
仕舞屋侍 3 青紬の女 辻堂魁
九十九九十郎は桜木家の秋田犬に追いかけられ怪我をした親たちに殿様からの謝罪の言葉と怪我の治療代を支払って欲しいと頼まれた。桜木家に行くが殿様に断わられた。九十郎は12才の女中・七に相談した。犬を取り上げたら改心すると思うという。飼い主が改心すれば犬を返してあげればいいという。
九十郎は北町奉行所年番方与力・橘左近に、子供に怪我を負わせた秋田犬を中野村の犬屋敷に収容してほしいと頼む。主が自分の愚かさに気付き心を改めるまで犬を主から離してもらいたいと頼む。
橘から仕舞屋の仕事とし頼まれた。表火之番組頭・結木英之介の死んだことになっている妹・雅27才を探して欲しいという。七年前に欠落した雅に、先が長くない父親がひと言伝えたいことが在るという。
雅は小太刀に優れていた。二十才の時、旗本との縁談があった。雅は身体を許していた。その相手から一方的に家風に合わぬと破談にされた。男には大名家の重役の娘で数千両の持参金がつくという縁談が持ち上がっていた。雅は男を訪ね、男の口から聞きたいと思ったが、男は体を求めに来た。雅は男を一刀両断にした。自死しようとしたが、家を出、病気で亡くなったことになった。その後七年、雅は壺振りになっていた。
雅は江戸へ行く途中、青梅宿で親子三人連れと同宿になり、娘・玉に懐かれた。夜、お玉の両親が襲撃され殺された。お玉は雅を頼って逃げてきた。お玉を江戸の住処まで送り届けることになった。
江戸でまた襲撃される。九十郎が行き合わせ助ける。九十郎は英之介の言葉を伝えるが会いには行けないと言われる。手紙を書きませんか。届けに行きます。と、雅は手紙を書いた。結木家に届ける。雅がどのような生活をしていようとも何も言えることはありません。生きていてくれて良かった。それで十分。と父親・克己は言う。英之介の手紙と克己の言葉を届ける。
九十郎はお玉が狙われる理由を探索する。米問屋神崎屋の手代・充助が空米取り引きに損失を出し家族で行方不明になっていた。命を狙われる理由は何だ。仲間がいたのだ。損失を出した訳では無く、儲けたのだ。それを独り占めしようと江戸を出たが追いかけられ殺された。まだ仲間は金を手に入れていない。またお玉が狙われる。お玉は勾引かされた。風烈廻りの柴六十次と神崎屋の番頭だった。雅がお金を預かっていると思っている。お玉を連れて来い、渡されたお玉の帯から為替手形を取り出した。お雅と九十郎と藤五郎に殺された。
桜木家の犬が連れていかれた。桜木家から見舞い金が出、犬の御免願いを出してくれとたのまれた。
雅はお玉を祖父母の所に連れて行く旅に出た。
九十九九十郎は桜木家の秋田犬に追いかけられ怪我をした親たちに殿様からの謝罪の言葉と怪我の治療代を支払って欲しいと頼まれた。桜木家に行くが殿様に断わられた。九十郎は12才の女中・七に相談した。犬を取り上げたら改心すると思うという。飼い主が改心すれば犬を返してあげればいいという。
九十郎は北町奉行所年番方与力・橘左近に、子供に怪我を負わせた秋田犬を中野村の犬屋敷に収容してほしいと頼む。主が自分の愚かさに気付き心を改めるまで犬を主から離してもらいたいと頼む。
橘から仕舞屋の仕事とし頼まれた。表火之番組頭・結木英之介の死んだことになっている妹・雅27才を探して欲しいという。七年前に欠落した雅に、先が長くない父親がひと言伝えたいことが在るという。
雅は小太刀に優れていた。二十才の時、旗本との縁談があった。雅は身体を許していた。その相手から一方的に家風に合わぬと破談にされた。男には大名家の重役の娘で数千両の持参金がつくという縁談が持ち上がっていた。雅は男を訪ね、男の口から聞きたいと思ったが、男は体を求めに来た。雅は男を一刀両断にした。自死しようとしたが、家を出、病気で亡くなったことになった。その後七年、雅は壺振りになっていた。
雅は江戸へ行く途中、青梅宿で親子三人連れと同宿になり、娘・玉に懐かれた。夜、お玉の両親が襲撃され殺された。お玉は雅を頼って逃げてきた。お玉を江戸の住処まで送り届けることになった。
江戸でまた襲撃される。九十郎が行き合わせ助ける。九十郎は英之介の言葉を伝えるが会いには行けないと言われる。手紙を書きませんか。届けに行きます。と、雅は手紙を書いた。結木家に届ける。雅がどのような生活をしていようとも何も言えることはありません。生きていてくれて良かった。それで十分。と父親・克己は言う。英之介の手紙と克己の言葉を届ける。
九十郎はお玉が狙われる理由を探索する。米問屋神崎屋の手代・充助が空米取り引きに損失を出し家族で行方不明になっていた。命を狙われる理由は何だ。仲間がいたのだ。損失を出した訳では無く、儲けたのだ。それを独り占めしようと江戸を出たが追いかけられ殺された。まだ仲間は金を手に入れていない。またお玉が狙われる。お玉は勾引かされた。風烈廻りの柴六十次と神崎屋の番頭だった。雅がお金を預かっていると思っている。お玉を連れて来い、渡されたお玉の帯から為替手形を取り出した。お雅と九十郎と藤五郎に殺された。
桜木家の犬が連れていかれた。桜木家から見舞い金が出、犬の御免願いを出してくれとたのまれた。
雅はお玉を祖父母の所に連れて行く旅に出た。
2016年7月28日木曜日
アコギなのかリッパなのか
アコギなのかリッパなのか 畠中恵
佐倉聖21才 父母は離婚し母は亡くなった。伯父に引き取られたがぐれた。高校卒業間近に保護司に大堂に合わされ、勤労学生となった。元国会議員・大堂剛61才の経営する関連事務所・アキラの事務員をしている。大堂門下の政治家の問題の処理もする。一年前、12才の拓が一人で聖の元にきた。保護者になった。
県議会議員・大石梨花が有力後援者・羽生という人の家で飼っている猫の色が変わるという。調べに行かされる。羽生家の未亡人が怪我をして長男と長女と孫が一緒に住むようになったのに、長男はリストラされそうだし、長女は夫の母を看護している姉が倒れたので長女が行ってしまいそうなので、わざと惚けた振りをしていた。だが、未亡人は長男にヘッドハンティングされているオーストラリアの会社に行くよう進めた。また長女にも義母の看護をするように言った。聖は英会話の本をプレゼントしオーストラリアへ行くことを進めた。あなたなら大丈夫という言葉を添えて。家族に言われるよりも他人に言われた方が自分を信頼できる。家政婦も一緒にオーストラリアに行くことになった。
加納という聖の嫌いな国会議員の選挙地盤へ行くことになった。拓が行きたい私立高校の奨学金のために。加納の後援会の幹部・有田が頭を殴られ警察が乗り出した。後援会が大騒ぎになっている。騒動を収めに行く。
有田が頭を殴られ倒れていたところに警察署長を呼び出し、聖が床を踏み抜いた所へ誘導し署長が床を踏み抜くようにする。有田も同じように踏み抜き柱で頭を打ったと説明し、事故だったという。警察が手を引いた。そしてみんなの前で事件の説明をする。有田のビニールハウスと馬場の工場が荒らされている。犯人は二人の息子だった。バカ息子をとっちめるために洋館に来たが有田が床を踏み抜いた。二人の親が加納に頼み、加納は息子たちのバイクを壊し、教育的指導を施していた。
小島議員の秘書・酒井が「月下の青」というリトグラフを持ったまま、宗教団体「加田の会」に入会してしまった。リトグラフを取り返してという任務だった。秘書・真木瞳と一緒に行く。
聖は、真木が指輪を時によってつける指を変えることで酒井が真木が婚約をしたと思い込み宗教団体に入ったと思った。真木が酒井に説明し教主のところに行っている間に、聖は貴重品置き場でリトグラフを探した。八号のリトグラフは二回りも大きな額縁に入って持ち出せない。見付かってしまった。二度と来ないように言い渡され放り出された。
小島議員は大堂の奥さん沙夜子議員だった。聖はコピーしたリトグラフと交換していた。
聖は区議会議員の選挙応援に来た。ぱっとしない商店街の振興のために議員を出したいと言う。選挙の手伝いの竹本は奥さんのダイエットのための甘い物禁止に困っていた。聖はカロリー計算や栄養バランスを整える所を商店街で引き受ければ商店街に来る人が増えるのではないかと提案した。出来合いの品だけでなく野菜や肉素材から量と作り方とカロリーを示すとか。老人食、病人食等、八百屋、肉屋、総菜屋、甘味屋などが協力して商店街の売り物にする。空き店舗でアンテナショップを始めることを提案した。
商店街振興に現実的な手を打てる候補だと話が広がる。聖は当選確実の感触を得た。
ある日、拓と父親・佐倉謙が朝食を作ってテーブルに並べていた。聖は逃げた。帰ったら謙と拓は出て行ったようであった。
インターンシップ参加の学生二人の予定を立てて事務所に連絡するように言われる。二人は聖の世話になるのが気に入らない。少なくとも秘書の人に面倒見て欲しいとのたまう。
政治家に必要な物は何ですか。と聞く。ずばり言い当てたら秘書として推薦してやると言われたそうだ。紙に書いて金庫にしまったという。夜、多田は金庫を明けに来る。聖は金庫を明けてやる。紙にはやーいと言う口が書いてあった。翌日多田はインターンシップを辞めた。東山を見に行くと忙しそうにしているが加納がいない。お眼鏡にかなわなかったようだ。
聖はいつもの仕事のように対応した。聖は二人の足跡を摑んだ。拓の母親・きみよが入院している病院で父と会った。父は離婚と家庭崩壊と暴力男だという自己不信のため、誰かと暮らすのが怖くなっていた。海外で連絡を受けた謙は聖に預ける事にした。金も送ったという着いてないのか。どこに送ったのやら。拓に会った。出かける時はちゃんとメモを置いて行け。約束しただろうが。
きみよの葬儀を終え、謙は日本を出立した。謙はフリーのカメラマンで海外の自然や動植物を撮っている。拓は謙の実子でなかった。でも拓は拓で弟だもん。謙と拓は聖に知られたくなかったのだろう。
大堂が政治家に必要な物は何かと聞く。聖は気力・体力・時の運ついでに腕力と答える。
長年大堂の秘書を務めてきた小原が都議会選挙に立候補し、当選した。
聖はずっと堅い就職先を見付けようと思っていたが、拓が成人するまでオヤジのところにいた方がいいのかなと思い始めた。この仕事場は忙しいが結構面白い時もある。と思った。
佐倉聖21才 父母は離婚し母は亡くなった。伯父に引き取られたがぐれた。高校卒業間近に保護司に大堂に合わされ、勤労学生となった。元国会議員・大堂剛61才の経営する関連事務所・アキラの事務員をしている。大堂門下の政治家の問題の処理もする。一年前、12才の拓が一人で聖の元にきた。保護者になった。
県議会議員・大石梨花が有力後援者・羽生という人の家で飼っている猫の色が変わるという。調べに行かされる。羽生家の未亡人が怪我をして長男と長女と孫が一緒に住むようになったのに、長男はリストラされそうだし、長女は夫の母を看護している姉が倒れたので長女が行ってしまいそうなので、わざと惚けた振りをしていた。だが、未亡人は長男にヘッドハンティングされているオーストラリアの会社に行くよう進めた。また長女にも義母の看護をするように言った。聖は英会話の本をプレゼントしオーストラリアへ行くことを進めた。あなたなら大丈夫という言葉を添えて。家族に言われるよりも他人に言われた方が自分を信頼できる。家政婦も一緒にオーストラリアに行くことになった。
加納という聖の嫌いな国会議員の選挙地盤へ行くことになった。拓が行きたい私立高校の奨学金のために。加納の後援会の幹部・有田が頭を殴られ警察が乗り出した。後援会が大騒ぎになっている。騒動を収めに行く。
有田が頭を殴られ倒れていたところに警察署長を呼び出し、聖が床を踏み抜いた所へ誘導し署長が床を踏み抜くようにする。有田も同じように踏み抜き柱で頭を打ったと説明し、事故だったという。警察が手を引いた。そしてみんなの前で事件の説明をする。有田のビニールハウスと馬場の工場が荒らされている。犯人は二人の息子だった。バカ息子をとっちめるために洋館に来たが有田が床を踏み抜いた。二人の親が加納に頼み、加納は息子たちのバイクを壊し、教育的指導を施していた。
小島議員の秘書・酒井が「月下の青」というリトグラフを持ったまま、宗教団体「加田の会」に入会してしまった。リトグラフを取り返してという任務だった。秘書・真木瞳と一緒に行く。
聖は、真木が指輪を時によってつける指を変えることで酒井が真木が婚約をしたと思い込み宗教団体に入ったと思った。真木が酒井に説明し教主のところに行っている間に、聖は貴重品置き場でリトグラフを探した。八号のリトグラフは二回りも大きな額縁に入って持ち出せない。見付かってしまった。二度と来ないように言い渡され放り出された。
小島議員は大堂の奥さん沙夜子議員だった。聖はコピーしたリトグラフと交換していた。
聖は区議会議員の選挙応援に来た。ぱっとしない商店街の振興のために議員を出したいと言う。選挙の手伝いの竹本は奥さんのダイエットのための甘い物禁止に困っていた。聖はカロリー計算や栄養バランスを整える所を商店街で引き受ければ商店街に来る人が増えるのではないかと提案した。出来合いの品だけでなく野菜や肉素材から量と作り方とカロリーを示すとか。老人食、病人食等、八百屋、肉屋、総菜屋、甘味屋などが協力して商店街の売り物にする。空き店舗でアンテナショップを始めることを提案した。
商店街振興に現実的な手を打てる候補だと話が広がる。聖は当選確実の感触を得た。
ある日、拓と父親・佐倉謙が朝食を作ってテーブルに並べていた。聖は逃げた。帰ったら謙と拓は出て行ったようであった。
インターンシップ参加の学生二人の予定を立てて事務所に連絡するように言われる。二人は聖の世話になるのが気に入らない。少なくとも秘書の人に面倒見て欲しいとのたまう。
政治家に必要な物は何ですか。と聞く。ずばり言い当てたら秘書として推薦してやると言われたそうだ。紙に書いて金庫にしまったという。夜、多田は金庫を明けに来る。聖は金庫を明けてやる。紙にはやーいと言う口が書いてあった。翌日多田はインターンシップを辞めた。東山を見に行くと忙しそうにしているが加納がいない。お眼鏡にかなわなかったようだ。
聖はいつもの仕事のように対応した。聖は二人の足跡を摑んだ。拓の母親・きみよが入院している病院で父と会った。父は離婚と家庭崩壊と暴力男だという自己不信のため、誰かと暮らすのが怖くなっていた。海外で連絡を受けた謙は聖に預ける事にした。金も送ったという着いてないのか。どこに送ったのやら。拓に会った。出かける時はちゃんとメモを置いて行け。約束しただろうが。
きみよの葬儀を終え、謙は日本を出立した。謙はフリーのカメラマンで海外の自然や動植物を撮っている。拓は謙の実子でなかった。でも拓は拓で弟だもん。謙と拓は聖に知られたくなかったのだろう。
大堂が政治家に必要な物は何かと聞く。聖は気力・体力・時の運ついでに腕力と答える。
長年大堂の秘書を務めてきた小原が都議会選挙に立候補し、当選した。
聖はずっと堅い就職先を見付けようと思っていたが、拓が成人するまでオヤジのところにいた方がいいのかなと思い始めた。この仕事場は忙しいが結構面白い時もある。と思った。
2016年7月27日水曜日
御家人無頼 蹴飛ばし左門 5
御家人無頼 蹴飛ばし左門 5 落下両断 芝村凉也
三日日左門の借財を肩代わりしたいと札差天秤屋がくる。
元、青砥現、綿貫清十郎の知人旗本寄合席二千七百石島田内記と久々に出会う。相談を持ちかけられるが、詳しく聞けずに帰って行く。島田が足抜けした遊女と自壊したと聞いた清十郎は調べた。三日日に相談する。
島田は三百石の四男だった。二千七百石の養子になり義母の姪と結婚したが、家族、家来とは会話もなかった。気を許せるのは吉原の中矩屋の振袖新造の露草だけだった。身請けするつもりで半金渡した。天秤屋は島田のことを承知で露草を百両で身請けする。島田は中矩屋の若い衆に誘われ露草を足抜けさせる。追われ居所が知られた二人は相対死する。天秤屋は中矩屋に乗り込み、倍返しを要求する。吉原の田中屋に中矩屋はすぐに乗っ取れると連絡する。島田家はもみ消しに掛かる。必要な金額を天秤屋から借りようとするが、天秤屋は他の店を何件か紹介する。島田家は潰された。借入金の下げ渡しを扱う勘定奉行は天秤屋と繋がりが無い者になった。島田家から返ってくる金額が解らなくなった。
三日日は 赤鞘組の轡田兵庫に天秤屋に先に手をつけているようだからはやくしろという。
天秤屋は轡田から二千両要求されていた。今、繋がっているところと赤鞘組とどちらにもお金を出す気になった。両方を利用するつもりだ。
轡田は百両持って三日日の所に来る。天秤屋には手を出すなという。左門は断わる。
左門は遁八と天秤屋の外蔵に忍込み、書き付け紙の束や大福帳を積み上げ書類箪笥の引き出しを開けぱなしにする。鍵も掛け直し帰った。夜中、天秤屋の土蔵の中から火が出た。火消しは火が躍り出ることを畏れ蔵の中から煙が出なくなるまで蔵の戸を開けさせなかった。貸付証文や売り掛け証文が灰になり回収は難しくなった。両天秤に掛けたことでどちらからも助けてもらえない。
轡田から果たし状が届く。左門がいくら考えても負ける予想しかできない相手だ。右腰を斬られたが、左手で脇差しを逆手に抜き上げていた。
三日日左門の借財を肩代わりしたいと札差天秤屋がくる。
元、青砥現、綿貫清十郎の知人旗本寄合席二千七百石島田内記と久々に出会う。相談を持ちかけられるが、詳しく聞けずに帰って行く。島田が足抜けした遊女と自壊したと聞いた清十郎は調べた。三日日に相談する。
島田は三百石の四男だった。二千七百石の養子になり義母の姪と結婚したが、家族、家来とは会話もなかった。気を許せるのは吉原の中矩屋の振袖新造の露草だけだった。身請けするつもりで半金渡した。天秤屋は島田のことを承知で露草を百両で身請けする。島田は中矩屋の若い衆に誘われ露草を足抜けさせる。追われ居所が知られた二人は相対死する。天秤屋は中矩屋に乗り込み、倍返しを要求する。吉原の田中屋に中矩屋はすぐに乗っ取れると連絡する。島田家はもみ消しに掛かる。必要な金額を天秤屋から借りようとするが、天秤屋は他の店を何件か紹介する。島田家は潰された。借入金の下げ渡しを扱う勘定奉行は天秤屋と繋がりが無い者になった。島田家から返ってくる金額が解らなくなった。
三日日は 赤鞘組の轡田兵庫に天秤屋に先に手をつけているようだからはやくしろという。
天秤屋は轡田から二千両要求されていた。今、繋がっているところと赤鞘組とどちらにもお金を出す気になった。両方を利用するつもりだ。
轡田は百両持って三日日の所に来る。天秤屋には手を出すなという。左門は断わる。
左門は遁八と天秤屋の外蔵に忍込み、書き付け紙の束や大福帳を積み上げ書類箪笥の引き出しを開けぱなしにする。鍵も掛け直し帰った。夜中、天秤屋の土蔵の中から火が出た。火消しは火が躍り出ることを畏れ蔵の中から煙が出なくなるまで蔵の戸を開けさせなかった。貸付証文や売り掛け証文が灰になり回収は難しくなった。両天秤に掛けたことでどちらからも助けてもらえない。
轡田から果たし状が届く。左門がいくら考えても負ける予想しかできない相手だ。右腰を斬られたが、左手で脇差しを逆手に抜き上げていた。
2016年7月26日火曜日
つくもがみ貸します
つくもがみ貸します 畠中恵
深川に姉・紅と弟・清次が営む古道具屋兼損料屋「出雲屋」があった。出雲屋の付喪神はしゃべっている。紅と清次は聞いている。紅と清次がしゃべりかけても答えはしない。
利休鼠 佐久間勝三郎がまるで本物の鼠のように走り去った鼠の根付けを探して欲しいと頼まれた。養子先の跡取りの持ち物だった。勝三郎の養子先・蜂須賀家の禄高が四百五十石、兄が跡取りの佐久間家は二百石、部屋住みの弟が裕福で地位も高い家の主になることが嫌で友達に盗ませていた。清次は鼠の根付けを蜂須賀家に返す。蜂須賀早苗には元許嫁がいたが、兄の死によって縁談が壊れた。早苗は元許嫁に未練があるようだが、相手はもう結婚していた。勝三郎に早苗さんにきれいだと言ってあげなさい。と言い、家に振り回されているのはあなただけじゃない、早苗さんと二人で背負って行きなさいと忠告する。
裏葉柳 幽霊が出る料理屋を買った鶴屋は、大久間屋を懲らしめようとしていた。鶴屋は大久間屋に悪い風邪をうつされ家族を亡くしていた。幽霊は大久間屋の子供を妊り追い出された女中だった。開店祝いに日、大久間屋と幽霊と付喪神たちが一部屋に閉じこもった。
秘色 清次が探している飯田屋佐太郎を探している、佐太郎の縁談相手だった加乃の店・住吉屋の番頭と知り合った。清次は住吉屋の蔵で蘇芳を見付けた。加乃が隠していた。番頭・権平に相談相手になってあげるように言う。
似せ紫 琥珀の帯締めの付喪神が紅と清次と佐太郎の関係を話す。佐太郎は紅が好きで日本橋「小玉屋」紅の父親の店に来ていた。佐太郎に縁談があった。佐太郎の母親が櫛一つから大金を用意しろと言い置いて帰る。加乃も来る。佐太郎の嫁は私だ。と。蘇芳の香炉は三つあった。紅と清次は櫛を次々と品物を替えていった。小玉屋が火事になり紅の父親が亡くなった。佐太郎が江戸を出ると言い、帰ってくるから待っててくれないかと言い置く。櫛が変化した蘇芳の兄妹「三曜」を出すが、佐太郎は割ってしまった。今から四年前のことだ。
蘇芳 佐太郎が江戸に帰ったらしい。紅の所へは来ない。三曜の兄妹「七曜」を探していると思った清次は七曜を追って佐太郎を探す。閉じ込められていた佐太郎を見付けた。紅が心配して駆け付け清次と話す。佐太郎の言葉は届かない。佐太郎は大阪に帰った。
深川に姉・紅と弟・清次が営む古道具屋兼損料屋「出雲屋」があった。出雲屋の付喪神はしゃべっている。紅と清次は聞いている。紅と清次がしゃべりかけても答えはしない。
利休鼠 佐久間勝三郎がまるで本物の鼠のように走り去った鼠の根付けを探して欲しいと頼まれた。養子先の跡取りの持ち物だった。勝三郎の養子先・蜂須賀家の禄高が四百五十石、兄が跡取りの佐久間家は二百石、部屋住みの弟が裕福で地位も高い家の主になることが嫌で友達に盗ませていた。清次は鼠の根付けを蜂須賀家に返す。蜂須賀早苗には元許嫁がいたが、兄の死によって縁談が壊れた。早苗は元許嫁に未練があるようだが、相手はもう結婚していた。勝三郎に早苗さんにきれいだと言ってあげなさい。と言い、家に振り回されているのはあなただけじゃない、早苗さんと二人で背負って行きなさいと忠告する。
裏葉柳 幽霊が出る料理屋を買った鶴屋は、大久間屋を懲らしめようとしていた。鶴屋は大久間屋に悪い風邪をうつされ家族を亡くしていた。幽霊は大久間屋の子供を妊り追い出された女中だった。開店祝いに日、大久間屋と幽霊と付喪神たちが一部屋に閉じこもった。
秘色 清次が探している飯田屋佐太郎を探している、佐太郎の縁談相手だった加乃の店・住吉屋の番頭と知り合った。清次は住吉屋の蔵で蘇芳を見付けた。加乃が隠していた。番頭・権平に相談相手になってあげるように言う。
似せ紫 琥珀の帯締めの付喪神が紅と清次と佐太郎の関係を話す。佐太郎は紅が好きで日本橋「小玉屋」紅の父親の店に来ていた。佐太郎に縁談があった。佐太郎の母親が櫛一つから大金を用意しろと言い置いて帰る。加乃も来る。佐太郎の嫁は私だ。と。蘇芳の香炉は三つあった。紅と清次は櫛を次々と品物を替えていった。小玉屋が火事になり紅の父親が亡くなった。佐太郎が江戸を出ると言い、帰ってくるから待っててくれないかと言い置く。櫛が変化した蘇芳の兄妹「三曜」を出すが、佐太郎は割ってしまった。今から四年前のことだ。
蘇芳 佐太郎が江戸に帰ったらしい。紅の所へは来ない。三曜の兄妹「七曜」を探していると思った清次は七曜を追って佐太郎を探す。閉じ込められていた佐太郎を見付けた。紅が心配して駆け付け清次と話す。佐太郎の言葉は届かない。佐太郎は大阪に帰った。
2016年7月25日月曜日
新・酔いどれ小籐次〈四〉
新・酔いどれ小籐次〈四〉 姉と弟 佐伯泰英
久慈屋の長屋の差配・新兵衛の孫・駿太郎と姉弟のように育った夕は、父親錺職人・桂三郎の弟子になった。一月に一日望外川荘に泊まることになった。
駿太郎の実父・須藤平八郎の埋葬場が分かり、小籐次と駿太郎はお参りし墓を建てることにした。駿太郎は墓石屋に修業に通う。自然石の墓石に「縁」と彫り、後ろに赤目駿太郎と彫り込んだ。
豊後森藩江戸藩邸の剣道指南役だった猪熊大五郎が、下男と女中を人質にして小籐次の命を狙ってきた。猪熊は倒された。
久慈屋の長屋の差配・新兵衛の孫・駿太郎と姉弟のように育った夕は、父親錺職人・桂三郎の弟子になった。一月に一日望外川荘に泊まることになった。
駿太郎の実父・須藤平八郎の埋葬場が分かり、小籐次と駿太郎はお参りし墓を建てることにした。駿太郎は墓石屋に修業に通う。自然石の墓石に「縁」と彫り、後ろに赤目駿太郎と彫り込んだ。
豊後森藩江戸藩邸の剣道指南役だった猪熊大五郎が、下男と女中を人質にして小籐次の命を狙ってきた。猪熊は倒された。
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