2016年7月29日金曜日

仕舞屋侍 3

仕舞屋侍 3 青紬の女 辻堂魁
 九十九九十郎は桜木家の秋田犬に追いかけられ怪我をした親たちに殿様からの謝罪の言葉と怪我の治療代を支払って欲しいと頼まれた。桜木家に行くが殿様に断わられた。九十郎は12才の女中・七に相談した。犬を取り上げたら改心すると思うという。飼い主が改心すれば犬を返してあげればいいという。
 九十郎は北町奉行所年番方与力・橘左近に、子供に怪我を負わせた秋田犬を中野村の犬屋敷に収容してほしいと頼む。主が自分の愚かさに気付き心を改めるまで犬を主から離してもらいたいと頼む。
 橘から仕舞屋の仕事とし頼まれた。表火之番組頭・結木英之介の死んだことになっている妹・雅27才を探して欲しいという。七年前に欠落した雅に、先が長くない父親がひと言伝えたいことが在るという。
 雅は小太刀に優れていた。二十才の時、旗本との縁談があった。雅は身体を許していた。その相手から一方的に家風に合わぬと破談にされた。男には大名家の重役の娘で数千両の持参金がつくという縁談が持ち上がっていた。雅は男を訪ね、男の口から聞きたいと思ったが、男は体を求めに来た。雅は男を一刀両断にした。自死しようとしたが、家を出、病気で亡くなったことになった。その後七年、雅は壺振りになっていた。
 雅は江戸へ行く途中、青梅宿で親子三人連れと同宿になり、娘・玉に懐かれた。夜、お玉の両親が襲撃され殺された。お玉は雅を頼って逃げてきた。お玉を江戸の住処まで送り届けることになった。
 江戸でまた襲撃される。九十郎が行き合わせ助ける。九十郎は英之介の言葉を伝えるが会いには行けないと言われる。手紙を書きませんか。届けに行きます。と、雅は手紙を書いた。結木家に届ける。雅がどのような生活をしていようとも何も言えることはありません。生きていてくれて良かった。それで十分。と父親・克己は言う。英之介の手紙と克己の言葉を届ける。
 九十郎はお玉が狙われる理由を探索する。米問屋神崎屋の手代・充助が空米取り引きに損失を出し家族で行方不明になっていた。命を狙われる理由は何だ。仲間がいたのだ。損失を出した訳では無く、儲けたのだ。それを独り占めしようと江戸を出たが追いかけられ殺された。まだ仲間は金を手に入れていない。またお玉が狙われる。お玉は勾引かされた。風烈廻りの柴六十次と神崎屋の番頭だった。雅がお金を預かっていると思っている。お玉を連れて来い、渡されたお玉の帯から為替手形を取り出した。お雅と九十郎と藤五郎に殺された。
 桜木家の犬が連れていかれた。桜木家から見舞い金が出、犬の御免願いを出してくれとたのまれた。
 雅はお玉を祖父母の所に連れて行く旅に出た。

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